小笠原敬承斎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
室町時代から脈々と受け継がれてきた小笠原の礼法。清和源氏に始まる伯爵家のしきたりである。しきたりに縛られる必要はないが、しきたりを学ぶことは、私たちの暮らしがより豊かにしてくれる。自然の恵みに感謝し、周囲の人に対する尊敬や感謝の念を忘れないことを、しきたりは教えてくれる。相手を察し自分を慎む。引く美学。ハレとヒケの意識。お箸は先3センチ。相手に合わせるのが本来のマナー。選ぶ言葉に心の豊かさが表れる。実は「ざぁます」は吉原で使われていた遊里語。決して上品な言葉遣いではない。一つの事柄に様々な言い方がある。礼法において最も肝要なのは、「相手を大切に思うこころ」。一つひとつ吟味して使っていきたい。
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Posted by ブクログ
「礼法においては、相手が誰であっても、どのような立場の人であっても、悲しいときに、嬉しいときに、ともに泣き、喜ぶ気持ちが重要だと考える。さらにその相手に対する思いは控えめでなくてはならず、ゆえに相手によっては、自分が受けている、やさしいこころ遣いからなる自然で慎み深い振る舞いに気づかない人もいるだろう。だが、それでよい。」
「だが、それでよい」…とは、なんと爽やかな心持ちだろう。
巷でよく見る冠婚葬祭集的な内容かと思ったけれど、そうではなかった。もちろん一通りの作法が書かれているが、いずれの箇所にも強調されているのは、礼儀作法とは相手に対する心遣いだということ。しかも相手を恐縮させない形でそ