土居丈朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
財政の詳しい知識は、一部の官僚や財政学者によって専有されている。
彼らがその「知」の利を生かして、都合のよいように国民を誘導していることがある。
ジャーナリストもそのワナにしばしばかかっている。
著者は、財政に関する専門知識を学んだとき、このままではいけないと感じた。
財政の話は、決して他人事でもないし、難しい話でもない。
国民が有権者としてこの国を健全に動かしていくのに不可欠な話である。
国民の日常生活と密接な財政の話を、少しでも読者の方に知って頂きたいと思い、本書を執筆した。
[ 目次 ]
第1章 税金はどこへ消えた?
第2章 景気対策はなぜ失敗し続けるのか
第3章 地方が自立できない真の理由
第4章 なぜ破綻せずに借金をし続けられたのか
第5章 財政破綻、そのとき国民は
第6章 破局を避ける道
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
<引用など>
・所得分配という意味での格差は、小泉政権では縮小しました。むしろその後の政権で「正社員」と非正規労働者の格差が拡大しました。
・金利上昇はめぐりめぐって、設備投資の際に企業の調達コストを上げることになります。
・「骨太2006」で社会保障の自然増を抑制する議論を正面から取り上げた
・OECDの統計によると、2010年末に政府債務残高GDP比が200パーセントに達する(これはグロス)
・政府保有の金融資産にも着目し、これを相殺消去したネットの政府債務(純債務)で見ると、対GDP比は110パーセント強となります。(グロス債務に将来の年金給付債務が含まれ、金融資産には年金積立金が入っていることに注意)
・国民が将来背負う税負担の総額は「グロスの債務」プラス「年金給付債務と覚しきもの」マイナス「外国債」マイナス「金融資産」となります。
・日本のバランスシートの大きさは、アメリカの約5倍
・歳出削減より先に税を上げたケースは、必ず失敗している(アルバート・アレシナ)
・法人の配当は法人税課税後の利益から支払われるのに、配当を受ける株主にも所得税を課していて、本来は二重課税です。
・国の一般会計の社会保障関係費の大部分は、社会保険に対して国が出している根拠不明な公費です。(たとえば医療保険、後期高齢者医療制度、国保)
・税金を払っていない商店街のおじさんが、安い保育料で優先的に子どもを保育園に入れ、その送り迎えをベンツでしている。
・消費税は逆進的といわれますが、むしろ社会保険料の逆進性のほうが深刻なのに、そこを見誤っているのです。
・「金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない」(サッチャー)⇒所得税の最高税率を上げるのは、ほとんど儀式的な意味しかなく、税収も増えない。
・スウェーデンやオランダは何十年もかけて社会保障改革をやりましたが、つねに労働市場改革と教育改革が一体でした。
・正規も非正規も等しく、「同一労働・同一賃金にしろ」というならいいのですが、いまの主張は「全員を正規にしろ」というものです。これでは雇用を減らすだけです。
・貧困の理由
1.働きたいけど、健康上の理由で働けない(→生活保護)
2.働きたいけど職がない(→雇用対策)
3.働いているけど賃金が安い(→最低賃金の問題) -
Posted by ブクログ
最短で日本の余命はあと3年か。
確かに個人資産の総額に国債発行額が近付いていることから、そんな感じはしてた。
粛々と準備をしておかないと。
そうならないことがもちろん良いのだけれど、
そうなってしまったときにでも大丈夫なように。
---気になった言葉---
子ども手当(年間5.6兆円)を諦めれば、現在、実効税率40%の法人税を、香港並みの17%にすることが数字上可能です。(P77)
「圧力団体は一つで頑張ると資源配分によくないことが起こるが、利権グループ同士を競わせると、よい均衡に到達できる」(P196)
社会や国家は、「幸せ」という概念について立ち入らないほうがいいと思うのです。(中略)国民の幸せまで追求すると、先ほどのコレクティビズム(集産主義)になってしまいます。(P215) -
