あらすじ
世界中で無差別テロを繰り返すイスラーム国(IS)すら、殺戮の残忍さゆえに手を焼く武装組織、それがナイジェリア発のボコ・ハラムだ。ISを上回る犠牲者を出し、女性や子供に自爆を強いる残虐な手口から、史上最悪のテロ組織と言われる。彼らはいかに生まれ、拡大したのか。何が目的なのか。謎に覆われた実態に迫る。
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Posted by ブクログ
アフリカってどうなってるかというのは日本にいると本当に見えない。中国がアフリカで伸びているのもなんか理解できた。この人注目していこう。
Posted by ブクログ
2014年に数百人の女子生徒を誘拐したテロ組織、ボコ・ハラム。自分もそれではじめて聞いた名称だった。
だが、それ以前にもそれ以後にも多くの残虐な活動をしている。それが先進諸国でなぜ話題にあがらないか。逆にどういう事件だとニュースになるのか、という分析が丁寧になされている。
ナイジェリアの国の成り立ち、政治の不安定性、イスラム教とキリスト教。イスラム教の中での対立。とてもわかりやすく解説されている。
また、後半のサブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南の地域)の現状と今後の展望も大変興味深かった。
人口の3分の1がサブサハラアフリカになるという人口予測には驚かされた。haあたりの生産量など、分析が細かく大変勉強になった。
Posted by ブクログ
著者は「ルポ資源大国アフリカ」(東洋経済新報社)で、アフリカの苦悩は、根源のところは、というか始まりはやはり列強の植民地支配であり・・・・ということを暴いた。そしてこの本で明らかになるのは、ボコ・ハラムの出現までに至るまでのナイジェリアとその周辺の困難・苦悩は、やはりイギリスを始めとする列強の植民地支配から始まっているということである。
貧困や差別、格差などが社会変革の運動となっていくのは、いつもそうである。しかし、経済成長がテロの芽を積むことには決してならないことを著者は明らかにする。「テロを企てる際には、無辜の民を殺害する自らの行為を正当化する理論的・思想論的武装が重要である。その意味で、テロとは思想の産物で(中略)知的作業を行い得るテロ組織の中心人物たちが、高等教育を受けた中間層以上であるのは自然なことである。」「テロ組織の中枢が経済的貧困と無縁な人々によって占められている」「経済の急成長で人々の生活や価値観が急激な変容を迫られ、富や雇用機会の偏在が進むと、これを是正しようとする反体制的性格を帯びた運動が台頭し、その中から暴力を厭わない過激主義者が生まれるリスクを、我々は考慮しなければならないのである。」。日本を含めた世界のテロ組織はかつても今もそうなのである。
Posted by ブクログ
アフリカのことは筆者の言うように遠い世界の出来事であまり知らなかったが,このような過激な組織のことを成立時から書かれたものを見ると,歴史の必然とも言えるのかもしれないが,何かできたのではないかという思いにかられる.とにかく弱者を虐げる者に正しいものがあるはずもない.そして,日本が結構お金を出していることにも驚いた.このお金が武器や爆弾に変わらないことを信じたい.