山口由美のレビュー一覧
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日本ではなく「世界の」富裕層は?という疑問。
そこには想像を超える世界があった。特にアフリカのブッシュを切り開いた、まさに自然の中のホテル。朝夕にオープンエアの車で野生を堪能。世界の富裕層は「コンフォートゾーン(安全で快適)」の外側に踏み出している。「人生で一度の体験」「スリル」を求めて。
対して日本人の求めるラグジュアリーは温泉と豪華な食事。これも素敵ではあるが外国人にはあまり受けない。なぜならこの旅館のシステムは中長期の滞在に向かないし先の求める物には応えられない。日本人は冒険を好まないが世界の富裕層は冒険したい。
そもそも著者の経験ではラグジュアリーを開発したのはアジアにおけるアマンリゾ -
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ネタバレ帝国ホテル・ライト館は関東大震災で無傷だったという”神話”はまさしく神話で、無傷ではなかったことに驚き。
ライトは帝国ホテルの設計以前は住宅建築しか設計したことがなかったことにまた驚き(だから、盗作説もある)。
旧山邑邸(現:ヨドコウ迎賓館)は2回見学したことがあるが、エキゾチックではあるが、実際に住むには不便なところが多々ありそうな造りだっただけに、帝国ホテル・ライト館はよく雨漏りしたというのも笑える。
デザインが優先すると、スタイリッシュではあるが使い勝手が悪いというというのは古今東西の”真理”なのかも(笑)。
ということで、So Long, Frank Lloyd Wright なのであ -
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[ 内容 ]
1923年9月1日、帝国ホテル新館(フランク・ロイド・ライト設計)落成披露宴を関東大震災が襲った。
ホテルは危うく火災を免れるが、そこには、立て役者であるはずの設計者ライトと、元支配人で設計依頼主の林愛作の姿はなかった。
何故か。
天才建築家とその生涯に於いて帝国ホテルの意味とは?
ライト館に関わった日本人たちの運命は?数々の謎を追って日米を取材。
20世紀日本の代表的な建築物を交差点として交わる、数奇な天才建築家の軌跡と、日本人たちの明治、大正、昭和。
[ 目次 ]
プロローグ
第1章 タリアセン
第2章 日本への憧れ
第3章 ニューヨーク
第4章 失われた時代
第5章 耐震 -
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一人旅に出ることに二の足を踏んでいるとしたら、人生でこれほどもったいないことはない。
ひとりの気ままな旅のほうが同行者のいる旅行よりも快適だと気づいたとき、おそらく、一人旅の虜になる。
行き先と、自分の求める旅のスタイルによりますけど、確かに自分一人って本当に楽しい。著者の書いているように、友達との旅だと、おとなになればなるほど、お金の使い方も、こだわりたいものも、時間の使い方も違うし、そもそも休みが合わなくて話が流れることもある。トラブルも、友達同士の時のほうが起こりやすい。私も一人旅のほうが好きなので、激しく同意。
著者が書いていないことが1つ。それは、夕食の取り方。ホテルの朝ごはんは、 -
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社会人になって何年か経ち、友達と会う頻度も減ってきた。旅行に行きたいけど、予定が合わない。ひとり旅するかなー、でも寂しいんじゃないのかなー海外にもチャレンジしたいけど女子一人だと危ないかなーそんなことを考えている時にふと目に止まった本。パラパラとめくると海外でのエピソードも書いてあるようなので読んでみることに。
読み終わった感想としては著者のエピソードや考えや感想が多めでいわゆるエッセイ本だったかなと思う。表紙の帯の感じからして、ひとり旅デビューを後押しするような雰囲気だったので、もうちょっとひとり旅する時のコツ?だったり心構えだったり、そういう話が欲しかったなぁ、と個人的に思った。内容として -
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日本人の旅行スタイルや訪日外国人だけを見ていると分からない、世界の富裕層の旅行スタイル・ニーズが分かり面白い。例えば、
・世界の富裕層は、スリルある本物の体験、コンフォートゾーン外の体験を求めている。その証拠にアフリカのラグジュアリーホテルが世界トップになってきている
・日本らしさ=温泉+和食の美食と日本人は考えがちだが、古い。世界の富裕層は体験を求めている。その証拠に、箱根で温泉が出なかったときに多くの日本旅館は閉鎖したが、開けていた旅館では多くの外国人が来ていた
・日本でも職人を体験できるところや、不便でも長期滞在には不利にならずに自然を感じたりオーバーツーリズムと無縁であったり富裕層に好 -
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ネタバレサファリ体験ができるザンビアのエビに―ロッジや、日がな一日良い波を待つサファー御用達のネシアのニヒ・スンバ、南極大陸のホワイト・デザートなどの究極のラグジュアリー観光地の説明に、それほど紙面を割くこともなかろうに。 途中から、斜め読みだ。
著者も指摘するように、日本の富裕層が求めるのは「冒険」ではなく、「食」と「温泉」なのだから。
とはいえ、世界的な富裕層を呼び込まないと、日本の観光産業も将来立ち行かなくなるのは周知。お金をゴソっと落としてくれる仕組みがないことは以前から指摘されている。
日本の伝統工芸や文化行事の「体験」を売り込むというのは、確かにひとつの手だろう。
が、それ