井口典夫のレビュー一覧
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クリエイティビティと都市の魅力機能を分析している。都市には創造的人々をひきつける力があり、3T(技術、才能、寛容性)が重要であり、都市の存在そのものがクリエイティビティの源泉になっている。
この面いおいては、都市は繁栄し、多くの多様な人々を集めるべきなのだ。
すこし難しめの内容だけれども、なぜか飽きずに読み進められる本。
20世紀のアメリカ沿岸都市にはその3つがそろっていて世界経済けん引の先頭に立ってきた。 産業構造が変わりつつあり、9.11のテロをきっかけにアメリカはその寛容性を低下させていて、他国のクリエイティブな都市が台頭してきているのだという。
東京もこの中ではまだその優位性を -
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世界はフラット化しているのではなく、スパイキー化している。
限られた“場所”に人も、情報も、創造性も集まる。
富を生み出している地域、クリエイティブな地域は、世界の中でも限られており、グローバル化が進むにつれて、その集積はますます進んでいるという。
どこに住んでもインターネットにつながれるから情報が入手できるというのも大事だが、
それ以上に、どこに住むかによって創造性は大きな影響を受けるという視点も大事だ。
どんな人がいる場所か、どんな自然があるところか、どんなコミュニティがあるか、
どこに住むかは、考えている以上に重要なのかもしれない。
“現代のクリエイティブ経済における経済成長の真の -
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クリエイティブクラスはアメリカから軸を写してきている。アイルランド、ベルギー、オーストラリア、オランダ、では全労働者の三分の一。ニュージーランド、エストニア、イギリス、カナダ、フィンランド。アイスランドでも四分の一。
クリエイティブクラスは科学、エンジニア、建築、デザイン、芸術、音楽、エンターテインメント、法律、ビジネス、金融、ヘルスケアとその周辺領域にいる。クリエイティブ指数ではアメリカはスウェーデン、日本、フィンランドに次いで4位。k
しかしクリエイティブな人たちが選んでいるのは国ではなく、都市。ケンブリッジか、シリコンバレーか、ストックホルムかバンクーバーか、シドニーかコペンハーゲンか -
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「スマートナレッジシティ」スマートシティにナレッジが加わった考え方のブログを読み、以前読んだ「クリエイティブ都市論(2009年2月発売)」を再読してみた。まぁ、殆ど始めて読むがごとしでしたが。。。
大都市または大都市圏がひとつ以上あり、夜の地球で光が集中し、一定以上の経済規模のある地域を「メガ地域」と定義している。そして世界最大のメガ地域を「広域東京圏」とし、人口は5500万人、経済規模は2.5兆ドルだ。世界第2位米国東海岸のボストンからニューヨークを経てワシントンDCに至る「ボス=ワッシュ」で人口は5400万人、経済規模は2.2兆ドルだ。
メガ地域が成り立つ要因を次のように挙げて -
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本書では世界はフラット化していくという理論に疑問を唱えている。経済、才能、科学などは限られたメガ地域に集積しており、今後もその集積力を強めていき、世界は益々スパイキーになっていくと説かれている。また、第2部、第3部は「場所の経済学」「場所の心理学」となっており、豊富なデータを用いて考察されている。
「場所の心理学」は特に面白く、アメリカ各都市における特徴と人間の性格との相互関係について解き明かされている。人間の性格の違い(ここでは以下の5因子を用いている:経験への開放性、誠実性、外向性、協調性、情緒不安定性)によって、魅力を感じる場所のタイプが異なっていることや、集積した結果として地域がどの -
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正確には都市論ではありません。都市人生論とでも言いましょうか。
本書は、アメリカで都市経済学を研究するリチャード・フロリダが執筆したものの日本語翻訳版です。この本の主張は明快で、人生における居住地の選択という目線で、今後都市に備えるべき資質を豊富なデータを基に提示しています。
具体的には、グローバル化している世界経済の中、経済成長の大半は一部のメガ地域と呼ばれる都市圏で起こるクリエイティブなイノベーションによって行われていること挙げ、そのメカニズムの解明をひたすら行っています。
統計的データを基にしながらマクロ経済だけではなく、ミクロで生活に即した視線など幅広い視点をうまく操作しながら書か -
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当行常務が推奨していた本。
これからの社会についてマクロ的な視点を持つことを目的に読書。
内容についてざっくり書くと、
これからの世界はCreativityを持った人材を
挽きつけられるような都市づくりをすることが重要であり、
その上でキーワードになるのは、
「Talent」「Tolerance」「Technology」の三つ。
でこれらを指標に興して分析してみると、
意外や意外わが国は世界で二番目になるらしい。
「Technology」の部分ではなんとなく理解できるが、
「Tolerance」の部分では本当に意外。
個人的な推測によると、
これはひとえに日本の「無宗教」である部分が大きく -
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いま都市は全世界的な人材獲得競争に巻き込まれていて、有能な人材は、(移民やゲイなどの)マイノリティに寛容性の高い国・都市に集中するといいます。つまりクリエイティブな人間が経済発展を主導し都市が発展するという論理です。
日本国内の話では、トヨタなどのカイゼン活動をクリエイティブな活動と捉えています。これらに従事する人をクリエイティブクラスと呼ぶのであれば、技能工を含めて日本における製造業のクリエイティブクラスは非常に多いことになりそうです。
入管法で高度な能力を有した人材に在留資格を与えるというのは、寛容性という点で問題があるのかもしれません
。しかしながら、その移民増加コストも当然ながら考えら -
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