鈴木邦男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
右翼だの左翼だのよくわからんなぁと思っていたのだが、
見沢知廉の映画で鈴木邦男さんが語っていた
「成田闘争は右翼のやるべき活動だった。
自分のイデオロギーと違うことをやって左翼は内部分裂し、
やらなかった右翼は国民からの信頼を失った」
を聞いて、日本の政党政治同様に右翼と左翼もねじれまくっているんだと 腑に落ちた。
本書で書かれているように「国土を守る」「日本の伝統文化を守る」のが本来の右翼思想なので、
放射能に領土を奪われるような原発に反対する事や、TPPに反対する事は右翼運動なのだ。
"右"や"愛国"を名乗っていながら、上記と違うような人々の主張は疑ってかかった方が良い。
母校に講演に行った時に昔なら革マル派からの大反対が起きていたのにと寂しく思ったという記載があるが、
今や左翼は絶滅危惧種なので、見かけても「反日」などと攻撃してはいけない。
保護してあげなくては絶滅してしまうと思う。
色々な思考実験や人物評、三島由紀夫の改憲観なんかも面白かった。 -
Posted by ブクログ
このタイトルで筆者は右ってのがまず面白い。
三島由紀夫、その他色々な人の「愛国」に関する言葉・エピソードは興味深かった。
ネットなんかやってると「左翼=売国奴」というイメージが強くなるけど、「左翼の愛国者」ってのも普通にいるんだよね。当たり前なんだけど。今じゃ右翼の代名詞ですが……
三島由紀夫の憲法草案
「日本国民は祖国防衛の権利を有する。」
国防は義務でなく権利。うむむ……。
玄洋社と頭山満の話は、夢野久作「犬神博士」でも読んでたか。
杉山茂丸の話が出てこなかったのはちょい残念。
全体通して、なかなか面白く読めた。この問題を本気で考えるには、もっと勉強しないと駄目だろうけど……
「俺の恋人、誰かと思う。神のつくりし日本国」
綺麗な言葉だなあ。 -
Posted by ブクログ
本書は、いま、日本でも中国でも熱く熱く語られる「愛国心」を論じたもの。
著者の鈴木邦男さんは、新右翼の草分け的な存在だ。
ワタシは、たしかSPA!の連載「夕刻のコペルニクス」でその名を知った。
鈴木さんの印象は、ゴリゴリの右翼ではなく、考え方は相当柔軟であり、また、自己矛盾が少なそうなところか。たとえ主義主張に対立はあっても、暴力で解決はしないだろうということが、著作からうかがえる。そんなわけで、鈴木さんの著作を、たまに読んではいる。
本書は、「君が代」「天皇」という、日本の「愛国心」にとっては欠くことのできない要素から、愛国心を考察している。そして、鈴木さんは言う。愛国心は、国家に強制されてはいけないと。また、「愛国心を教えよ!」と叫ぶ、右派論客を厳しく批判する。そして、本書の最後で、次のように言う。
◇愛国心は国民一人一人が、心の中に持っていればいい。口に出して言ったら嘘になる。また他人を批判するときの道具になるし、凶器になりやすい。だから、胸の中に秘めておくか、どうしても言う必要がある場合には、小声でそっと言ったらいい。(p.192)
鈴木さんは自己矛盾が少ない、とワタシが思う根拠は、たとえば皇位継承の考え方に見て取れると思う。鈴木さんは、女帝を論じた後で、ある天皇尊崇者の右翼を引き合いに出す。鈴木さんが、「娘を皇室にやるか?」と聞いたところ、くだんの右翼、「そんなところに娘をやれるか」。つまり、皇室はよいよいといいながらも、中は過酷な場所だとわかっているわけだ。これは、遂行的矛盾だろう。鈴木さんは、その矛盾を指摘し、つまり、自分がいやだと思うことを皇室に押し付けてはいけないということだが、女帝をも受け入れるもっと自由な皇室のあり方を主張してる。
ワタシの政治的なスタンスは鈴木さんとは異なっているが、、愛国心については、基本的には、鈴木さんの考え方に賛同だ。
しかし、本書には、つっこみどころもいろいろある。そして、これは、右翼の考え方に共通の問題だ。たとえば、天皇家が本当に2650年以上もの伝統を持っている(と本当に信じている)のか、とか、「日本的なるモノ」って、いったいいつの時代が基準なのかとか、とかとかである。
そんなことも含めて、本書には、詰めが甘いなぁ、と思える箇所も、けっこうあるのだ。それゆえ、気楽に読める一書ではある。
ほかにも、書きたいことはあるが、またいずれ。
そうそう、ワタシ、「忠君愛国」って言葉嫌いです。
聞くだけで、ぞっとします。