【感想・ネタバレ】杉原千畝―情報に賭けた外交官―のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年12月27日

杉原千畝の情報官としての動きに着目してその足跡をたどった労作。一般に伝えられているヒューマニストというだけではなく、インテリジェントオフィサーとしてより深い思慮に基づき判断を重ね、日本の国益のために生きた彼の生き様が伝わってきます。

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Posted by ブクログ 2017年05月28日

第二次世界大戦の開戦直後軍靴の響き高まる東欧リトアニアで、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ難民の人々に自らの判断で二千百三十九枚のビザを発給し、六千人の命を救った日本人外交官・杉原千畝。

彼は卓越した語学力と独自の情報収集能力を駆使し、
世界情勢の貴重な情報を発信し続けた優れたインテリジェンス・オ...続きを読むフィサーでもあった。

政府の意に反してビザを発給した杉原千畝を、戦後、日本の外務省は無視し続けたが、世界は彼の功績を大きく賞賛した。

人間・杉原千畝を支えていたものは何だったのか、勇気ある男の感動の真実に迫る超大作映画を完全ノベライズ。

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うちは、この人を知らんかった。
ある日、ふるさと納税で岐阜県の物を購入したら、書類のやりとりの中に、杉原千畝記念館の割引券があり、それで知る事になった。

たまたま、家に本があり知る事ができた。
知ってよかった。

この話は、とても感動する。
人を救った人数が多いとかではなく、この状況の中、人を助けた事が素晴らしい。

時代背景も学べて、杉原千畝という人物も知れた。
家族や仲間に支えられての事やったと思うけど、この人の決断は、なかなかできる事ではない。

昔の外交官はすごい仕事をしてたんやなと思った。
こんな命がけの仕事、できるもんじゃない。

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Posted by ブクログ 2021年12月20日

ナチスの迫害から逃すために、独断でビザを大量に発行し、6000人ものユダヤ人系難民を救った外交官、杉原千畝。上の意見にとらわれず、自分の判断で、目の前の困っている人たちのために最大限できる事を尽くす勇敢な姿勢がかっこいい。杉原さんの業績は今もなお日本とリトアニアの架け橋となっている。本人の死後も日本...続きを読むとリトアニアの友好関係を繋いでいるという事実に外交が持つ大きな可能性を感じた。

杉原さんが行ったインテリジェンス活動は人々に平和と秩序をもたらすための活動であり、人間同士の深い信頼関係に基礎を置いていた。特に良質なインテリジェンス活動ほど、「信義」が必要である。先方との信頼関係にもとづき、情報を「ギブアンドテイク」で手に入れるのが常道であり、強引に情報を奪うようなことをすれば、結局信頼を損ない、その後の活動が困難となる。それに対し、「謀略」は信義ではなく金銭などの具体的な「見返り」によって成立する。

国同士の関係は人と人との関係で構築されていることを改めて実感した。

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Posted by ブクログ 2020年02月02日

杉原研究を長年されていらっしゃる方が書かれたものなので面白かったが、だからこそ、終わりにユダヤ人との再会などの場面もあるとよかったなぁと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年12月16日

杉原千畝が発給したビザは、必要事項ビザビで描いたもので、短期間での大量の今日は超人的な努力の成果だと思っていた。しかし、詐欺のビザの場合には、ほぼ全文、驚くべきことに杉原のサインですらスタンプ化されていたのだ インテリジェンスは、公開非公開を問わず、収集した情報から未来を切り開く英知を学ぶ世界であ...続きを読むる 機密情報に携わる者達は沈黙を守り抜き、自らを厳しく律してきた。決して情報源を明かさない。これこそが彼らの至高の掟などである。どのように情報を入手したかがあらわになれば、相手側に災厄が及んでしまう。時には人命までが失われる。それ故、情報をなりわいとするものは一切を墓場まで抱えていく。自らの功績を記録に残そうとせず、人生の軌跡すら消し去ろうとする

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Posted by ブクログ 2016年11月12日

すごいことだなあ。
白系ロシア人やユダヤ系ポーランド人などの政治的弱者を情報源として利用する代わりに、その身の安全を守り抜いた。
それも証拠を残さず。
有名なヴィザ発給に関しても、本国との連絡のタイムラグを利用して、本国に従うふりをしてぎりぎりのところまでやり続けるしたたかさとか。

ただ、この本に...続きを読む関してすごいと思うのは、そういう千畝自身のことだけではない。
ハルビンや満洲時代の、あるいは僅か二年の本省勤務の頃の足跡など、資料を猟渉して明らかにした。
千畝を多面的に評価している。
大変な手間だったと思われるのだ。

