白石仁章のレビュー一覧

  • 杉原千畝―情報に賭けた外交官―

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    多くのユダヤ人を救った命のヴィザを発行した杉原千畝の生涯を、杉原千畝研究者が解説している。
    さすが杉原千畝研究者だけあり、随所で杉原をインテリジェンス・オフィサーと持ち上げるのは、かなりやり過ぎだと感じる。
    しかしさすが著者は外務省外交史料館に勤めるだけあり、当時の満州やバルト三国、ポーランドをめぐる各国の力関係はよく把握できた。

    本書では当然杉原千畝の巧妙な手段によるヴィザ発給にも感心したが、詳しく書かれていないものの発給条件の厳守を求めつつも杉原ヴィザを無効とせず避難民の渡航を(一時渡航にせよ)許した日本政府にも改めて感心した。

    本書と並行して「昭和天皇独白録」を読んでいるが、日本国内

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    2016年02月16日
  • 戦争と諜報外交 杉原千畝たちの時代

    Posted by ブクログ

    日本が対中戦争、そして太平洋戦争へと進んでいく中、その戦争を避けようと懸命に努力した外交官たちがいた。

    命のビザで有名な、杉原千畝はドイツのソ連侵攻の情報を命がけで入手した。
    日米衝突を避けるために、独断でラジオ放送を行った斎藤博。駐ドイツ大使として、日独伊三国同盟に反対し続けた来栖三郎。ムッソリーニと渡り合った杉村陽太郎。

    新興国日本が、列強のなかに入っていくことによって、軋轢を生じ、結果として戦争に突入していく時代、しかし、大本営の号令一下、一億総火の玉、一億総活躍になるだけではなく、外交努力を続けた外交官たちのことも記憶しておきたい。

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    2016年02月04日
  • プチャーチン

    Posted by ブクログ

    大砲をちらつかせながら裏口から土足で上がり込んで来たペリー、一方、礼儀正しく正面玄関(長崎)からきちんと挨拶をしたロシアのプチャーチン。前者の圧倒的な知名度と比較して、意外に知られていないこのロシアの外交官は極めて親日家だった。

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    2011年12月08日