池田潔のレビュー一覧
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イギリスのパブリックスクールについての考察。ただ著者自身が通っていたのは戦前であるため、現在は色々と変化しているものと思う。
ただの教育論というだけではなく、イギリス人についての深い見識があり、非常に興味深い。私自身も高校で寮生活をしていたこともあり、大変懐かしく感じた。
「自由」の前提として「...続きを読むPosted by ブクログ -
パブリックスクールでは、夜食が出ず、耐乏生活を過ごす。
しかし、この経験を積んだ父兄の多くが、身に沁みてその苦痛を知る反面、かつ多大な効果を信じるがゆえに敢えて再びその子弟にこの道を踏ましうるであろう。
長い将来についての利害をおもんばかって、一時の憐憫を捨てる、強く逞しい愛情をいうのである。
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書かれたのは戦前。印象に残っている箇所3つ。?ロンドンの街頭には子供がおらず、その理由は、多くの子供は田舎の学校で寄宿生活を送っているからだという。そうえいば、オックスフォードもケンブリッジも郊外に位置しているというのは聞いたことがある。理由は多々あるが。それも含めて学校は基本的に郊外に位置している...続きを読むPosted by ブクログ
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昭和24年に書かれた本なのに、現在と本質的な問題が変わっていないことに驚き。
論理的な議論よりも面子とかの方が勝ってしまうのは、日本人の変わらない特性なのか?
自由の前提には規律があるという考え方は、うちの社員にも理解させたい。Posted by ブクログ -
"自由"とはなんだろう?
人間が自由を見つけて幾年も経ち、その自由の本質が大きく変化してきた。この本は、自由の定義を教えてくれるはず。
自由とありますが、教育関連の本です。1963年の出版ですが、なにも古いことはありません。まさに教育が揺れている今、再生会議と呼ばれる機構に集められている何も知らない...続きを読むPosted by ブクログ -
私情を捨てて正しい判断を下すには勇気が必要。自分に不利な判断を下されても、面子にこだわることなく判断に服すことは勇気を必要とする。自由は規律を伴い、自由を保障するものが勇気である。Posted by ブクログ
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良い本。
昔のイギリスのオックスフォードやケンブリッジといったパブリックスクールでどのような教育が行われているか。
自身の大学での体験も交えて描かれている。
所々、日本の教育との違いに驚きや発見があり、自由や規律について考えさせられるフレーズがある。
今読んでも目から鱗で発見があるということは...続きを読むPosted by ブクログ -
「彼等は、自由は規律をともない、そして自由を保障するものが勇気であることを知るのである。」
上流階級のイギリス人の気風と彼等の精神の土壌であるパブリックスクールについて知れる本。手放しで賞賛することはせず、でも親しみと敬意の筆致で書いていて100年くらい前の本だけど良かった。(イギリスのことだから...続きを読むPosted by ブクログ -
ちょっと難しい。
イギリスの教育的文化を垣間見れて面白い。
だけど、一文一文が長くて読み取るのに苦労する。
全体的に理解するのが難しいが、勉強になる。
特に最後の運動競技、スポーツマンシップの項は、イメージがし易くて為になった。
良きタイミングで見直したい。
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彼等(学校教師)は、文字通り少年達と起居を共にし、その訓育を一生の天職と心得てこれに安んじた生活を送っている。…もとより物質的に報いられるところは薄い。しかし彼等には他に待つものがあると。幼い魂に生命を吹き込み、そこに眠る善なるものを目覚めさせる歓びである。Posted by ブクログ
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著者の池田潔は、三井財閥の最高指導者で日銀総裁を務めた池田成彬の二男で、第1次世界大戦直後から満州事変直前の時期に、17歳で渡欧し、英国のパブリック・スクールのリース校、ケンブリッジ大学、独ハイデルベルク大学に、通算11年間学んだ。
本書は、英国の伝統的精神がいかにして育まれるのかを、著者のパブリッ...続きを読むPosted by ブクログ -
権利を主張する前に義務を果たせ,なんて言葉を聞いたことがある.
それと似たような言い方をすると,自由であるためには規律が守られなければならない.言論の自由だとか表現の自由だなんてことが言えるのは,それを規定する決まりがあって皆がそれを守るからである.
自分で考えてみて思ったが,規律によって自由...続きを読むPosted by ブクログ -
イギリスのパブリックスクールでの経験をもとに、イギリス流の民主主義の精神が説かれている。第三者目線での記述でなく、自分で体験したエピソードをもとに綴られているため、説得力がある。
規律があるからこそ自由を得られる。厳しい環境だからこそ高貴な精神が養われる。教育の重要性について考えさせられる作品。
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教育とはどうあるべきか。
この本は1949年に出版された。
当時の日本は終戦後の主権が剥奪さていた時期だったと思います。
それを考慮した内容だとしても英国の教育は手本の一つとして考慮されるべき事項が多いと思われる。
教育というものが国民性を形成する重要なメソッドだということがはっきり理解できる。
も...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
ケンブリッジ、オックスフォードの両大学は、英国型紳士修業と結びついて世界的に有名だが、あまり知られていないその前過程のパブリック・スクールこそ、イギリス人の性格形成に基本的な重要性をもっている。
若き日をそこに学んだ著者は、自由の精神が厳格な規律の中で見事に育くまれてゆく教育システムを...続きを読むPosted by ブクログ -
ハリー・ポッターやらサークル・オブ・マジックやらコダマの谷やら、とにかく今まで読んだあらゆる西洋ファンタジー学校ものを思い出しつつ読んだ。教育制度や雰囲気など、今まであまりよく理解していなかった部分がこの本を読んでちょっとすっきり。
戦前のイギリスにおいてのエリート教育、ひいては当時のイギリスの教...続きを読むPosted by ブクログ -
戦前のパブリックスクールに関する本を、翻訳でない自然な日本語で読めることが何より嬉しいなぁ。古い本なので文体がとっつきづらかったり所々漢字が読めなかったりするんだけど、パブリックスクールの硬派な教育と相俟って、それがかえっていい味出してます。古きよき教養主義の香りに憧れる。Posted by ブクログ
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イギリスの私立学校(パブリックスクール)における「自由の精神が厳格な規律の中で見事に育まれていく教育システム」(紹介文より)について、著者の過ごしたリース・スクールの体験談を交えながら紹介するとても面白い本。イギリス紳士がいかにして育てられるか、そしてその紳士としての振る舞い、精神とはどのようなもの...続きを読むPosted by ブクログ