あらすじ
しきたりを学び、受け継ぐことで暮らしは豊かになる。一歩ひくこと、なにもない静けさ、相手を思うこころ。伯爵家に生まれ、宗家を継いだ著者が700年続く礼法を現代に伝える一冊。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
物事を極めるのに、「こころ」から入るか、「かたち」から入るか、の議論があります。私が空手に明け暮れてた頃は、まず「かたち」から。「かたち」が自然にできるようになる頃、いつの間にか「こころ」がついてきてた気がします。小笠原敬承斎「伯爵家のしきたり」、2014.1発行。礼儀とは相手や周囲の人々に対して持つべき「こころ」そのもの。「礼儀」を相手に伝えるために必要となるものが「作法」。「作法」とは、知識、立ち振る舞い、ことば遣い、身だしなみに至るまで、あらゆる「かたち」を指す。なるほどと感じ入りました。
Posted by ブクログ
室町時代から脈々と受け継がれてきた小笠原の礼法。清和源氏に始まる伯爵家のしきたりである。しきたりに縛られる必要はないが、しきたりを学ぶことは、私たちの暮らしがより豊かにしてくれる。自然の恵みに感謝し、周囲の人に対する尊敬や感謝の念を忘れないことを、しきたりは教えてくれる。相手を察し自分を慎む。引く美学。ハレとヒケの意識。お箸は先3センチ。相手に合わせるのが本来のマナー。選ぶ言葉に心の豊かさが表れる。実は「ざぁます」は吉原で使われていた遊里語。決して上品な言葉遣いではない。一つの事柄に様々な言い方がある。礼法において最も肝要なのは、「相手を大切に思うこころ」。一つひとつ吟味して使っていきたい。