エリック・ブリニョルフソンのレビュー一覧
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「チェス盤の法則」によって指数関数的に進む技術革新のスピードから、機械化、自動化が進むと今まで以上に一部の仕事が人からコンピューターへ置き換わるスピードはアメリカで起きている現実よりもっと加速していくのかも知れない。ただ、「弱い人間xマシンxよいプロセス」のほうが、「強い人間xマシンxお粗末なプロセス」より勝っていることも事実。今でさえ生産の現場で人間が高度に自動化された機械やコンピューターを本当に使いこなせているかは疑問だし、移民政策などがなかなか進みづらい、人手不足の日本のような国こそスキルの向上を徹底的に行って、生産性をあげていくしか道はないのでは。
チェス盤の法則は、ローマクラブの「成長の限界」とよく似たメタファー。色んなリスクマネジメントをしていかないと。。 -
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ネタバレ■人間とマシン
・人間の強み
「窓の外を見る」
偶発的要因を考慮、常識。
・ルールより統計へ
コンピューターは子どもと同じ統計的パターン認識、
大人はルールに基づくシンボリック手法で習得。
英語の形容詞の順序ルール
自分の意見、大きさ、年齢、形状、色、原産地、材質、目的の順。
ルールが多すぎ、守れない。
■物理的なモノ・サービスとプラットフォーム
・ここ20年間の地殻変動「オンライン プラットフォーム」
Free 無料、Perfect 完全、Instant 瞬時
O2Oプラットフォーム
オンラインを介したオフラインビジネス
UXが武器とし、情報の非対称化を解消
2面市場:売り手と買い手の価格弾力性
■コアとクラウド
・専門家(コア)に頼るな
大前提に固執、組織の硬直化、機能不全に。
クラウドの門外漢をネットで結び付ける。
・ビットコイン・ブロックチェーン
中央権力とは無縁のコミュニティ
分散型公開元帳
・マネージャー
数学的スキルよりソーシャルスキルが必要に
複雑で早い変化への対応への橋渡し
数値だけでは納得しない
人間は一緒に働くのが好き
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『機械との競争』を著したエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーのコンビによる著作です。内容は前著と同じですが、前著は小論といった文量であったところ、本作はより詳細かつ網羅的・構造的に書かれているため、前著の完成版と位置付けることができます。あるいは、前著は本著のダイジェスト版とも言えます。また、本著は前著の前提知識を必要としません。
コンピュータを中心としたテクノロジーが社会に影響を与える「セカンド・マシン・エイジ」においては、2つのべき分布が存在します。一つはムーアの法則でよく知られた技術の発展の度合いであり、もう一つは所得分布です。
べき分布はどの区間を取っても同じ線形を見せ、微分して傾きが1の所に立つと、後ろはほとんど平坦である一方、前はほとんど垂直の崖のようです。そのため、過去を振り返ってもほとんど変化が起きなかったように思えるのに、控える未来は急激に変わることが予想されますし、その急変の内容は容易に予想できません。所得分布については、セカンド・マシン・エイジにおいては高スキル労働者の需要が高まり資本家の力が強くなりますが、それよりも重要な事象は、限界費用が限りなくゼロに近づくことやグローバル化、ネットワーク効果などが相まって勝者総取り(スーパースターの台頭)になることです。実際に、アメリカにおいては1人あたりGDP平均と所得中央値は1975年ごろまでは歩調を同じくして上昇しているものの、それ以降は平均値は上昇し続けていますが中央値は横ばいあるいはやや下降しています。
このような時代にあっては、政策は何よりも教育に重点を置くこと(そして個人としてはとにかく勉強すること)、加えて法整備により起業のしやすさや知財関係を整えること、負の所得税のように最低保障と労働インセンティブが共存する再分配をすることが求められます。そして、「機械は人から労働を奪うか?」という問いに対しては、「機械とペアを組む」ことが解であり、そのための教育が特に求められます。 -
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「機械との競争」の続編にあたる本書、前著ではテクノロジーの進化は雇用を減少させ所得格差を拡大させている。そしてその指数関数的な進化は今後、良い面、悪い面を含めてより一層の大きな変化をもたらすと説き未来への警鐘を鳴らしていましたが、楽観的に考えを変えて書き直したように感じる本書です。
タイトルの「ザ・セカンド・マシン・エイジ」もエネルギーを自由に操れるようになった産業革命後の時代を「ザ・ファースト・マシン・エイジ」として、かつて人間の肉体的パワーを機械に代替させたように今度は頭脳パワーを代替させるとしてのネーミングです。
現在進行中のテクノロジーの事例を紹介し、その後の格差などの経済の動きを考察し、前回同様政策提言などを行うも、教育、起業支援、科学振興、インフラ整備、税制や公共事業などは月並み、結局は個々に考えを変えていくしかないようです。
GDPの限界という章で、無料のモノやサービスの氾濫はユーザにとってはありがたいが、その分だけGDPは減るとの論考はとても興味深い、ある意味これも労働者が回りまわって自分の首を絞めている構図と言えなくも無い。 -
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米国商務省経済分析局が設備投資の対象に「情報技術」を加えたのが1958年。この年をIT元年だと考え、ムーアの法則により、集積密度の倍増ペースが18ヶ月毎だと仮定すると、32回倍増したのは2006年。すなわち、つまりその年にチェス盤の32マス目に到達している。2015年は38マス目。指数関数的な進化が我々を驚愕させるのはまさにこれから。
未来のコンピューターは、パターン認識能力、問題解決能力から人類の脳そのものの感情や、知性までカバーするようになる。
統計は平均値ではなく、中央値で見ること。
