白戸圭一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最近読んだ本の中で一番面白かった。
最後の対談の「選択」と「集中」はアフリカへ進出のキーワードとなりうるし、自分の仕事にも生かせるキーワードであった。
・ケニアにおけるキャッシュレス決済の普及
・ケニアの携帯普及率は2017年に92%
・アビー首相
・エチオピア⇔エリトリア
・無意識のうちにアフリカを「常に援助し、啓蒙する対象」として捉えている
・コートジボワール、「イボワリテ民族主義」、愛国主義・排外主義
・集団極性化
・アフリカの国々は植民地時代に宗主国によって設定された境界線を引き継ぐ形で独立したため、国内に多数の民族が暮らしている
・そのため、「民族」を単位に凝集するケースが多い
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Posted by ブクログ
★あえて資源ではなく暴力を切り口に★サッカーW杯や資源ブームで夢のように語られるアフリカだが、統計データだけでは見えない現実が南ア駐在記者の視点から見えてくる。資源があるから逆に混乱を呼ぶコンゴやスーダン(スーダンには2000年代前半から中国石油企業が進出していたとは知らなかった)、石油を盗み犯罪を世界に輸出するナイジェリア、南アの貧富の差、そしてソマリアの無政府状態。アフリカ好きが単に持ち上げるのではなく、またインチキ投資家が成長大陸ともてはやすのでもなく、資源の裏にある現実にしっかりと足を置いている。それにしても2007年ごろの混乱の極みのソマリアの携帯電話会社で中国人技術者が働いていると
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Posted by ブクログ
p.38「一方に『奇跡』と賞賛される復興と成長。他方に、国境を越え、南ア国内で犯罪に手を染める人々。モザンビークを巡る二つの矛盾した像が、私の中で焦点を結ばない。ヨハネスブルクの真ん中で銃撃戦を展開し、一歳の赤ん坊の頭を打ち抜くような男たちは、単なる『例外的な悪人』なのだろうか。1人1人の犯罪者が背負う個人史に、何か共通する社会的背景は存在しないのだろうか」
生まれつき善でいられることが出来た人間にとって、悪と言う存在は、いやしむべき裁かれるべきものである。「悪人」とは何故できたのか?個人的な問題に帰せるものか。生まれついての悪か、我々とは何ら関係のない、全く別の存在か。
個人的背景を辿ると -
Posted by ブクログ
2014年に数百人の女子生徒を誘拐したテロ組織、ボコ・ハラム。自分もそれではじめて聞いた名称だった。
だが、それ以前にもそれ以後にも多くの残虐な活動をしている。それが先進諸国でなぜ話題にあがらないか。逆にどういう事件だとニュースになるのか、という分析が丁寧になされている。
ナイジェリアの国の成り立ち、政治の不安定性、イスラム教とキリスト教。イスラム教の中での対立。とてもわかりやすく解説されている。
また、後半のサブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南の地域)の現状と今後の展望も大変興味深かった。
人口の3分の1がサブサハラアフリカになるという人口予測には驚かされた。haあたりの生産量など、分析が細 -
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情報を正しく見極めるために読みました。
私の解釈が混ざってしまいますが、この著者の大まかな主張は、既存マスメディアにも問題はある。
しかし、SNSを通しての情報はフェイクニュースの確立がマスメディアにくれべて高いので、それのみを用いての情報収集は陰謀論に走りやすいこと。
マスメディアはあくまでも、視聴者、読者に受ける情報を発信している結果、重要だけど報道されないニュースが生じるわけであって、別に権力で操られているわけではないこと。よって、安易にマスゴミと批判することは間違っていること。という感じですね。
公正的には、リテラシーの高め方ははじめと終わりに書いて、一番濃く書かれているのは、マスメデ -
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★アフリカ好きなんだが★2100年には人口上位10か国の半数がアフリカの国(ナイジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア、エチオピア、ウガンダ)になるという予想は全く知らなかった。たかだか80年後に全く違う地勢が待っている。ただアフリカの日本にとっての重要性はなかなかぴんと来ない。経済発展はしているし、固定電話を通り越して携帯電話が一気に普及するなど新しいビジネスが生まれていることは理解できても、経済規模からしても日本からはやはり遠い。著者が力を込めれば込めるほど、「アフリカ専門だからでしょ」となってしまう。
そのあたりを結果として冷徹に示すのが、アフリカ専門ではない篠田英朗氏が著者との対談