三橋健のレビュー一覧
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先日鑑賞したアニメ『かぐや姫の物語』のサブタイトルに「かぐや姫の犯した罪と罰」とあったのであるが、それを語る部分が希薄だなぁという印象を受けた.
アニメの原作でもある『竹取物語』でも、かぐや姫は「月の世界で罪を犯し、それを償うため地上の世界に下された」設定になっている。本書は、神道研究家である筆者が海外の大学で教鞭を取っていた時に現地の学生から「かぐや姫の犯した罪とは何?」という質問を受けたことがきっかけで、その罪は何であるのかを専門である神道面から考察した良著。
『竹取物語』は、貴人たちの求婚譚(一種の貴種流離譚)、羽衣譚(天女は天地を行き来するために羽衣が必要。竹取物語では、ラストシー -
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神社仏閣や古代史に興味がある人向け。ガイドブックに書かれているようなものよりもかなり突っ込んだ内容になっているが、さらにその奥に何があるのか?などその背景や古代史自体を詳しく知るには物足りない。本書のアプローチが日本書紀となっているので、そこまで期待してはいけなかったのかもしれないが…
とは言うものの、古代史、日本書紀をかじったことがない人には言葉の説明が足りず、これもまた消化不良になってしまうのではないか。
なんとなく入門者には難しく、さらに知識を深めたいという人には物足りずと中途半端なのがもったいない。どちらかに寄せてほしかったかなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ神道学者の方が神道学の視点からかぐや姫の罪を解き明かそうとする本。
文庫の値段で竹取物語絵巻がカラーでついてくるので、それだけでも価値があるかもしれない。
すっきりするダイレクトな答えとか、どんでん返し的な裏話は書かれていません。
結論の要約は「おわりに」の部分で書かれているので、買うのを迷ったらまずはそのページだけ読むのがいいかもしれない。本文はその論拠をあの手この手で語っている、そんな感じ。
当たり前だけど「竹取物語」という物語自体は続編があるわけでもなくあれが全てなので、読者が「物語」の謎を解明したいという、一般的な小説を読むような姿勢であれを読むならば、それは各自で頑張って竹取物語を