1983年から2009年にアメリカで創造された富の100%”以上”が世帯の上位20%で生じており、残り80%の世帯では富が”減って”いる。それも、富の正味増加分の80%以上が上位5%の世帯に、40%以上が上位1%に集中している。つまり、「GDPが増えても国民の大部分は貧しくなっている。」
2000年以降、雇用が激減しているが、それは解雇の増加ではなく、雇用の喪失。欠員1件あたりの募集頻度がこの10年で激減した。つまり、雇用主は労働者を必要としていない。
オークンの法則が通用しなくなっている。デジタル技術の高性能化と普及に伴い、GDPが回復しても雇用が回復しなくなった。テクノロジーが雇用に与えるインパクトはとても大きい。
オークンの法則:
雇用されて生産活動に貢献する労働者が増えれば実質GDPが高まり、逆に失業率が高まり生産活動に従事しない労働者が増えると実質GDPは低下するので、両者の間に負の相関関係が生じる
産業革命の”初期"までは立派に雇用されていた者の数が、20世紀初めにはほぼ消滅した。それは「馬」である。役馬の数がイングランドでピークに達したのは産業革命からしばらく経った1901年で、325万頭が使われていた。
2002年以降の経済成長の65%を世帯の上位1%が手にしている。
GDPに占める企業収益の比率は過去50年で最高水準に達した一方、労働者に対する報酬は賃金と福利厚生を足した総額で見ても過去50年で最低の水準となっている。パイの取り分は資本家が大きく、労働者が小さくなっている。
モラベックのパラドックス
35年に及ぶAI研究で判明したのは、難しい問題が容易で容易な問題が難しいということである。我々が当然なものとみなしている4歳児の心的能力、すなわち顔を識別したり、鉛筆を持ち上げたり、部屋を歩き回ったり、質問に答えたりといったこと(をAIで実現すること)は、かつてないほど難しい工学上の問題を解決することになる。…新世代の知的機械が登場したとき、職を失う危険があるのは証券アナリストや石油化学技師や仮釈放決定委員会のメンバーなどになるだろう。庭師や受付係や料理人といった職業は当分の間安泰である。最も解明が難しい人間のスキルは「無意識」。
現時点で世界最強のチェスプレーヤーは、人間でもマシーンでもなく、「マシーンを使った人間」。そして、「弱い人間+マシーン+よりよいプロセス」の方が「強い人間+マシーン+お粗末なプロセス」よりも強い。
十分に活用されていない機械を見つけて活用すること、もっと上手く活用出来る人材やスキルを発掘して活かすこと、供給が途絶えた時に使える余剰在庫の存在を知っておくことなどは、優れた新技術に関する知識と同じくらい社会にとって役立つ。
イノベーション力を高めるには、これからは「STEM(科学、技術、工学、数学)」ではなく、「STEAM(+アート)」である。
1992年、クリントン大統領が全米から最高の頭脳を集めて将来の経済について議論させた時、インターネットに言及する者は誰一人いなかった。
貧困国における携帯電話の普及は、産業を様変わりさせるだけではなく、世界を変える。
雇用の二極分化が進む。どうしてもコンピューターに置き換えるのが難しい雇用は2タイプ。
1. 創造的な仕事。今まで誰も考えつかなかった事を想像する事。
2. 肉体労働。
21世紀に成功するのは、組織革新とスキル開発を最適な形で実現できる経済。
組織革新を推進し、人的資本の形成を促進する事。 -
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機械に雇用を奪われているという産業革命後のような状況が
近年のアメリカ経済の停滞から推測出来ると筆者は主張する。
こうしたテクノロジーの発展により雇用を奪われるのは
ブルーカラーではなく、ホワイトカラーの可能性が高いと警鐘を鳴らす。
ロボットの運動能力は未だきわめて原始的で、2足歩行ロボットも階段の登り降りにも一苦労している段階だ。
ウェイターや看護士、配管工などの仕事は高度な問題解決能力を必要とし、機械はこの作業を苦手とする。
IT技術は指数関数的に発達する(ムーアの法則)ので、油断ならない。
IT技術が駆逐する領域を見極めることが大切。 -
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産業革命以降、人間にしかできなかった仕事の多くが機械に取って代わられ、その結果として多くの人間が失業した。
経済は発展して、世の中は便利になっているのに雇用は増えない。増えた富の大部分はごく一部の人に集中しており、多数派は貧しくなっている……
内容はそこそこ。ただ装丁が良くない。読みにくい。
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memo:
49
コンピュータは、パターン認識や複雑なコミュニケーションなど、これまで人間が独占してきた領域を侵食しつつある。
54
(NASAの報告書より)「人間は非線形処理のできる最も安価な汎用コンピュータ・システムである。しかも重量な70キロ程度しかなく、未熟練の状態から量産することができる」
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スキルと賃金の関係が、最近になってU字曲線を描き始めたという。つまりここ10年間、需要が最も落ち込んでいるのは、スキル分布の中間層なのである。
111
幸いなことに、人間はまさにコンピュータが弱いところに強い。
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情報は、消費されてもすり減ることはない。(中略)エリックは、読み終わった本をアンディに貸してあげることができる。この時、本の中身は少しも減っていない。いやそれどころか、エリックが読み終わった本はアンディにとってもっと貴重だと考えられる。なぜなら2人はその本に書かれていることを共有し、それをもとにして新しいアイデアを共同で生み出せるかもしれないからだ。
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著者によれば、どうしてもコンピュータに置き換えることが難しい雇用には2つのタイプがあると言う。1つは、創造的な仕事で、(中略)もう一つは肉体労働なのだと言う。
高所得を得られる創造的な職場と、低賃金の肉体労働に二極化するということだ。