ぽんかん(8)のレビュー一覧
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ネタバレ夏休みの話。
冒頭で街に出かける八幡。
戸塚を見かける → 部活仲間と一緒にいて話しかけられない。
材木座を見かける → そもそも話しかける気はないが、彼は彼でゲーセン仲間と楽しそうにしている。
雪乃を見かける → 目が合うもお互い見なかったふり。
こうして誰ともコミュニケーションをとることができず、八幡の孤独さがより強調されたところに、何の気負いもなく話しかけたのが、結衣。
この子はほんといい子だね・・・。
そもそも孤独であるのが普通の状態の八幡にこの結衣の行動はどう映ったのかね。
前巻のラストでようやく再スタートを切れた二人だけに、その後の会話も含めて貴重なシーンでした。
物語の中心は奉仕部及びリア充面子で行ったキャンプと、そこでの小学生へのボランティア。
単巻としては、爪弾きにされている鶴見をいかに助けるかというのが見所。
「(助けるのではなく)君が一人で助かるだけ」という某名作のセリフが思い浮かんだりもしたけれど、
自分だったらどうしたのか、なかなかに考えさせられるエピソードでした。
そしてシリーズとしては、数多くの見所がちりばめられております。
#雪乃と葉山の過去
同じ小学校であったことが判明。
しかも、どうやら雪乃は今回の鶴見同様に孤独な状態であったようだ。
中学校になれば変わる、という鶴見に対して、
「あなたの通っている小学校の生徒も、同じ中学校へ進学するのでしょう?なら、同じことが起きるだけよ。今度はその『余所から来た人』とやらも一緒になって」
これは経験談か。
そしてその救出に失敗した葉山。
「あなたでは無理よ。そうだったでしょ?」
#葉山の想い
当初から葉山は雪乃に対してどこか気にしていた様子があったけど、その理由がはっきりしました。
葉山の好きな人のイニシャルはYだという。雪乃さん。
これで結衣だったら面白いけどw
かつて、孤独であった雪乃の救出に失敗した葉山。
その葉山の目の前で、どんな手段であれどんな結末であれ鶴見のおかれた立場を変えた八幡。
「比企谷君とは仲良くできなかっただろうな」
優等生で誰に対しても人がいい葉山が見せた苦言。本音。
また、ここで「比企谷君」と本名を呼んだことには様々な意味が込められているのでしょう。
どんなに人が良くても葉山もまだ高校生。
自分の好きな女の子と仲がよさそうな相手に対して想うことは、複雑。
#八幡と結衣と、雪乃
キャンプが終わり学校に帰ってきた奉仕部。
そこに自家用ハイヤーで現れた雪乃の姉、陽乃。
八幡と結衣の繋がりのきっかけとなった自動車事故。
その自動車が、実は・・・
雪乃も交通事故に関わっていたのか。
頭のいい雪乃のこと、その際の当事者である八幡と結衣のことは覚えていたでしょう。
そんな二人が次々と奉仕部にやってきたとき…
雪乃は何を思ったんでしょうね。
そんなわけで、随所に見所たっぷりだった第4巻。
今後は葉山もメインキャラとして加わってくるのかな?
今後も楽しみ。
#おまけ
今回のイラストMVPは33Pの私服の結衣。
異論は認めない。 -
Posted by ブクログ
二巻目になり、少し読みにくいなぁと印象がでてきた。
アニマルセラピーの件は強引で根拠も弱いし、そもそも動物で和んでどうやって解決すんだとツッコミたくなるし、朝方まで営業のメイド喫茶なんてもう風俗みたいなもんだろ、これもメイドコスさせたいが為かぁ。まぁ、わかりやすくていいんだが、川崎のバイト先を見つけるのも、バイトする理由を探るのも雪ノ下は学年トップの成績なんだからもっと頭使って行動しろよ。八幡と協力したくないのはわかるが違和感があるのは否めない。
戸塚はありゃ女だよ。今後の展開は読めないけど、あれが男とかほんとやめてください。
ただ、それをひっくるめてラストの八幡の感情はこの環境ならこうなるよな、と少しリアルに感じたのだが、お前は結局ぼっちかリア充かどっちがいいんだよとイライラしてしまった。 -
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“「よかった……。ちゃんと入った。でも、やっぱりあの頃より、少し腹が……」
ぼやいたユリウスはいつも着ている黒い服とは違う服に身を包んでいた。
彼の普段の服とは対照的に、その服は染みひとつなく白い。戦闘に用いられることも想定しているのか、白く染められた皮で、とこどころを補強された服には、中央教会の意匠があしらわれていた。
両手を覆う分厚い戦闘用の手袋もまた、白色に染め上げられている。
その首には、アンナのものよりも豪華な装飾が施された獅子の聖印がかかっていた。
「ユ、ユリウスさん……。その服、いったい。なんだか……」
アンナは言葉を止めて息を呑む。
「なんだか、すごく真面目な人みたいです!背中がちょっと丸くなっているのと、いつもどおり眠そうな顔が難点ですけど、立派な聖職者みたいに見えます!ど、どうしたんですか!?いったい、どうしてしまったんですか!?働くんですか!?働く人みたいです!!」
