薮中三十二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1.この本をひと言でまとめると
外交官の仕事のエッセイ
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・外交交渉の要諦 I 敵を知り、己を知る(p95)
→本番の前によく調べ尽くしておく重要さを説いている。有力議員まで調べるのがプロ意識を感じさせた。
・1.ウソをつかず、欺かない2.絶対に必要なことと、融通のきくことを分け、優先順位を相手に分かるように伝える3.ダメなこと、デリバー(約束できるかできないか)できないことは、はっきりと言う(p107)
→ビジネスやプライベートでも使えそう。国同士の交渉でも人間関係が効いてくるのは面白い。
・日本流の「Yes,we can」(p60)
→アフガニスタンでのODAの具体的内容は初めて知った内容。アメリカに対してよく主張してくれました。
・私論―5つの提言(p85)
→危機感を強く感じている点は全く同じ意見。問題を指摘するだけでなく案を出すところがよい。
3.突っ込みどころ
・第一章「アメリカ離れ」のすすめ は、なぜ離れる必要があるのか、どうやって離れるのかがよくわからない。
・外交官の仕事がよくわかったが「国家の命運」というタイトルは大げさ
・第五章 北朝鮮はなぜ手ごわいか 最初に過大な要求(p126)とあるが、“交渉の初期段階ではいわゆる「ダメもと」、無理は承知で、まずは目一杯の要求をすることが少なくない”(p108)と何が違うのか?
・私論―5つの提言(p85)→懸念される問題の対策も書いてほしかった。
・東アジア共同体やTPPの話は記述が浅すぎる。
・ところどころに自慢話が入っている。
4.自分語り
・全体的に広く浅く、エッセイ的。もう少し突っ込んだ話、交渉の核心部分を書いてほしかった。
・度々引用されていた「日本辺境論」が気になった。
・著者は日本のよいところを外国にアピールしたという点で、いい仕事をしたと思う。
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Posted by ブクログ
著者の薮中三十二氏は、2008~2010年に外務事務次官を務めた外交官。大阪大学法学部3回生のときに外務省専門職として外務省に入り、入省後外務省上級職(外務キャリア)に合格した、事務次官としては異色の経歴を持つ。
本書では、1980年代後半の北米局課長としての日米経済交渉から、2000年代のアジア大洋州局長としての北朝鮮核問題の6ヶ国協議、更に経済・政治担当外務審議官、外務事務次官としての体験を振り返ったものである。但し、自ら「外交インサイダーとしての立場を利して、個々の政治家について論評したり、暴露的レポートをお届けしたりするつもりは毛頭ない」と語っているように、関わった外交関連の課題の全てがカバーされているわけではなく、回顧録というよりは、外交交渉に関する普遍的な問題・ポイントをまとめたものという印象が強い。
印象に残ったポイントとしては以下である。
◆総じて日本人はロジックが苦手。日米経済交渉でも、対米の「ご理解いただきたい(please understand)」、対内的な「これでは日米関係がもたない」の二つのフレーズがよく出てきたが、論理性を欠いた考え・表現は役に立たない。
◆日本ほど自国への視線と評価に関心を寄せる国民は他にいない。外からどう見られるかに神経をすり減らすくらいならば、国際社会において日本に有利なシステムをどのようにして作るかにもっと関心を向けるべき。
◆交渉相手が英語を母国語とする場合は、通訳を使った方がいいこともある。通訳がいれば、相手の話が通訳されている間に「次の一手」を考える時間ができる。また、言い間違いや誤解を恐れて集中力が途切れるくらいなら、通訳を使う方がいいし、一向に構わない。
◆最終局面で交渉に臨むとき、合意のモメンタムを逃さずに行動することが大事。本国に戻って最終了承を取り付ける必要があっても、交渉官同士の信頼関係ができていればまず問題はない。まとめは、勇気をもって決断すること。誰もが満足することはありえないので、大事なのはバランス感覚、これならいける、という読みである。
日本外交交渉に関わる思考は、ビジネスの現場にも通じるものとして参考になる。
(2010年10月了) -
Posted by ブクログ
外務官僚の交渉の裏側を書いた本。読んでいて少し飽きてしまった。
話の中で印象的なだったのは、日本で講演するときとアメリカで講演するときは質疑応答の時間の配分でずいぶん変わってくるといった趣旨の内容があった。日本人は質問が出ないとのこと。日本人の美意識として質問をしないことがマナーといったようなこともある。質問する人は少しガツガツした印象をどうしても持ってしまうこともある。
でもこれは恐らく、質問する人の雰囲気や間といったものが大切なんだろうと思う。今日実は1時間半の会議を30分で終わってしまった。一番遠くからは北見から来ている人に対して、それは相当失礼と私は捉えた。が、一般的に見たらスマートで会議の短縮ができたということなのかもしれない。淡々と報告することは楽だが、報告だけなら書面で十分だと考えている。一方で質問が出なかったことに安堵を覚えたのも事実。質問が出てもなんでも答えられる・・・、そんな気持ちで早く今の部署で力を発揮したい。