久田恵のレビュー一覧

  • 主婦 悦子さんの予期せぬ日々
    家族のドタバタ劇が期待以上に面白かった。
    母は子供や自分の祖母や弟の、祖母は娘や孫の。孫は夫や婚家や実家の。
    みんな誰かの家族を巻き込み巻き込まれ、家族って本当に濃くて面倒だなーと思うが、その顔がニヤニヤしてしまう。

    娘は母とやり合って、母を一度ボロ雑巾のようにするものだというくだりと、
    男って必...続きを読む
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    制度として「悪いものである」という前提で語られる際に、「悪い」という価値判断が一体現実に置けるなにを指しているのかがはっきりしていないために起きる多くの誤解やいわれのない批判。生活保護のなにがいけないのか、ということについて制度をきちんと知って、その制度が向かい合っている現実を知って、それからもう一...続きを読む
  • 主婦 悦子さんの予期せぬ日々
    久しぶりの面白いなーと思える一冊。
    もう少し若いとまた違ったかもしれないけど、悦子さんに近い年代にはわかるわかるって部分も多かった。
    まぁなかなかこんなドタバタが一度に来るような家は無いだろうけど。
    先が見えず雲の中にいるような時も、どこから新しい風が吹いて雲を吹き飛ばしてくれるか、雲から出たら思い...続きを読む
  • 主婦 悦子さんの予期せぬ日々
    小説は久しぶりだった。小説は読みやすいかそうでないかが顕著に表れる。書き手の傾向とか読み手の読解力にも関係する。この小説について言えば前者!非常に読みやすかった。疾走するように読めた。面白い2時間ドラマのようだった。読んでいて情景が浮かぶ。主人公のキャラクターに負うところもあるが、やはり作者の力量だ...続きを読む
  • 主婦 悦子さんの予期せぬ日々
    「面白かった!」というのが素直な最初の感想。初めての作家さんだったし、失礼な言い方をすれば「あまり期待していなかった」だけに余計に楽しめたように思う(変な期待を抱いてガッカリということがないので)。まあ、ツッコむとすればタイトルと違うよね!っていう。タイトルからは「悦子さん」に何かあったのかと読み取...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    高齢者はどう生きるか。
    家族はどのような存在なのか。
    考えさせられる。
    自立して、孤独と共に生きる。
    それが人生、そしてあっという間だ 。
    高齢者の生き方、なかなか難しい。



  • ここが終の住処かもね
    決して順風満帆の幸せ家族ではないが、なんだか心温まる。「ハッピーエンドかどうかは思い方ひとつ」「そもそも寂しさを抱えて生きる、それが人生」「追憶に生きる日々ってなんて豊かなんだろう」「年を重ねていけば他人との関係の喜怒哀楽の感情も枯れて、気持ちがどんどん穏やかになると思っていたが、そうでもない。むし...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    70歳を過ぎたシングルマザーのカヤノが、終の住処と決めたのは過疎地の高齢者住宅「サ高住」。

    老親介護をしている間に子ども二人は自立して家を出て行ったものの、介護の末に見送った両親のあとにひとり暮らしして10年。
    フリーターの38歳の息子が同居するようになり、その後42歳の娘まで実家に戻ってくる。
    ...続きを読む
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    福祉事務所で生活保護の給付を担当する、ケースワーカーの人々の苦悩を書いたノンフィクション。単行本は1994年発行なので、ちょうど20年前に書かれた本。

    嘘をついたり、酒におぼれてたり、暴れたりと、一筋縄ではいかない人達を相手にする大変さは、想像するにあまりある。かなり過酷な仕事で、従事されてる方た...続きを読む
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    考えさせられる本でした。
    生活保護って社会に必要なものだと思うけれど、不正に受給する人もいる。生活保護を受けながら一生懸命自立の道を探す人もいれば、働かず保護で暮らして行こうとする人もいる。
    何らかの理由で受給出来ないと言われると、死を選ぶ人もいる。そうするとメディアはこぞって福祉事務所を責め立てる...続きを読む
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    本書で知った衝撃の事実:ケースワーカーはなりたくてなる人ばかりじゃないこと。地方公務員になって配属されてなったというケースワーカーもいる。仕事がケースワーカーを育てる、ということなんだろうけど、もうそういうのは機能しなくなるのでは。
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    この本が出版されたのは1994年。とても福祉事務所のケースワーカーをケースワーカーの視点から考察する本は、当時としては特に珍しかったのではないかと思います。
    完全ノンフィクションではなくて、細かいやり取りや心情などは、ところどころ筆者のフィクションが混じっているのだと思います。それでも、当時も今も...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    高原のサ高住、優雅だなぁ。
    私のイメージだと、
    マンション形式のサ高住で
    もっと管理されている感じでしたが
    こちらは、高原でお庭もあって素敵。
    そして高そう…。

    主人公のカヤノさんはフリーライター
    車の運転もしていて
    その言動も、読んでいても70歳過ぎとは思えない
    若い感じです。

    色々な人間関係...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    サービス付き高齢者住宅の話。高齢者それぞれの人生と現在が絡み合って。しかし、子どもはいくつになっても子どもなんだよね。
  • ここが終の住処かもね
     1947年生まれ、久田恵さん、初読みです。「ここが終の住処かもね」、2022.12発行。過疎地のサービス付き高齢者住宅(サ高住)を舞台にした物語。東京の家に娘奈々子42歳と息子亮介38歳を住ませ、サ高住に移住したカヤノ71歳が主人公。家族の在り方や人間関係がテーマかと読み進めてると、熟年の恋なのか...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    さてさて久田さんの2作目。サービス付き高齢者住宅(サ高住)を舞台にしたドタバタ劇。前回読んだ『主婦悦子さん・・・』に似て主人公のカヤノさんが周りのごたごたに振り回されてて、読んでる側の身としてはニヤニヤしてしまった。ラスト20~30ページの急展開。えー、そこが繋がっていくのか!と。でも、なんとなく急...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    サ高住、ピラカンサハウスに住むカヤノさんをめぐる物語。環境に恵まれ、好きなように過ごせる場所だけど、ぐいぐい入り込んでくる人に振り回されたり、家族の心配もあったりする。けれど本当に仲良くしたい人とお茶したり、出会いがあったりして自分のペースで生活できるようになっていく。一人の自由さもあり、人との関わ...続きを読む
  • ここが終の住処かもね
    人の考えてって場面々々で違ってくるのだな~と感じました。
    物の見方を変えてみることも、こだわりを持ちすぎないことも必要だなと思いました。
    後悔なく、よかったな~と終わりたい