森茂暁のレビュー一覧

  • 闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉

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    ネタバレ

    南朝のその後に焦点を当てた書籍は少ないので、読み応えがありました。
    1392年の明徳の和平の後、当初は鎌倉幕府と同じく両統迭立の方針を立てた室町幕府だが、義満はその約束を守ることなく持明院統の皇族を推し、大覚寺統系の皇族は相次いで出家させられた。
    その抵抗は持明院統嫡流の皇族が絶えた1428年に激化、南朝の遺臣等と共に蜂起することになる…。
    南朝が好きなので…史実とはいえ、読んでて少し悲しくなります。

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    2023年05月07日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    鎌倉時代から室町時代に亘った約200年の歴史を持つ、南朝。
    大覚寺統の始まりから建武の新政、そして消滅までを解き明かす。
    第一章 鎌倉時代の大覚寺統  第二章 建武の新政
    第三章 南朝の時代  第四章 南朝を読みとく
    第五章 後南朝とその終焉
    研究文献目録、南朝年表、索引有り。適宜、略系図や図表有り。
    始まりは兄と弟。
    それぞれの子孫、大覚寺統と持明院統の両統迭立と、
    鎌倉幕府の調停と斡旋が重要だったのだが、
    子孫は増えるし、同じ系統だっていろいろあるしで、
    天皇、上皇、法皇、東宮、親王が入り乱れての、皇位継承争奪戦。
    そこに登場したのが「一代の王」後醍醐天皇。
    「王権至上主義」と倒幕への執念

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    2022年05月29日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    歴史研究の成果の片鱗から、テーマになっている<南朝>というモノに関して説く一冊だ。読み悪い資料が列記されるというのでもなく、誰でも興味を持って<南朝>というモノのあらましを知ることが叶う好い読物だ。
    鎌倉幕府が滅ぼされ、建武新政を経て室町幕府が登場して行くという時期に「南北朝」という“問題”が生じていて、その解決を図るために長い時日を要したこと、その“問題”の故に「南北朝時代」と呼ばれる場合が在る時期が存在することは知られていると思う。他方、その“問題”の<南朝>というようなことになると、今一つ巧く説明し悪いような気がする。本書は、それが「もう少しうまく説明出来るように」という内容が紹介されて

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    2020年02月18日
  • 足利義満

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    時期毎の発給文書の性格を詳しく検討し、研究史も踏まえつつ政治史を中心にその生涯をたどる一冊。管領との関係を交え文書発給状況の変化を追うことで、幕府の政体が確立していく過程が見える興味深い内容だった。

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    2025年01月16日
  • 足利尊氏

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    文書内の言葉の使われ方などからその人物の感情を読み解いていくのは面白い

    南北朝時代は勢力図がころころと入れ替わり複雑な部分もあるが同時に多くの濃厚な人間ドラマが生まれている時代でもあるんだなと思いました

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    2024年04月09日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    南朝の生まれから、歴史から消えていくまでを描く。
    吉野の山奥まで遁れ何とか命脈を保ってきたか弱い存在といった私の歴史観が、北朝と同様の統治組織を持っていたという記述で覆された本。

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    2023年07月09日
  • 太平記の群像 南北朝を駆け抜けた人々

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    1991年刊行されたものの文庫版。南北朝時代に活躍した人物について、太平記の記述をより確かな史料で検証することで、歴史資料としての太平記の世界を浮かび上がらせる内容。付論での成立過程検証も興味深い。

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    2022年10月20日
  • 室町幕府崩壊

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    将軍-重臣関係を軸に、義教の執政時期を主として嘉吉の乱による破綻までを描く内容。義教の還俗から元服にいたる過程や、各改元の詳細な検討など特に執政の前半期において興味深い内容が多かった。

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    2022年10月13日
  • 闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉

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    南北朝合体は成立すれど、南朝の勢力が消滅したわけではない。
    室町幕府の抱える矛盾と、後南朝の抵抗の歴史を解き明かす。
    序章 後南朝とは  第一章 南北合体、一天平安
    第二章 後亀山法皇とその周辺  第三章 南朝皇胤と室町幕府
    第四章 禁闕の変        第五章 長禄の変
    終章 後南朝の終焉
    モノクロ画像、略系図、後南朝史関係主要参考文献、有り。
    室町幕府と、北朝・南朝との複雑な関係は、南北朝時代から、
    南北朝の合体まで、そして以降にまでも、影を落とす。
    特に、皇位の両統迭立の不履行は、旧南朝側の皇位の
    問題への不満となり、諜叛を引き起こすことになる。
    また一方で、室町幕府体制に同化していっ