「……アンナさん、いつも、俺のことそういうふうに見てたんですか」
ユリウスは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「ゴ、ゴメンなさい!でも、わたし、言ってると思うんです!背筋を伸ばしてとか、もっとはつらつとした表情をしないといけないって。いや、そうじゃないんです!その、服はいったい……」
「俺が《法の獅子》をやってた頃の服です。みれんなんてなかったけど、残してたんですよ」”[P.45]
バイオレンスアンナさん。
聖職者姿のユリウスさんをイラストで見たかったー。
過去は若干明かされつつも、どうして彼があっち側に着いたのか気になるな。何となく予想はつくけど、もう二転三転あっても面白い。
“「と、とにかく、詳しい話を……」
ユリウスが辛うじて口を開いた時、その言葉を遮るように、グギュルルという、どこか気の抜けた音が鳴った。
それは、明らかに腹の音だ。
ユリウスたちが目をやれば、音の主、白い髪の少女はお腹を押さえて、目を逸らす。
「あ、いや……。違うんじゃ。お昼御飯、少なかったけど、さすがに、わしもこの状況はわかっておる。つ、続けてくれ。話を続けてくれてかまわんよ」
白い少女が何か言い訳をしていたが、また彼女の腹が鳴った。
「お師様……」
赤い少女が額に手を当てて、溜息をつく。
「ま、待て!生理現象だし、これはさすがにしかたないじゃろ!二度鳴るほど、お腹がすいてたんじゃから!だって、ほら、わしも、今、色々考えていて、それで……!そう!頭を使ったから、お腹が反応してしまったんじゃ!そうじゃろう?」
「もういいから、ほんと、黙ってて。あーもう。せっかく神秘的な女の子気取ろうと思ったのに、お師様のせいで台無しだよ」
白い少女の口を塞ぎつつ、赤毛の彼女は、ユリウスに微笑む。
ユリウスもまた、自然と頬が綻ぶのを感じていた。”[P.178] -
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“「生徒会、きらいになっちゃったんですか?」
いきなり直球。僕は咳き込みそうになる。
「……い、いえ?べつにそういうわけじゃ」
「だって、ここのところちっとも顔を出してくださらないし」
「僕がいてもやることないので……」
「そんなことありませんわ。いてくださるだけで生徒会室が華やぎますもの」
ぬいぐるみでも置いとけよ。
「狐徹もあれでけっこうなさみしがりやなのです。ひかげさんが来てくださらないと」
「会長は、すぐに飽きるんじゃないですか。僕なんて」
「私は飽きたりしませんから!」
美園先輩はいきなり僕の両手を握って顔を寄せてくる。どきりとして後ずさり、トネリコの幹に後頭部をぶつけてしまう。
「ひかげさんなら一日中でも見つめていられます!」頭大丈夫か。
「あー、あのう、姉からメールがきたんです」
「ひなたさんからっ?」美園先輩の顔に朱がさす。
「それで、僕のクラス分けを先輩が仕組んだとかって……」
「きゃあああ」
美園さんはほおを赤らめて目を伏せ、僕の手を握ったまま上下左右に振り回した。
「ひなたさんっ。言っちゃうなんてひどい」
僕はあらためて啞然とする。ほんとだったのかよ。”[P.70]
登場人物のキャラは個性的で好き。
最後の盛り上がり部分が楽しかった。
“キリカはしばらく呆けていた。脱力した手からモバイルが滑り落ちそうだったので、僕は彼女の両手を自分の両手で包み込むように握って、言った。
「いつもやってるゲームだろ。簡単じゃないか」
自分の声が震えないようにと、僕も必死だった。体温が触れあった手から流れ出ていくのがはっきり感じられた。
それでもキリカは動かなかった。唇を嚙むのが彼女の精一杯だった。だから僕は、彼女の首に手を伸ばし、腕章の端に指をかける。小さな肩がびくりと反応する。
「……探偵は、こういうとき——なんの役にも立たないかもしれないけど」
僕は息をはきかけるようにして言うと、腕章のマフラーをたぐって回した。キリカが顔を上げた。もうひとつの役職が刺繍された一枚が、彼女の喉元に戻ってくる。
「キリカは、『会計』だろ?」
ぬくもりが離れる。
キリカは、小鳥の卵でも運ぶようにしてモバイルをそっと手のひらに載せ、ベッドに腰を下ろした。やがて打鍵音が始まる。モバイルの背面、ネットへのアクセスを示すLEDが激しく明滅する。キリカの瞳の表面を、無数の銘柄名と株価が流れ過ぎていく。”[P.264] -
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“シートに深くもたれかかり、手すりに手を置く。どこかの大魔王みたいな泰然自若とした堂々たる立ち振る舞いである。
と、その手すりに柔らかく、軽い感触が重なった。
「あ、ごめん……」
その謝罪で自分が何に触れたか悟った。戸塚の腕だ。天使に触れたよ!
