ベン・アーロノヴィッチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もはや加古のことだけれども『鋼の錬金術師』が大ヒットした。その理由のひとつに、おそらく、従来の魔法とか錬金術といったようなものの、はるか上をいくスケールで作り上げた魔法空間といったようなものが、読者を魅了したのだと私は思っている。
本書、『空中庭園の魔術師』もまた、かなり大がかりな空間的な魔術トラップを用い、しかもそこに不動産関連の、魔術師による大がかりな詐欺事件を重ねたという複雑な仕掛けを作っている点が非常に面白い。
ファンタジイとしても、ミステリとしても楽しめるし、中にはイギリスのニュートン式魔術に対して、ソ連の魔術兵士とのアクションが入る。これだけサービス精神豊かな作品もなかなかないと思 -
Posted by ブクログ
倫敦の地下というと、「地下鉄トム」しか思い浮かばなかった。しかも、名前として知っているだけなんだよね。
まあ、都市の地下と言った時、たしかに、パリなら下水道、倫敦なら地下鉄だとは思うんだけど、こちら東京住まいでして、地下鉄網の複雑さはたぶん、倫敦に勝っていると思うのだ!(えっへん!)
なのでどうもイメージがわかないわけですな。
ところが、歴史ある倫敦の地下鉄で殺人事件が起こる。われらがピーターはもともと建築家志望なので、煉瓦の積み方から「これ、いついつの時代に作られたとこ」とわかる。こういうマニアックな部分から、まず、惹かれる。煉瓦の積み方……! いいよねw
しかも地下鉄から話は下水道に入って -
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Posted by ブクログ
現代のロンドンの警察に魔法使いがいるという設定。
その魔法使いの弟子が主人公。
突然、魔法使いの弟子になってしまい、いきなり魔法を使うシリアル・キラーの相手をすることとなった主人公が、魔法を理詰めで、それも化学の分野にあてはめつつ考えているあたりは面白い。
でも魔法使い自身や魔法使いに関わる部隊や警察内部の軋轢や取り決めや、そういった魔法使いに関する謎を小出しにするためか主人公になかなか情報を与えないのがいらいらする。
魔法使いの修行のためにはあまり小難しいことを教えない方がいい、という徒弟制度の趣旨は理解できるけど、仕事を進めるうえでは自分だけが情報を持っていて、部下には目の前のことだけを教 -
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