Posted by ブクログ
金子勝が、経済学のいいところは最後には現実主義的に物事を見れるところだって言っていたけれど、まさにそんな感じの本だった。
今の日本は都市部から多く税金をとっていて、それを受益しているのは地方ばかりという状態であり、国として経済発展するためには都市部に税金をつぎ込むべきだと著者は提案し、そのための地方の市町村の統廃合はある程度しかたないとさえ言っている。
確かに地方自治体は財政の面では国からの圧力に雁字搦めらしいが、今地方自治の独立を唱っている橋本知事や東国原知事らに代表される地方自治体の声は、日本全体の発展を考えてのことなのかどうかが問題だと思う。彼等の発言を聞いていると、自分の地域の発展のみを考えているようにしか思えない。この本によると、財政面での独立をすると、国からの補助金の減額や地方債を国が肩代わりすることをやめたりで、自己責任が主な考えとなり、地方の財政はより厳しくなるのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
2/14からの確変フィーバーが終わった後
自分の資産についての今後の扱いを
どうしようかを考えています。
<前書き>
9月17日に日本銀行が発表した統計によると、6月末の段階での国と地方の債務残高が1035兆円と、初めて民間企業の債務残高を上回りました。これは政府予算が膨張する一方、民間の経済活動が停滞し、債務が減ったためです。政府債務はGDP(国内総生産)の2倍を超えるという先進国では最悪の水準に達しましたが、2011年度予算の概算要求も96.7兆円と昨年より膨張し、財政再建のめどは立ちません。
私が就職する以前から「日本は破綻する」 「ハイパーインフレがやってくる」と
ずっと言われてきました。
しかし、世の中にはリフレ派という経済学者達がいます。
彼らは日本の債務残高がさらに大きくなったとしても、財政危機にはならないと主張しています。
実際にこの20年間は日本には財政危機は来なかった。
<引用>
欧州ではギリシャを初めとして各国で財政危機が表面化し、日本でも同様の事態が起こるのではないかと憂慮する声が強まっています。しかし債券市場では長期金利が1%を切る水準まで低下し、外為市場では円が買われて15年ぶりの高値をつけるなど、市場は財政リスクをあまり意識していないようにみえます。
このように潜在的なリスクの高い債券が高い価格(低金利)で取引される現象は、2000年代前半の欧米にもみられた現象で、一種のバブルになっている可能性があります。しかしバブルのむずかしいところは、その最中には誰もが正しい価格だと信じて取引していることです。特に日本国債のドル建て価格は、ここ20年近く上がり続けており、これがバブルだとすると、史上最長のバブルだということになります。このため「財政危機論は狼少年だ」と嘲笑する向きもあります。
政府・与党の中にも、楽観論があります。亀井静香・前財政金融担当相は「財政危機はフィクションだ」と公言し、「政府の借金は税金を取ればいくらでも返せるんだから、財政危機はありえない。不況のときは財政赤字を恐れずに公共事業を増やせ」と主張しました。税制調査会の専門家委員長である神野直彦氏は「政府債務を元利すべて返す必要はない。政府債務は借り換えられるのだから、ずっと借り続ければよい」と主張し、社会保障支出の増額を主張しています。
でもね~ いよいよ来ると思うんですよ。
私は自分を「遅めのアーリーアダプター」 「早めのアーリーマジョリティ」だと思っています。
<引用>
なお書名に「余命3年」と入れたのは、61ページで竹中氏が「全治3年」という楽観論に対する皮肉としておっしゃったものです。これは、あと3年で日本経済が絶命するという意味ではなく、今のような奇妙に安定した状態はあと三年ぐらいしか続かず、それまでに何もしないと、それ以降はどういう不測の事態が起こるかわからないという意味です。
私のアンテナが最近ピリピリと反応しているのです。
資産だけでもひとまず日本から逃げるのだと。
・・・ やはりスイス銀行だな -
Posted by ブクログ