「い、いや!俺こそ悪い!」
そう言って、二人同時にばばばっ!と手を引っ込める。
「………」
「………」
お互いに視線を逸らし、妙に気まずい沈黙が生まれた。
横目でちらっと戸塚の様子を窺うと、戸塚は肩を縮こまらせて恥ずかしそうに下を向いている。*ただし、男同士です。
冷房の効いた館内にあって、わずかに伝わってきた温もりがむずがゆい。*ただし、男同士です。”[P.76]
戸塚ちゃ……くんマジ天使。
平塚先生とフラグ立てつつ。
カーストの件が胸を抉る……。八幡くんブレないなぁ。
陽乃さん怖い。
“「ヒッキー。もし、ゆきのんが困ってたら、助けてあげてね」
「………」
そのお願いに応える言葉が見つからなかった。
数秒どころかその倍も十倍もかけてもきっと俺では由比ヶ浜と同じ答えを出すことはできないだろう。
俺に踏み込む気はないから。これまでもこれからもけして踏み込まない。
「いや、それはないんじゃねぇか」
雪ノ下が困ることも、助けを求めてくることも、そして、俺が自ら踏み込むことも。
いくつもの言葉を内包させて俺が言うと、由比ヶ浜は星空を見上げる。からと下駄が鳴って足もとの小石を蹴っ飛ばした。
「それでもヒッキーは助けるよ」
「そんなのわからんだろ」
なんの根拠があってそんなことを、と問うより前に、由比ヶ浜は俺を振り返る。
「だってあたしのことも助けてくれたじゃん」
「言っただろ。あれはただの偶然だ。お前だって知ってて助けたわけじゃない。だから別にお前を助けてない」
だから、その感謝も、信頼も、あるいはそれ以上の何かがあったとしても。
それらはすべて幻想で勘違いだ。
俺でなくても、他の誰かでも成し得たことに対する評価は俺自身を肯定するものではない。行動が評価されることと人格が評価されることはまったくもって別のものだ。ただ一度の善行をもってその人間を善人と断ずることはできないように、俺の人格をその行動一つで決めつけられても困る。故に由比ヶ浜のその感傷じみた確信は間違っている。
「俺にそういうの期待すんな」
きっと失望させてしまうから。だから、最初から俺に期待などしないでほしい。”[P.207] -
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“「何してんのお前ら、っつーかなんで水着なの」
息切れしない程度に駆け寄った俺が質問すると、
「わっせろーい!!」
小町にばっしゃーと水をかけられた。頭から水をかぶり、髪を伝ってぽたぽたと滴が落ちる。……冷てぇ。
上がりかけたテンションが急激に下がってきた。おいおい、こんなのトイレの個室にこもったときだってやられたことねぇぞ……。
一瞬にしてどんよりとした瞳で小町を睨めつけたが、小町に反省の色はなく、けろっとした様子でさっきの質問に答える。
「準備で暑くなったから水浴びだよ」
「水着は平塚先生が川で遊べるって言ったから……てか、ヒッキーこそなんでここいんの?」
由比ヶ浜は水着なのが恥ずかしいのか小町を盾にしながら質問を返してきた。
「いや、俺は顔洗いにきたんだけど……」
「そんなことより!」
話の途中で小町がカットインしてきた。
「ほらほら、お兄ちゃん新しい水着だよ!」
小町はぐいっと見せつけるようになんだかよくわからんポーズをとった。
薄いイエローのビキニはふちがフリルで彩られ、南国トロピカルな雰囲気を醸し出している。小町が元気よく水しぶきを上げるときらきらと輝いて見える。なんだよ、これスプラッシュスターかよ。ひとしきりいろいろなポーズをとったあと、小町がじっと俺の目を見る。
「はい、感想は?」
「ん、ああ。そうだな、世界一可愛いよ」
「わぁー、適当だなー」
小町があからさまにがっかりした。いや、っつーか、お前家でもそういう格好だしな……。”[P.197]
気づけば夏らしいことをしてましたっていう。
留美ちゃんの件は……一番何とかしてやろうっていう解決策だろうけどそれを実行しちゃいますかーおわー。
リア充チームとのやり取りも意外とスムーズで。ぼっちが分からない葉山くんは、でもそれでも良い人だよなぁこれ。
Yで気づいたけど二人とも名字も名前もY始まりじゃないですか……。
雪ノ下さんと葉山くん辺りの過去が予想はつくけど気になる。
あと轢いた車の件も比企谷くん気づいちゃったね気になる。
渡さんは自身の名前あたりからも名前に同じ音をくり返していれるのが好きなのかな。
