喜多嶋隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
CFギャングシリーズの最新作
喜多嶋隆作品にハズレはないのだけれど、このCFディレクター流葉爽太郎を主人公としたCFギャングシリーズは、とくにオススメできます。
基本的には毎回アクションとロマンスがカクテルされたシリーズなのですが、CFのプレゼン場面なども、こういうCMの商品だったら欲しくなる、そんな気になります。
CFギャングシリーズは明るいシリーズですが、ハードボイルドの王道を行くシリーズだと思います。
オススメ度 ☆☆☆☆☆ 5つです。
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喜多嶋 隆『君の夢を見るかもしれない 』(光文社文庫)
[内容](「BOOK」データベースより)
CFディレクター -
Posted by ブクログ
気が遠くなるほど蒸し暑いこの時期に、清涼感を求めて選んだ一冊。
本作品は、葉山の一色海岸近くにひっそりとたたずむホテルを舞台に、若き女性オーナー・美咲と使用人・マイが、ホテルを訪れる3組の“ワケあり”な宿泊客たちの秘密や傷を、やさしく紐解いていく連続短編小説である。物語に共通しているのは、いずれの登場人物も「一度立ち止まる」ことの大切さに気づいていくということだ。都会の喧騒やプレッシャーの中では見失ってしまう自分自身の声が、このホテルの中でだけは聞こえてくる。作者の筆致は繊細で、感情を過剰に煽ることはない。それゆえに、登場人物たちの小さな変化や気づきが、読者の心に静かに響く。海辺のホテルで