佐藤多佳子のレビュー一覧

  • しゃべれども しゃべれども

    なんか映画化されてたな~とか思いながら読みました。

    失恋から人間不信になった女。人前では持ち前の毒舌持論を展開できない元プロ野球選手現解説者。極度のあがり症の男。関西弁を理由に関東でいじめられている子供。

    それぞれが抱える悩み解消するためにひょんなことから落語家の主人公のもとで、落語を習うこと...続きを読む
  • 一瞬の風になれ 第二部 ヨウイ
    3部作の2作目、あっさり読めるのは変わらないが、情景が浮かびやすい描写で、楽しい時は思わず笑い声が出てしまい、悲しい時は涙が出てウルウルしてしまう。
    いつの間にか陸上がなくてはならなくなった新二と輝かしい未来が一瞬で消えた健一とのやり取りは、どちらの気持ちも分かるがゆえに苦しい。
    さて、3部目でどん...続きを読む
  • 黄色い目の魚
    木島君は、真面目に高校生活を送って、キーパーと誰も経験できないポジションを逃げずにやってる。絵も描ける、村田さんという彼女もいる。 読み終わって木島うらやましーと思いました。 私は、テッセイに似た父さんです。
  • 黄色い目の魚
    感情の迸り、絵を通しての個性、自分自身もここまでじゃないけれど通じるところがある。大人になるって切ない。

    喧嘩をしないでいるためには嘘つきにならないといけないのかな。ホントの気持ちも隠して少しお芝居をして。いろんなこと考えて失敗しないように地雷を踏まないように。いっぱい気をつかって生きているのかも...続きを読む
  • しゃべれども しゃべれども
    すらすら読めた本でした。
    落語家の話で、ケンカっ早い性格なところが共感しそうな所でした。
    落語を聞いてみようって思わせる物語でした。
  • 聖夜
    パイプオルガンの音が響いてくる。
    難曲に挑む主人公がオルガンと対話し、母のこと、父のこと、宗教のこと、自分のこと…様々なものに向き合っていく。
    クリスマス・コンサートまで書かれていなかったけど、自分なりに想像できるからこれはこれでいいな。
  • 黄色い目の魚
    この読後感の良さは久しぶり。青春っぽい、恋愛小説っぽいこってり甘ったるさがなく、心にすこーし染み入るのが良かったです。
    設定としては少女漫画にもできそうだけど、この雰囲気は小説ならではだと思います。
  • 聖夜
    主人公は、真面目な牧師の父、鍵盤楽器奏者の母の間に生まれた鳴海一哉という。
    オルガンやピアノについては、高い技術を持った少年。
    母はだいぶ前に家を去り、母のこと、母が好んで弾いたメシアンのオルガン曲のことがずっと心にわだかまって、どこか斜に構えた風になっている。
    学校のオルガン部の部員やコーチとの関...続きを読む
  • 聖夜
    きれいなお話だった。
    要約するなら「辛い過去を抱えた多感な17歳の少年(一哉)の夏休みから聖夜にかけての成長物語」だけど、その過程の彼の心の動きを丁寧に描いている。
    母を求めて求めてもがいている彼の辛さがたまらなくて、ぎゅっと抱きしめてあげたくなる。
    天野さんの音楽に対するまっすぐな気持ち、祈りのよ...続きを読む
  • 黄色い目の魚
    実は作者の作品は二作目です。
    最初に読んだ『一瞬の風になれ』が強烈で、
    スポーツ小説の先駆者とばかり思っていました。

    奇妙なタイトルにひかれて読んだのですが、
    これはスポーツの青春ものではなく、
    絵を通してふれあう男女の高校生の物語で
    ちょっと意外でした。

    10歳の少年木島悟が
    離婚して10年近...続きを読む
  • 黄色い目の魚
    前半は★5のすばらしさで、すごいって思ったんだけど・・・後半、設定が高校生なのにお酒を飲む話や木島があまりに素敵すぎるっていうか、あまりにきれいにすぎるんだよね。とても残念。
  • しゃべれども しゃべれども
    真打ち前の落語家とそこに縁あって集う、悩み多き大人と子供の落語教室の話。

    それぞれの人生が、落語での話ぶりに表現される。

    プロ野球選手、イジメられっ子、吃音に悩むテニスコーチ、演劇出身で自分に自信の持てないOL。

    その生徒たちを破天荒ながら、人間らしい指導をする落語家が面白い。

    ここまで現実...続きを読む
  • 第二音楽室
    佐藤多佳子作品の青春感とノスタルジーは何なんだろう。

    「デュエット」は高校の音楽の授業を思い出しました。

    *第二音楽室
    *デュエット
    *FOUR
    *裸樹
  • 聖夜
    佐藤多佳子の聖夜を読みました。
    School and Musicというシリーズで書かれた小説とのこと。

    主人公の鳴海は小さい頃からオルガンを弾いていたので、ミッションスクールの高等部でオルガン部に入っています。
    鳴海の母は牧師の父を裏切って駆け落ちしてしまったため、彼はトラウマを抱えて高校生活をお...続きを読む
  • 第二音楽室
    鼓笛隊のようなグループにおいてクラスメイトのほとんどが前年とは違う個性的な楽器を手にする中、前年と同様リコーダーを手にすることとなった6人組が、学校果ての地・第二音楽室で秘密の時を共有する話。
  • 第二音楽室
    鼓笛隊のあぶれ者。
    私もそうだったからすごく共感できた。
    でもこの子たちみたいにはいかなかったなあ。
    こんなに心を動かされたり人と心を分かち合えるなんて。
    羨ましくてしかたない。
  • 黄色い目の魚
    お勧めいただいた本。
    同作者の「一瞬の〜」では気にならなかった口語体?が今回非常に読み辛かった。

    序盤はなかなか読み進めるのに時間がかかりましたが、読後は爽やかな作品でした。
    綺麗事ばかりではない、思春期の葛藤。
    思っていた内容とは少し違ったけど、孤独な少年少女の心の拠り所を描くのが上手いですね。
  • 聖夜
    メシアン「神はわれらのうちに」をyoutubeで探して聞いてみた。これを選んで弾く高校生?たしかに、よほど屈折した人格だ。それをしつこく書いていて、今作はあまり楽しめなかった。対になる作品があったとは知らなかった。早く読んでみたい。20131221

    登録しようとして、過去の投稿が出てきて驚いた。過...続きを読む
  • 聖夜
    学校と音楽をモチーフに少年少女の揺れ動く心を瑞々しく描いたSchool and Musicシリーズ第二弾.今作は18歳高校生の一哉が難解なメシアンの楽曲と格闘しながら苦い心の傷を克服していく青春物語.読みやすさもあるが,何より文章がとてもキレイ.情景が自然と頭に浮かぶ.守り人シリーズの上橋菜穂子さん...続きを読む
  • 聖夜
    半年前に読んだ「第二音楽室」の姉妹編。作者のあとがきによれば、2冊合わせてひとかたまりみたいだけど、尺の関係で2冊になったみたい。
    前の本は、音楽をモチーフにしながら、小学生から高校生の女子の心情が描かれていたけど、この本の主人公は高校男子の一哉。
    これが敬虔な牧師の父を持ち、しかし母は二人を置いて...続きを読む