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Posted by ブクログ 2022年04月16日

#880「杉原千畝 情熱に賭けた外交官」
 インテリジェンス・オフィサーとしての杉原千畝に側面を当てたノンフィクションであります。故に彼の経歴を時系列に述べた評伝的書物とは違ひ、著者が夥しい量の資料・史料と対峙した結果の成果が如実に表れてゐる訳です。
 無論望む資料が総て探せる事はないので、どうして...続きを読むも「ここから先は自分の推測である」といふ面もあります。この人の研究はまだ道半ばなのでせうか。
 しかし、昨今のロシアによるウクライナ進攻を見るに、この国(ソ連時代含む)のやり口はまるで変つてゐないなあといふのが率直な感想であります。

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Posted by ブクログ 2020年10月03日

第二次世界大戦下、ユダヤ難民に日本のヴィザを発給し、六千人の命を救った外交官・杉原千畝。彼はなぜ、政府の命令に背いて「命のヴィザ」を出し続けることができたのか――。そこには、世界情勢を読み解き、綱渡りの駆け引きに挑む“情報のプロフェッショナル”の素顔が隠されていた。
なぜ杉原千畝に興味を持ったのか契...続きを読む機を忘れましたが、誰かがおすすめしていて買ったような。随分長いこと積んだままになっていました。命のヴィザを発行しユダヤ人を救った人物として非常に有名な杉原の伝記ですが、話はヴィザよりもソ連に対する諜報活動が主なテーマであり、いかにして彼が有益な情報を得ていたかということが解説されます。しかし第二次世界大戦前後という時代やそもそも内密な情報のやり取りになるため資料が少ないこともあり、データをつなぎ合わせて筆者が組み立てた仮説になりがちです。とはいえ、全体的に冗長なところはありますが杉原の誇りや考え方が伝わってくる良書でした。

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Posted by ブクログ 2020年08月28日

「また、桜の国で」を読んだあと
同時期の杉原千畝を知りたいな、、と思って購入。

人道家というよりは外交官・情報士官としての内容。
隙の無い仕事ぶりがわかります。
こんだけ語学を得意になりたいなあ。。。

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Posted by ブクログ 2016年09月18日

ビザをユダヤ難民のために出し続け6千人を救ったとされる杉原千畝の話。外交官の役割が理解できた。解説でもインテリジェンス・オフィサーという語がやたら出てくるのが鼻につく。2016.9.18

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Posted by ブクログ 2016年03月12日

ただ良い人というだけで、正義感が強いというだけで、人は救えない。
とても有能でクレバーでタフなハートを持っていて、そして、場に居合わせて。
いろいろな要素を探り、推察し、そしてまた、杉原という人を思う。
著者の気持ちも伝わってきた。

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Posted by ブクログ 2016年02月16日

多くのユダヤ人を救った命のヴィザを発行した杉原千畝の生涯を、杉原千畝研究者が解説している。
さすが杉原千畝研究者だけあり、随所で杉原をインテリジェンス・オフィサーと持ち上げるのは、かなりやり過ぎだと感じる。
しかしさすが著者は外務省外交史料館に勤めるだけあり、当時の満州やバルト三国、ポーランドをめぐ...続きを読むる各国の力関係はよく把握できた。

本書では当然杉原千畝の巧妙な手段によるヴィザ発給にも感心したが、詳しく書かれていないものの発給条件の厳守を求めつつも杉原ヴィザを無効とせず避難民の渡航を(一時渡航にせよ)許した日本政府にも改めて感心した。

本書と並行して「昭和天皇独白録」を読んでいるが、日本国内で軍部が力を増し、杉原のような外交官の必死の努力による情報が握りつぶされ、生かされず、最悪の戦争へ突入したことに憤りを感じる。
最近のマスコミに政治家と官僚の袂を分け政治家の強権発動を期待する風潮を感じるが、○○チルドレンといった俄政治家よりも、適切な情報を持つ官僚のほうが信用できるのではないかと思う。

また本書で注目したのは、バルト三国とポーランドをめぐるソ連とドイツの動きである。
協定を結び軍を駐留し次第に隣国を支配するというソ連の行為は、現在でもウクライナで行っている行為そのままではないか。第二次世界大戦から70年経っても全く進歩の無いソ連(ロシア)に失望を隠せない。
日本の大戦終結仲裁をソ連に託そうとした行為は、終戦を悪戯に遅らせ広島・長崎の原爆投下へとつながる愚行であった。外交官情報を信用したなら、ソ連など信用せず、結果として原爆投下も北方領土問題もない終戦もあり得たのではないかと悔やまれる。
一方でシリアからの難民を受け入れ続けるドイツは、ナチス時代に反省し、現在の杉原千畝であろうという姿勢の現れではないだろうか。

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