あらすじ
今日という一日が在る。それは大切なものだ。ということは、分かる。しかし、「一日」とは、果たして何であるのか、と問うと、何も分からなくなってくる。老いる、とは、子供時代の生を味わい直せ、ということだ。私の言葉は、問題を創り出すためにあるのだ。理解したり、解釈したり、要するに、現実を水で割って薄めるための言葉ではない。いい人間は、ときに、「いい気な奴」を、子供として連れて歩いている。――〈本文より〉
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Posted by ブクログ
2009年の頃のエッセイがまとめられている。秋山駿(1970-2013)氏の最晩期の作品である。
白紙の原稿に向き合う秋山氏のいつもながらのエッセイだが、奥さんの介護が生活に入り込んでいて、「生」についての思考が多くなっている。
古いノートと最新のノートが混ざり合うように並んでいて時系列はバラバラだが、違和感は全くない。ずっと同じ場所で、同じように格闘してきたのである。
ヤラナケレバナラヌモノハ、ヤラナケレバナラヌ
それをひたすらにやってきた記録の断片がこの著作である。
自分の生き方に並んでいる人は、秋山さんみたくノートに向き合うのも良いだろう。私もそうしてる。