辻野晃一郎のレビュー一覧
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創業当時の理念に沿って、新しい事業をを展開してきた時の
「苦労」と、社内抗争に辟易し、ソニーを離れて、ハローワーク経由で、グーグルに入社した中で、思ったことを平易な文章で、だけども、どこか重い文章で書かれた一冊。
ソニー時代の思い通りにいかないから、夜中に怒りにかまけてながーいメールとか、外に向かわず、「内向きの調整思考」(N先生)に屈した苦労が述べられていた。
あー、どこにでもあるんだなと申し訳ないが滑稽に思った。
グーグル時代の、皮肉にも創業時のソニーのようなスピード感あふれる業務の中で、不完全ながらもプラットフォームをつくって、時代の先端を走っているときの興奮や、でも、根っからの -
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本書はソニーとグーグルという日米を代表する企業に勤めた辻野氏が、両社の類似点や自身の経験をわかりやすく記述している本です。本書を読むとソニーの衰退がどのように進んでいたか、またソニーの創業精神に近いものを持ち合わせるグーグルをオーバーラップさせることで、ソニーが失っていったものが一層明らかになっています。
そのため、他の方も指摘しているように、題名の「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」から連想する中身と、私が受けた印象はだいぶ違っていました。むしろソニーが創業者精神を失っていく様相がリアルに記述されていて、私がこの本から得た最も強い印象は、平家物語の冒頭にもある「盛者必衰 -
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グーグルで必要なことはみんなソニーが教えてくれた
仕事で著者の講演を聴く予定があり、予備知識として一番有名な本書を読んでみました。
一番有名とはいえ、2010年の古い本なので・・・と少し躊躇しながら読みましたが、その心配は杞憂でした。
これからはクラウドの時代、などと書かれてましたが、今だから理解出来る技術も2010年に私が読んだらちんぷんかんぷんだったと思います。
(正直に言うと、6年経った今読んでもそんなに古いことを読んでる感じがあまりしなかった(汗))
最先端の技術が末端の私にまで身近に感じるまでの時間を考えると、今のグーグルやアップルは何を考えているんだろう、と、未来を想像して -
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ソニーでの大活躍からグーグルへ転進、さらに独自企業立ち上げと、王道?を進む著者の体験的企業論と見た。その体験が凄い。淡々としているがバイタリティあふれる動きに驚く。ハードウェアからソフトウェアに転換していく過程が非常に面白かった。ハード一辺倒で今までやってきた身として、勉強にになる。将来本当にソフト思考になっていくのか、若干の疑問はあるものの、グーグル的ワークスタイルに転換するハード企業というのも現れるのかもしれない。日本の今後の企業スタイルを考える上でも参考になるのではと、いや、参考にしたいと思える本(正直、自分の所属会社ではこのスタイルはありえないのかもしれんが・・・・)。
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ネタバレ・ネットワークで音楽を配信するサービスはソニーが最初に始めた。
・グーグルの採用基準。①地頭の良さ②これまでの職務実績や社会貢献の具体的な内容③リーダーシップ④グーグリネス
・銀座からハイセンスなブランディングメッセージを配信する、という盛田さんが実行したマーケティングによってソニービルが生まれた。
・盛田さんは卓越した国際性と、海外からの不当な圧力や理不尽なルールに対して、一歩も譲らなかった基本姿勢がすごい。海外拠点進出を加速させたユニタリータックスの廃止。ベータマックスによるホームビデオを開発した時、著作権侵害容疑でハリウッドから訴えられた。
・アメリカでは沈黙は金でも美徳でもなん -
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ネタバレ著者は、ソニーに入社して22年間、VAIOやコクーンの開発・販売に携わり、ソニー退職後はグーグル日本法人に3年間在籍し、最終的には社長職を勤め上げた。本書は、アメリカ留学時代も含め、著者の半生とも言うべき両社で体験した様々な成功・失敗事例を語っている。
当時の内部状況を振り返り、なぜソニーが凋落していったかに触れられている。ガバナンスの混乱、過去の成功事例に固執し時代の変化を読めない態勢、などがあるだろう。一方、歴史あるソニーと新興著しいグーグルとの比較も興味深い。両社の特徴を知るだけに、今後日本のメーカーや技術者がどうあるべきかについても示してくれる。 -
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グーグル日本法人の社長といえば「村上憲郎」のイメージだが、村上さんの後を引き継いだのが本書の著者である辻野晃一郎氏だった。
タイトルからすれば、ソニーの素晴らしいカルチャーはグーグルでもそのまま生きた、かのように思えるが、実際はソニー時代の旧態依然としたカルチャーを自分がどのように打破して、そして最終的には見切りをつけてグーグルに入ったら、そこはソニー時代に考えていたことをみんなが考えている理想郷だった、というような形である。正しくタイトルをつけるなら「ソニー時代に苦労した思想は、グーグルでは当たり前だった」ぐらいか。
ただ、実際に実務をわたりあるいてグーグル社長になった人のことばは、重い。p