白戸圭一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は「ルポ資源大国アフリカ」(東洋経済新報社)で、アフリカの苦悩は、根源のところは、というか始まりはやはり列強の植民地支配であり・・・・ということを暴いた。そしてこの本で明らかになるのは、ボコ・ハラムの出現までに至るまでのナイジェリアとその周辺の困難・苦悩は、やはりイギリスを始めとする列強の植民地支配から始まっているということである。
貧困や差別、格差などが社会変革の運動となっていくのは、いつもそうである。しかし、経済成長がテロの芽を積むことには決してならないことを著者は明らかにする。「テロを企てる際には、無辜の民を殺害する自らの行為を正当化する理論的・思想論的武装が重要である。その意味で、テロとは思想の産物で(中略)知的作業を行い得るテロ組織の中心人物たちが、高等教育を受けた中間層以上であるのは自然なことである。」「テロ組織の中枢が経済的貧困と無縁な人々によって占められている」「経済の急成長で人々の生活や価値観が急激な変容を迫られ、富や雇用機会の偏在が進むと、これを是正しようとする反体制的性格を帯びた運動が台頭し、その中から暴力を厭わない過激主義者が生まれるリスクを、我々は考慮しなければならないのである。」。日本を含めた世界のテロ組織はかつても今もそうなのである。 -
Posted by ブクログ
毎日新聞記者が書いた南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ、スーダン、ソマリアの犯罪組織や紛争についてのルポルタージュ。アフリカの暴力に焦点をあて、アフリカで発生している様々なテロや紛争が、地球の裏側の限られた地域だけで起こっていることではなく、先進国や近隣諸国とのグローバルな関係性の中から生まれ、影響を与えていることに気づかされる。
ただし、巻末で著者自身が指摘しているように、アフリカの多様な側面やプラスの面から目を背け、暴力的な側面にのみ焦点を当てることでステレオタイプや偏見を助長しかねないという点には、やはり留意が必要だろう。決して、ここで書かれていることだけがアフリカの真実ではないし、巨大な大陸のごく一部について語っているにすぎない。
アフリカについて知るには、こうしたルポか旅行記、さもなければ分厚い専門書になってしまうので、手軽にアフリカのことを学べるという点では便利だと思う。 -
Posted by ブクログ
著者は、白戸圭一氏である。立命館卒で、毎日新聞の記者である。
その氏が、04年から08年まで特派員としてアフリカに滞在し、取材を続けてきた
総括が本書である。
本書の目的は”アフリカが如何にひどい有様か”を伝える事であると言え、
また、先日、アフリカの経済発展の未来を良い方向で捉える一冊を読んだが、その裏で
どのような事がおこり、なぜ経済発展が可能であるのかを知るべき一冊と言えそうだ。
アフリカは、その経済発展の裏で多くの事を犠牲にしている。
その内容は、貧困・戦争・略奪・売春等々、かなり酷い状態である。
それは、統計からでは伺えない真実であり、氏の何年にも渡るレポートとう事実から、
一層重みを受ける。
このような資本主義が浸透し、見えないエリア(アフリカ)で不法を働く事が
特に難しくない時代において、正しく、アフリカはその標的とされる。
そして、知識やノウハウがない国民達はなすすべもなく、それに従うしかなくなり、
悪循環へと走っていく。
そして、これらの一因、つまり責任は少なからず日本人にもある。
それは疑いようのない事実だ。
これらを解決するには、
1.まず第一に多くの人がこの事実を知ること。
2.世界共通の問題として解決を図ること。
3.あらゆる意味で、過去からのしがらみを断絶すること。
であると言えるそうだが、やはりなかなか難しい。
それは、目の前で両親が殺された人間に、過去のしがらみを断ち切って、
新しく生きろとは、自分は言えないからだ。
アフリカの側面を知るには良い本だと思う。