竹中平蔵, 池田信夫, 土居丈朗(財政), 鈴木亘(社会保障)という経済問題で気が合う面々の座談会を書籍化したもの。こういう固めのテーマは書き下ろしの方がよい。意見の相違がないのだから、ますますそう思う。
議論のテーマは、日本の財政問題、社会保障、労働市場、など。語られていることは大枠で正しいように思う。震災前に出版された本だが、この上さらに震災によるマイナスを乗り越えて世界の中心に日本が躍り出ることは不可能ではないかと思えてくる。
とにかく小泉・竹中の改革を何の検証もなく悪政のように語らせてはいけない。政治的にその方が受けると認識している政治家も多くいるようではあるが。
それにしても最近のドタバタを見ても議会制民主主義はもう機能しないのかもしれないと思う。特に日本では。著者らは真の政治主導をと言うが、果たして可能性が少しでもあるものなのだろうか。「民主政治は最悪の政治形態だ。これまでの他のあらゆる政治形態を除けば」というチャーチルの言葉が分かるような気がする。事態に対して投げやりなわけではないのだが。 -
Posted by ブクログ
大学時代に一度読んだ本ですが仕事の関係もあって再度読みました。読みやすい本ですが結構疑問点が出てきたのでここをスタートにいろいろ調べてみようと思います。
かなり基本的な部分もあり、整理前ですが、忘れないために疑問点を箇条書きにします。
・「所得」をあげている企業に対する税負担を軽くして欠損法人に対して税負担を求めるとは具体的にどうなっているか(P38)
・自治体は国が定めたとおりにしか税金をかけられないとあるがいまもそうか(P39)
・国が定めた基準に従ってしか借金が許されない→協議制になって実態はどうか、具体的な問題点は?(P41)
・税源移譲、補助金削減、交付税削減に対する都市部、農村部の自治体の態度の整理(P61)
・農村部では補助金削減の見返りに交付税が保障されるのか(P66)
・農村部で削減される補助金と補填の交付金が同じなら農村部は賛成するのか(同)
・地方債の資金を総務省が決める意義・問題(P85)
・地方債をたくさん発行している場合、転売が容易にできるためリスクを抱えなくて済むとは?(P89)
・2テーブル方式に対して原則は?(P90)
・機構資金が税収の少ない自治体に課されることが、国が自治体の金利負担を肩代わりすべく間接的に補助金を出したと同じの「補助金」の意味は?税の再分配?(P93)
・借金すればするほど地方交付税がもらえて負担が軽くなるとは真か?負債額ではなく負担割合のことか?(P99)
・元利償還金の地財措置は住民以外の税負担というが財政調整機能は再分配の意味を持つのではないか?(P102)
・行政サービスの及ぶ範囲と行政区域を合併により一致させるべきとあるが、現実的か(P116)
・国がお金を一部しか出さずに権限だけ握る(義務教育の国庫支出金等)のはダメとあるが、政策誘導的補助金と義務的支出的補助金は別では?また全額負担したら委託になるのでは?(P121)
・ナショナルミニマムとそうでないサービスを分けるのは現実的か(P128)
・ナショナルミニマムの実施主体はコスト安い方とあるが、他サービスとの組み合わせや+αのサービスの提供可能性にもよるのでは(P131)
・サービスの便益は土地に及ぶゆえ固定資産税が基本という詳しい意味(P138)
・交付税の算定方法(追加的サービスがどう需要額に反映されるか)(P145)
・レベニュー際について(P154)
・分権改革の目的は行政の効率化(ミクロ)と財政健全化(マクロ)とされているが住民自治的意義は?(P164)
・自治体の裁量拡大=増税か歳出削減の自由→サービス拡充は無理か?歳出削減と同時に工夫の余地ないか?(P170)
・ナショナルミニマムは借金せずに現状の税収でまかなえる範囲で決まるというが逆では(ニーズ→税率決めてまかなう)(P178)
・ナショナルミニマムは全国民の合意で決まるとあるが都市のほうが有利である以上無理あるのでは?合意取れないのは+αであって一人当たり税収を平等にすべきというが、規模の利益など全体で一定額確保できなければ、現実的でないのでは?(P182)
・ナショナルミニマムを税負担との見合いで決めるべきとあるが、同じサービスでも税収により負担の度合いが変わることにならないか?(P183)