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    2022年05月19日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    南朝研究は、明治以来の南朝正統史問題、資料の少なさという二つの大きな問題を抱えている。
    鎌倉中期頃、後嵯峨天皇の後継者を巡り親王兄弟が大覚寺統、持明院統に分派。幕府は両統併立の立場。
    後醍醐は後宇田の謀略により31歳という異例の高齢で天皇となったが、後宇田の嫡孫への践祚のための中継ぎであった。ところが後宇田の発言力が低下し死んだため、後醍醐新政が可能となった。中継ぎを保証したのは幕府であったため、後醍醐は独裁的な新政を行い幕府に対抗した。持明院統は幕府についた。
    建武の新政では綸旨が乱発され、土地問題などに混乱が生じた。特に軍事に関する綸旨に権限を持たせた点に特徴がある。天皇自ら軍事指揮をする

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    2022年04月16日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    南北朝時代に関して多くの著作がある研究者による南朝の全体像を明らかにする著作。鎌倉時代における大覚寺統の成立、その中での後醍醐天皇の特殊な位置(「傍流の傍流」)、綸旨万能主義の統治体制としての建武の新政、地方の南朝支持勢力、特に懐良親王の征西府の動向、宗良親王が編纂した『新葉和歌集』からの南朝の制度の析出、後南朝勢力の動向…といったトピックが、乏しい史料からの手堅い史料解釈によって肉付けられている。戦前のイデオロギー的な南朝の高評価、それに対する反動としての戦後の南朝軽視をともに乗り越えて、一個の政治的・軍事的勢力としての南朝が南北朝から室町時代にかけて、日本全体の外交・内政を少なからず規定し

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    2021年02月06日
  • 足利尊氏

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    同著者の「足利直義」の続編となる一冊。前作同様に多数の発給文書の解析を踏まえ、新しい人物像が描き出されている。事前に基礎知識は必要となるが、時代の理解を深める役にも立つと感じた。

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    2020年09月17日
  • 足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想

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    政治史だけでなく、思想や宗教観までカバーした足利直義の伝。発給文書の分析を踏まえた検証が貫かれており、特に宗教面からのアプローチが充実していて興味深い点が多かった。

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    2020年09月15日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    鎌倉時代の皇統分裂から後南朝までを射程とした南北朝時代における南朝の通史。史料の少なさによる研究の困難さが伝わってくる。日本史における南朝の位置づけが少しながら理解できたように思う。

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    2020年07月10日
  • 闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉

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    同じ作者の後南朝の本がおすすめされてたので読んでみた。20年くらい前に本の名前を忘れたけど後南朝の本を読んだことがあって、その本より全然詳しくて、当時の記録に忠実にまとめてあってとてもよかった。

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    2017年06月30日
  • 足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想

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    室町幕府初期の二頭政治体制とその崩壊を、尊氏・直義の’残した書簡から紐解くもの。
    直義も「自分の子どもに自らの地位と権力を譲りたかった」のかなぁ。家が形成されていく時代だったとはいえ、後醍醐にしろ阿野廉子、尊氏もそうだった。
    結局、歴史を動かす力ってそういうことなの。でも現代は何になるのだろう。今も変わらないのかな。

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    2016年04月22日
  • 足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想

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    著者によると近年、足利直義が再脚光を浴びているという。
    足利直義は、南北朝時代に兄・尊氏の代行者として室町幕府の執政となり、後に観応の擾乱の当事者として南北朝動乱の一翼を担った人物であるが、かつて中世史の泰斗・佐藤進一は尊氏・直義兄弟の幕府内権力の分掌形態の分析から、兄・尊氏は主従制的支配権を、弟・直義は統治権的支配権を担ったという有名な将軍権力の二重構造を提唱したことでも知られている。
    本書において著者は、そうした政治構造や武将であり政治家であった足利直義という従来の人物像のみならず、近年の研究史動向を十分に取り入れ、直義の政治思想や精神面、それに権力分掌の実態に肉薄しようとする試みを行って

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    2015年04月03日
  • 闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉

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    人名になじみがない人が多く読むのに苦労した。南朝の末裔が冷遇され、抵抗勢力の旗印に担がれながら衰退していったことが分かった。

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    2024年02月13日
  • 室町幕府崩壊

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    室町幕府は、足利義教時代に、将軍専制権力の頂点を迎えた。しかし、その中にこそ、その後の応仁の乱や戦国時代につながる様々な要因があった。大名の家督争いへの介入、関東の支柱たる鎌倉府の討伐など。

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    2020年10月17日
  • 南朝全史 大覚寺統から後南朝へ

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    太平記を読んでから、南北朝時代に関心が持てるようになりました。本書は、両統迭立から後南朝の終焉までをカバーしており、複雑なこの時代の動きが概観できます。

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    2020年04月20日