あらすじ
〈ロンドン警視庁特殊犯罪課4〉 魔術に魅せられた建築家が設計したスカイガーデン・タワーに隠された、驚くべき秘密!?
きっかけはロンドン郊外で起きた交通事故だった。車内にあった謎の血痕から、やがて顔を散弾でつぶされた女性の死体が森の中で発見される。そして都市計画を担当する役人の不可解な投身自殺に、身体を内側から焼かれたプロの金庫破りの死体……すべての事件に“顔のない男”の魔手が見てとれた。事件を追ううちに、ピーターとレスリーはドイツから亡命した高名な建築家が設計した高層住宅“空中庭園(スカイガーデン)”へと行き着くが……/掲出の書影は底本のものです
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Posted by ブクログ
もはや加古のことだけれども『鋼の錬金術師』が大ヒットした。その理由のひとつに、おそらく、従来の魔法とか錬金術といったようなものの、はるか上をいくスケールで作り上げた魔法空間といったようなものが、読者を魅了したのだと私は思っている。
本書、『空中庭園の魔術師』もまた、かなり大がかりな空間的な魔術トラップを用い、しかもそこに不動産関連の、魔術師による大がかりな詐欺事件を重ねたという複雑な仕掛けを作っている点が非常に面白い。
ファンタジイとしても、ミステリとしても楽しめるし、中にはイギリスのニュートン式魔術に対して、ソ連の魔術兵士とのアクションが入る。これだけサービス精神豊かな作品もなかなかないと思う。
全力でファンタジイ/ミステリファンにお勧めする。