中田安彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原理原則部分は色あせていないと思いますが、PRの実際的なスキルの部分はさすがに陳腐化しているところが目立ち、実用に耐える感じではありませんでした。実際になにか宣伝の活動をするために実用書として読むなら、マーケティングの民間資格の難易度低めなテキストのほうがずっと高度です。
そして、解説を読む限りでは、訳者はそういったことを詳細に認識していないのではないかと思います。解説や前書きからはプロパガンダあるいはPRの功罪の「罪」を明らかにしたいという立場であることがわかりますので、仕方のない部分もあるかとは思いますが、しかし、解説の文章が読者(あるいは「大衆」)の頭の中のステレオタイプにかなり依存したものになっていることに解説者が無自覚なのではないかと感じられるのは、お粗末と言えるのではないかと思います。
訳者が解説で使っている「アメリカの大企業」や「権力」といった用語が読者に思い起こさせるものこそが、まさに、プロパガンダで重要な「ステレオタイプ」です。それに気づけなければ、いくら危険性を知識として知っていたところで、プロパガンダから逃れることは出来ないのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ20世紀前半に、「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれた広報マン、バーネイズが著した、プロパガンダ(宣伝術)の入門書。
プロパガンダをプロパガンダするために著しているので、悪用された時の危うさとか問題点とかは書かれていない。しかしその点は訳者自身がまえがきと解説で補っているので、PR/パブリック・リレーションズ(宣伝術)の古典として読むには申し分ない。
具体的な方法は書かれていないが、それは「時代時代によって流行り廃りや有効無効があるから、基本は本書で教えるから実践に必要な物は自分で揃えなさい」ということなのだろう。
実際に読むと、本書で記されたプロパガンダを利用することで解決できる諸問題の多くが、現在(21世紀)の日本の諸問題の大半に当てはまることに驚いた。特に現在の日本の政治活動の現状が、本書に記された当時、つまり1世紀近く前のアメリカの政治活動の現状とほぼ同じで、これは今の方法で問題ないと思っているのか、法律上の規制でしたくてもできないのか、効果的な宣伝はしているけれど、私が知らないだけなのか。いずれにしろ、もしかしたら、本書の内容は今の日本にこそ必要な要素なのかもしれない。
ちなみにプロパガンダとPRはほぼ同義、つまり本書に書かれたプロパガンダ手法の原則は、そのまま自己PRの原則に通じるので、就職活動等で自己PRが求められて悩んでいる人は、試しに読んでみてはいかがだろうか。 -
Posted by ブクログ
キーワードは専門家あるいは知識人と大衆。
以下3冊分の感想。
東浩紀「一般意志2.0」⇒エドワード・バーネイズ「プロパガンダ」⇒ノーム・チョムスキー「メディアコントロール」
チョムスキーさんは知識人がふがいないと嘆く時点で、知識人によって世界を動かすバーネイズのプロパガンダと表裏なんじゃないのかなーと。
チョムスキーさん読んでると、知識人や専門家が物事をよく知って見渡せた上で大衆騙すためにウソをメディアに書く、という捉え方なのかなと思うのだけど、知識人や専門家って知っているふりをしているだけでそんなにすべてを見渡せてはないのだと思う。それこそ、アメリカ合州国の民主主義という正義しか目に入らないワケで。
間違いも、あとから、ああ、あれは間違ってたね、となったり認めもしなかったりなのだけど、発言や報道時点ではまったく間違いでなく真実だという確信や信念を持っているワケで、それを攻め立てたところで、大衆を騙したというよりは単に多くを見ることができない愚か者だったというだけなんじゃないかと。
私自身がよく知った例でいうなら、日本で演劇の専門家ぶった人が日本列島の演劇を見れているワケではないという。
一方で、東さんの「一般意志2.0」は専門家とそうでない人たちが入れ替え可能ということで、専門家あるいは知識人と大衆が、騙し騙される一方通行な関係ではない。
一人の人間が処理できる情報や知識というのにも限界があるのだから、適材適所というか、できる人ができることをというか、それぞれに知っていることを言い合って共有するというか、それでいいんじゃないかと思う。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
国境を越えて進行するM&A、EUのエネルギー再編、米大統領選挙、ロシア、中国、中東の台頭…。
ロスチャイルド、ロックフェラーからKKR、SWFまで。
ダイナミックに変動する世界を読み解く。
[ 目次 ]
序章 誰が本当に世界を動かしているのか?
第1章 欧州の中心部で今、起きていること
第2章 カナダの巨大金融産業を支配する“パワー・ブローカー”たち
第3章 欧州エネルギー共同体とビルダーバーグ会議
第4章 「新ロシア王朝」の樹立とそれを支える新政商たち
第5章 進化を続ける21世紀のロスチャイルド家
第6章 世界を一つにしようとしたロックフェラー家
第7章 ウォール街の支配者たちの興亡
第8章 グローバリゼーションに参入するアジア、中東の資本家たちと欧米資本
終章 スモール・ワールドの行方
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
今さら言うまでもないが、世界はお金持ちで回っている。私のようなものは相当な偶然でもない限り、その輪には入れない。ビルダーバーグがあって、三極委員会があって、ロックフェラーやロスチャイルドがいる。自分に利益があること、というのが彼らの行動の基本にある。そして潤沢な資金がある。
この本はそんな世界のガイドブックだ。そして笑ってしまうのだが、日本人というのは世界を動かしているこの基本的な要素にはほとんど含まれていない。つまり、日本は世界の道具として機能している訳だ。三極委員会にはまあその性質上参加者はいるものの、ビルダーバーグには日本人は登場しないのだ。
サブプライム問題にしてもそうだ。アメリカの大手に被害が出そうだ、というところで、日本には話しかけない。中近東や華僑へ話しかける。日本は道具だから、後からツケを回すだけでいい。あの国はアメリカの言うなりだから。
…そんなことが話し合われ、半年後、1年後、2年後に実際に起こる。そんな会議が現実に開かれているのだ。
これは事実だ。陰謀でもなんでもない。そのくらいは今の日本人は知っておくべきだと思う。