池田潔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イギリスのパブリックスクールの生活を描写。
イギリスの国民性、紳士、スポーツマンシップをよく理解できます。限りなく★4つに近い★3つです。
1.この本をひと言でまとめると
紳士の育て方
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・ある特定の条件にある特定の人間が、ある行為をして善いか悪いかはすでに決まっていて、好む好まないを問わずその人間をしてこの決定に服せめる力が規律である。そしてすべての規律には、これを作る人間と守る人間があり、規律を守るべき人間がその是非を論ずることは許されないのである。(p61)
⇒服従の精神を知った。是非を論ずることが許されないことに権威・伝統のようなものを感じる。
・かく厳格なる教育が、それによって期するところは何であるか。それは正邪の観念を明にし、正を正とし邪を邪としてはばからぬ道徳的勇気を養ひ、各人がかかる勇気を持つところにそこに始めて真の自由の保障がある所以を教えることに在ると思ふ(p89)
⇒子供の教育に必要な考え。自分の子に教えていきたい。
・勉強時に怠けるのが悪いのと同じく、他人の寛ぐときに一人勉強することは悪い(p95)
⇒メリハリが大事。決められた時間内でやるべきことはやりきる規律が必要ということ。
・本当に語学を身に着けるんだったら地獄の火を通して叩かなければ駄目(p125)
⇒語学は本気にならないと身につかないと思い知らされた。著者はいい先生に巡り会ってる。
・自由は規律をともない、そして自由を保障するものが勇気である(p157)
⇒自由は自発的でなければ得られない。
3.突っ込みどころ
・今でもイギリスでは「自由と規律」の精神は残っているのだろうか?
・規律自体を「なぜ?」を思うことも重要では?思わなければ作る側の人にもなれないのでは?
・現代では通用しない考え方もあるのでは?
4.自分語り
・自由と規律の考え方は著者の言うとおりで、子にも教えたい。
・教育には勉強だけでなく運動を教えることも重要。子供の教育を考えるのに有用な本と感じた。 -
Posted by ブクログ
この本を読むに至った背景としては、宇沢弘文の「社会的共通資本」における教育の章で、イギリスの教育制度について、述懐しており、興味を持ったからである。
この本では主に、イギリスのパブリックスクールにおける教育が書かれている。イギリス人の国民性に始まり、それが如何に形成されるかというところだ。
イギリス人といえば、伝統重視の傾向が色濃いが、同時に、伝統の維持が弊害を伴うことを認知した際には、決然と伝統を捨て去る潔さ、勇気、そして良識を持ち合わせているという点も忘れてはならない。イギリスのパブリックスクールにおいて、生徒は徹底して規律を教えられる。厳密には規律を教えられるというより「規律を守る」ことの重要性、いや、絶対性を説かれるわけである。そこに規律があれば、その内実に関わらず従わねばならない人は従わねばならないのである。いまでは封建的として忌避されるほど厳しいものである。しかし、規律を学ぶことが同時に自由を与える。自由と放縦を分かつものは規律であり、パブリックスクールの教育とはこの規律を徹底することで、翻ってイギリス人に自由を教えることに他ならない。この自由こそまさに、イギリス人をして伝統を捨て去らしめる良識であると理解できる。
そして、このイギリスのパブリックスクールでは、如何なることをしたかより如何にものごとをしたかが重視される。スポーツマンシップ然り、学業然り、徹底して紳士を生み出すことに重点が置かれる。紳士を、弱者への慈しみとも考えれば、紳士のいる社会に、民主主義がうまく機能すると考えられる。
このような、規律教育と紳士教育にイギリス人をイギリス人たらしめる所以があるということが、この本を読むことで得た知見であった。