“「……なぁ、もし、ヒキタニくんが俺と同じ小学校だったらどうなってたかな」
その問いに俺は即答する。
「決まってんだろ。お前の学校にぼっちが一人増えるだけだよ」
「そうかな」
「そうだろ」
やけに自信のこもった声になってしまった。暗闇の中で、葉山が漏らす忍び笑いが微かに聞こえる。その笑いを誤魔化すように葉山が小さく咳払いをした。
「俺はいろんなことが違う結末になったと思うよ。ただ、それでも……」
まるで言葉を選ぶような間だった。
「比企谷君とは仲よくできなかったろうな」
…………。予想していなかった言葉に一瞬、意識が空白になる。誰とでもうまくやることができる葉山が、こんなことを言うなんてな。俺は一呼吸おいてから、ちょっと恨みがましい声を作る。
「……ひどいな、お前。今ちょっとショック受けたぞ」
「冗談だよ。おやすみ」
「おう、おやすみ」
俺はこのとき初めて葉山隼人という存在を正しく認識したのかもしれない。葉山が比企谷八幡という存在を正しく認識したのと同様に。
優しいだけではなく、どこか苛烈さを秘めた声音。
あの言葉に嘘など何一つないのだと、俺は直感していた。”[P.276] -
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“「三つ巴のバトルロワイアルだから、もちろん共闘もありだ。君たちは対立するだけでなく、協力することも学んだほうがいい」
なるほど、確かに最初に邪魔な奴を結託して潰すのはバトルロワイアルの定石だ。
「ということは、常に比企谷くんは不利な状況で争うことになりますけど……」
「だよな」
もう反論とか抗議とかする以前にすんなり受け入れてしまった。どう考えても俺VS.あと二人という構図になってしまう。
だが、悟りの境地に達している俺と対照的に、平塚先生は不敵な笑みを漏らした。
「安心したまえ。今後は新入部員の勧誘も積極的に行っていく。ああ、もちろん勧誘するのは君たちだが。つまり、自分の手で仲間を増やすことができるのだよ。目指せ、一五一匹!」
平塚先生は自信満々に言うが、仲間の数に、如実に年齢が現われていた。最近は五〇〇近くいるだろ、あれ。
しかし、仲間を増やせだなんて簡単に言ってくれるなこの人。
「どちらにしろ比企谷くんには不利なルールね。勧誘に不向きだし」
「お前に言われたくねぇぞ……」
「なに、君たちは現に一人入部させている。難しく考える必要はない」
まぁ、言われてみりゃ確かにそうだ。ただ、いつもいつでもうまくいくなんて保証はどこにもないけど(そりゃそうじゃ!)。”[P.35]
由比ケ浜とのすれ違いをリセット。
兄妹で手を繋いで歩くとか可愛すぎる……。
エプロンの件可愛い。
比企谷のボッチまっしぐら思考が辛いよ。
特装版買えば良かった(でも金なかった)。
“「つまり、今日一日に限り、恋人のように振る舞うことを許可する、ということよ」
「すげぇ上から目線だな」
わー、うぜぇ。
俺がイラッとしたことは雪ノ下に伝わったのか、雪ノ下はぎろっと俺を睨んできた。
「何か不満でも?」
「別に不満はねぇよ」
「そ、そう……」
雪ノ下が拍子抜けしたように素で驚いた顔を見せる。
しかし、驚かれるようなことじゃない。こいつと恋人などまっぴらごめんだが、恋人のふりをするぶんには別に構わない。
雪ノ下は嘘を吐かない。だから、こいつが今日一日と言えば寸分たがわず今日一日であり、恋人のように、と言うのであればそれは間違いなく恋人そのものではない。
だから俺は安心してこの提案に乗ることができる。
雪ノ下が俺のクズさに全幅の信頼を寄せるように、俺もまたこいつとどうこうならないことに関してだけは絶対の自信を持っている。これはこれで信頼と呼べるのかもしれない。なにこれ、全然平和的じゃないんだけど。
雪ノ下は呆けた表情をしていたことに気づいたのか、隠すようにくるりと背を向け、あさっての方向に話しかけた。
「……あなたはてっきり嫌がると思ったけれど」
「いや、特に断る理由もないしな。っつーか。お前は嫌じゃないのかよ」
俺が逆に問い返すと、雪ノ下は取り澄ました表情で振り返る。
「別に構わないわよ。知り合いに見られているわけでもないし、周囲に他人しかいない状況なら勘違いされて風評被害に遭う心配もないもの」
さっくり俺まで他人扱いされていた。まぁいいんですけども。”[P.119]