秋山駿のレビュー一覧

  • 簡単な生活者の意見

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    団地ぐらしをし、いま家を買おうか迷っている私には大変面白かった
    狭いところから寛大なものをみるとただしく認識できないように、この人は多く誤解されて生きてきたのかもしれないとおもった

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    2025年09月07日
  • 「死」を前に書く、ということ 「生」の日ばかり

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    秋山駿さんの遺作。2011〜2013年の群像での連載がまとめられている。

    最晩年のエッセイだ。

    人生で膨大な本を読んできた秋山さんの心に残った一握の思い出が語られている。

    中原中也、ポール・ヴァレリー、ドストエフスキー、風土記、英雄列伝・・・

    きっと私も死ぬ前にこんな風に生きるんだろう、といち早く体験させてもらった感じがする。

    2011年といえば東日本大震災があった年だが、崩れた本棚を見て「お前の仕事の仕方は間違っているのではないか」という天の声を聞く気がしたというのは痛々しかった。最晩年でもそんな風に思ったりするのかと。

    この本の最後には富岡幸一郎氏の解説があるが、秋山駿さんの言

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    2025年06月14日
  • 簡単な生活者の意見

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    私が読んだのは小沢書店のもので、ある編集者に向けた献呈された本で、著者のサインが入っている。

    1930年生誕、2013年没。戦中の体験によって生き方が規定されたような方で、59年からずっと団地住まいをされていたそうだ。

    私も団地出身で、20年以上住んでいたので親近感をもって読んだ。

    この本では75年から85年までの評論・エッセイが収められている。

    随分昔のように感じるかもしれないが、持ち家は持つべきかだの、週刊誌のセンセーショナルな報道がどうだなど、今と全く変わらない気持ちで読める。

    「惨めな生の意識を持つことが必要だ」という一節があるが、分断が進む今だからこそ響くものがある。

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    2025年05月25日
  • 「生」の日ばかり

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    2009年の頃のエッセイがまとめられている。秋山駿(1970-2013)氏の最晩期の作品である。

    白紙の原稿に向き合う秋山氏のいつもながらのエッセイだが、奥さんの介護が生活に入り込んでいて、「生」についての思考が多くなっている。

    古いノートと最新のノートが混ざり合うように並んでいて時系列はバラバラだが、違和感は全くない。ずっと同じ場所で、同じように格闘してきたのである。

    ヤラナケレバナラヌモノハ、ヤラナケレバナラヌ

    それをひたすらにやってきた記録の断片がこの著作である。

    自分の生き方に並んでいる人は、秋山さんみたくノートに向き合うのも良いだろう。私もそうしてる。

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    2025年06月02日