黒川信重のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2012年8月にYahooのトップニュースに、京都大学の望月教授が「abc予想を(肯定的に)解決か」という見出しが踊った。
大部分の人がabc予想については初耳であり、しかもWikipediaを呼んでもいまいちピンとこなかったのではないだろうか。
本書は、タイトルのとおりabc予想についての解説本である。
導入部分は数学の未解決を整理して、そのなかでもFermatの最終定理やRiemann予想のように数論の未解決問題が今後の重要なテーマである、ということからabc予想を紹介している。
内容は、今般の新書とは一線を画し、数式が多数出てくる本格派。
全般部分は、注意深く数式を追っていけば理解 -
Posted by ブクログ
東工大の黒川先生と、小島先生の対話。テーマは最近話題のabc予想やF1(1と0からなる代数系)の数学、リーマン予想といったところだろうか。abc予想やリーマン予想に加え、コホモロジーやスキーム理論に関するわかりやすい解説があり良かった。例えばコホモロジーでは、”コホモロジー群は「関数のつなぎ合わせができるかどうか」を測る”とのこと。そうそう、各種数学の概念に関してこういうわかりやすい、”要は..."といった説明が欲しいのです。数学の副読本としてよい本だと思います。敷居の高いスキーム理論もこうした解説があると興味をそそられます。
テーマとなる数論の最新の話題に関しては、なんだかもうつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書に書いてある事をすべて理解するにはあらかじめの予備知識が必要になりそうです。ただ、前半の未解決問題についてや予想の立て方は読んでいて面白いし、自分としては論文の大まかな流れを理解できただけで満足です。
この本はABC予想という数学の予想について取り上げられている。ABC予想とは1985年に小平邦彦の「楕円曲線論」で定式化された予想です。この予想は2012年8月30日に望月新一教授が自信のホームページに500ページを超える論文「宇宙際タイヒミュラー理論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」にて発表されたものなかにこの予想を証明しているかもしれないと話題を呼んでいる。
はじめにそもそも数学の予想とはなにかについ -
Posted by ブクログ
『容疑者Xの献身』に登場した論文の話題から入る対談本なのだが,数学の部分はやはり難しくてかなりの数学ファンでないと厳しい…。なんとなく,へえそういうものかと感心するくらいで終わってしまった。
abc予想,リーマン予想,双子素数など魅力的なテーマで食指は動くのだが,やはり基礎からやらないといけないのかも。収穫は,望月教授が証明したとされるabc予想はそこから直ちにフェルマーの最終定理が導ける(rad^2を上限とする)ものではなく,radの(1+ε)乗で押さえる(それを超えるのが高々有限個になる)やつだということと,リーマンゼータの根による因数分解とオイラー積との関係からリーマン素数公式が出てくる