平田雅博のレビュー一覧

  • 英語の帝国 ある島国の言語の1500年史

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    本書の核となるのはウェールズ・スコットランド・アイルランドにおけるイングランド語の進出の過程である。その後,インドやアフリカ,日本などの歴史についても触れている,日本の章では森有礼の「日本語廃止論」を読み解いている。

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    2023年04月01日
  • 黒いイギリス人の歴史 忘れられた2000年

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    ネタバレ

    ブリテン島における黒人の歴史
    ・ローマ帝国時代のブリテンにおける黒人上流階級の存在、15世紀のポルトガルを経由した黒人従僕の来住を前史とし、17世紀には砂糖植民地形成による奴隷貿易が興隆。
    ・18世紀には家内奴隷や従僕として流入、男8割女2割と推計。黒人男性と白人女性との結婚も下層階級では相当数あり。
    ・18世紀末にはシエラレオネ計画。ブリテン島の黒人、ノバスコシアの黒人、ジャマイカの逃亡奴隷を送り出すが、熱病等により多くは死亡。
    ・1838年に奴隷制度廃止。黒人のシエラレオネやジャマイカ送り出しと同化により19世紀後半にはブリテン島にほとんど黒人はいなくなる。
    ・第1次世界大戦では黒人の志願

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    2025年07月23日
  • 英語の帝国 ある島国の言語の1500年史

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    英語がいかにウェールズ、スコットランド、アイルランドで広がり、アメリカやオーストラリアに広がり、その他植民地に広がり、日本や韓国といった直接的に英語を必要としない国々で親が子に教えようとやっきになっているのかという事情がわかる本。オストラーの英語に関する未来予測やカチュルによる円を使った世界諸英語のモデル化など、あまり英語の歴史に詳しくないので勉強になったし面白い。

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    2017年01月24日
  • 英語の帝国 ある島国の言語の1500年史

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    英国内の英語化と、植民地を中心にした英語化、さらに日本を含むその外部の英語化について連続的な説明を試みる。
    良くも悪くもアカデミックな書。

    英国内の英語化については興味深く読んだが、それ以降については植民地化の言語面における発展の解説という域を出ないように思える。その限りでの資料的価値はあるとは思うが。
    森有礼の英語公用語化論にも触れられていて(210頁以降)、必ずしも日本語を捨て去る趣旨とはいえないとのこと。

    要するに、英語教育は現地の言語を見下し脅かすものであり、帝国主義・植民地化の一環であるという主張だと認識した。
    これに関連して、日本における英語教育の早期化にも反対しているようだが

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    2025年01月02日
  • 英語の帝国 ある島国の言語の1500年史

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     「ブリテン近現代史」が専門の著者による、イングランドの英語がスコットランド、ウェールズ、そしてアイルランドを含めたブリテン諸島に広がっていき、そこからインドやアフリカを含むブリテン帝国へ(厳密にはp.129にあるように「ブリテン諸島とブリテン帝国の英語の普及は近現代に並行して行われた」らしいけど)、そして日本を含む世界へと広がっていく過程を観察し、英語話者と非英語話者(受容側)の態度はどうであったのかを解説する本。日本の章では、「英語公用語論」と関連して森有礼の話題と、そこに端を発して議論される昨今の英語教育についての見解も述べられている。
    英語史で勉強する外面史は、せいぜいゲルマン民族の大

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    2020年06月22日
  • 英語の帝国 ある島国の言語の1500年史

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    英語の拡散とその需要のされ方についての通史である。

    紛れもなく帝国的な広がり方と言えるし、
    もしかすると帝国主義とは言語の不均衡な浸透を言うのではないかとも思える。

    しかし、当然軍事的な侵略のみで言語の浸透は起きない。
    当該地方の積極的な受け入れもあってこその不均衡な浸透である。
    つまるところ、それが「役に立つ」から喜ばれるという側面だ。

    京都に住んでいると外国からの旅行者を多く見かける。
    ヨーロッパだけでなく、アジア圏からも多く来ている。
    中国人か韓国人か台湾人か、区別はつかないけれど
    土産物屋の店員やホテルの対応は特に困らない。
    みんな同じように英語を話すからだ。

    これが支配言語が

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    2017年06月25日