カール・フォン・クラウゼヴィッツのレビュー一覧

  • 全訳 戦争論(上)

    Posted by ブクログ

    内容は素晴らしいと思う。
    しかし、こういった原典、原典、パイオニア的な本にありがちなことだが冗長で、現代の本であれば我々の合意した言い回しで糖衣的に表現できることも、たどたどし文章で伝えようとしていて、とてもまわりくどい。また断片的な文章、小冊子の集まりのようで、繰り返しの似たような論や、一直線ではない展開がみられる。
    とはいえ、戦争の政治的な目的と手段としての戦争、と同時に、時間とともに起こる逆転や妥協的な選択といった、現代でも見られる現象の現象学的な解体が展望よく見られる点は、十分に先進的な本だといえると思う。

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    2025年07月18日
  • 縮訳版 戦争論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    強い表現もあるが、徹底した論が広げられており、非常に示唆深く考えさせられる良著。

    memo
    ・人間相互の決闘は敵対感情と敵対的意図 必ずしも感情は伴わない
     しかし、感情に端を発さなくとも結局多かれ少なかれ感情に結びついていく
    ・戦争とは相手に自らの意思を強要するための実力行使
    ・軍事行動の目標は敵の無力化。敵の武装解除、撃破
    ・敵の抵抗力は投入資源と意思力の強弱
    ・両極性の原理 敵と味方が一つの同じ対象について、相互プラスとマイナスが量的に対応し差し引きゼロとなるような状態で初めて妥当する

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    2024年03月26日
  • 縮訳版 戦争論

    購入済み

    購入して正解。

    これまで、関連書籍2種類を読みましたが、いずれも読了はしたものの、内容を理解できたとはとても思えませんでした。
    しかし、本書は、少なくとも「自分としては理解できたように感じる」ことができました。
    そうした意味で、(研究者の方は別として)一般向けの良書だと思います。
    また、長らく色褪せず各国で教科書的に読まれるという意味で、やはり名著と呼ばれるにふさわしい内容だと思います。

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    2021年01月22日
  • 縮訳版 戦争論

    Posted by ブクログ

    19世紀に刊行されて以来、不朽の名著として読み継がれてきたクラウゼヴィッツの『戦争論』。難解で知られる、この大部の著作のエッセンスを、読みやすい新訳で伝える書籍。

    戦争とは、「相手に自らの意志を強要するための、実力の行使」である。
    敵に自らの意志を強要するには、敵が軍事行動を継続できないほど、不利な状況に追い込まねばならない。

    戦争は、政治目的から始まるものであり、政治・政策が軍事行動に間断なく影響し続ける。つまり、戦争は、政治的交渉とは別の手段を用いて、政治的交渉を継続する行為といえる。

    戦争は、次の3つの面からなる。これらは戦争の本質に深く根ざしており、その重要性はその時々に変化する

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    2021年11月18日