エリック・ブリニョルフソンのレビュー一覧
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社会の発展度合いを計測する『社会開発指数』により人類史を捉えると、まさに現代は重大な転換点にある。その原動力となるのが
・デジタル化
・コンピュータの『指数関数的』高性能化
・『組み合わせイノベーション』
である
コンピュータの高性能化は、チップの処理速度がおよそ18ヶ月で2倍になる『ムーアの法則』が知られる。これは科学者の努力によるものであり、ここまで加速度的な進歩が起こる産業は他にはない
人工知能の発達は目覚ましい。これまでは、機械により雇用がなくなることは『労働塊の誤謬』とされていたが、今後は分からない。人間も馬のように、産業界から排斥される可能性もある。
人間特有の能力として、『複雑なコミュニケーション』『パターン認識』『非定型の肉体労働』が挙げられる。特に、人間にとっては簡単な運動でも機械には困難な『モラベックのパラドクス』が興味深い。
デジタル産業の強みは、情報伝達、複製のコストがほぼゼロの『限界評価ゼロ』経済であることだ。今や世界中のデータベースにアクセスでき、最高のアルゴリズムを無限にコピーして、しかも無料で利用できてしまう。
デジタル経済は人々の生活を劇的に豊かにしておきながら、その費用は極端に低い(あるいは無料で提供されるため)GDPに反映されない。音楽産業がCDからストリーミングに転換した時、まるで産業が丸ごと消えてしまったかのような現象が、統計上では起こる。
デジタルサービスの場合、物理的な障害がほとんどないため、すぐにグローバル化する。そして、一番が市場を独占し、その流れが『ネットワーク外部性』により加速する『ウィナー・テイク・オール』の世界である。
その結果として、桁違いの所得格差が生じる。今後、大金持ちとなる可能性のある人間は
・エンジニアなどの高スキル労働者
・システムを所有する超資本家
・芸術、スポーツなどの分野のスーパースター
である。
機械によって代替されにくい人間の特徴として、『発想』が挙げられる。機械は答えを出せる一方で、問いを立てることが出来ない。今後の教育には、ラリーペイジやジェフべゾフなど、名だたる天才が受けたとさらる、個人の自発的な好奇心を伸ばす『モンテッソーリ教育』が効果的かもしれない。
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「ムーアの法則」=Digital発展の鍵
1年半ごとに半導体の性能が倍増する
指数関数的進化 ①処理②記憶③通信(81)(87)
例外は「バッテリー」 電子品ではなく化学
増加率は一定だが、増加分は激増 特に期間の後半
人は指数関数=非線形をイメージ出来ない
「社会革命」へ ←産業革命から (152)
①Digital化 copy自在 限界コストただ
②Network化 時間・空間を超える
Global化 世界最適へ
「補完イノベーション」が不可欠=社会変革難しい(168)
①社内体制 業務改革 組織・人事・運営の改革
vs既得権・守旧派
②社会体制 規範 制度 体制の改革
→秩序を破壊し、社会的混乱も
③日本は成功体験・社会意識から既存秩序維持が優勢
Digital時代の三つの勝ち組(220)
①高いスキル労働者
②資本家
③スーパースター
→負け組は一般労働者
分配は賃金所得から資本所得へシフト
所得分布の変化(263)
「正規分布」 厚い中間層
「べき分布」 格差の拡大 ウイナーテイクスオール
☆翻訳が素晴らしい! 村井章子氏 -
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総じて読みやすく、かつ、有用な本だと感じた。
経済学の観点からプラットフォームを説明していることが、エンジニアとしてプラットフォームの技術面に興味を持っていた私にとって新鮮だった。改めてタイトルを見返すと、たしかにプラットフォームの「経済学」であった。引用が豊富であり、その中には経済学の参考文献も含まれている。
事業提案をするときに、市場は将来こうなり[そう]だから、こういうことをやれば、こういう理由で儲かり[そう]という説明が必要だが、この[そう]の部分の検討材料や説明時の根拠として、経済学の観点が有効かもしれないと思った。
時間の都合でざっとページをめくっただけになった、第3部「クラウドとコア」も勉強になりそうなので、いつか読みたい。
第1部 第5章 まだ人間が必要とされるのは
技術の進歩に伴い、定量的なスキルよりも、高度な社会的スキルがますます重要になる。それら二つのスキルの組み合わせが求められる。
衝動や感情が絡む仕事は、これからも人間がやる方が良い。共感や思いやり、リーダーシップ、チームワーク、コーチングを伴う仕事がこれに該当する。
第2部 第7章 プラットフォームを巡るスマートな戦略
プラットフォームをオープン化し、幅広く多様な供給を募ることが、成功するプラットフォームの特徴の一つ。iPhone のオープン化されたプラットフォームは、多様なアプリケーションを生み出し、千差万別の消費者の好みを満たした。アプリケーションが補完材となり、価格を下げずに本体の需要を増やすことができた。【一般的に産業系では、要求も顧客もこれほどの規模やバリエーションはない。この場合、オープン化に顧客はメリットを感じないし、供給者も集まらない?】
第8章 なぜプラットフォームは栄えるのか
O2Oプラットフォームは、「アフターデジタル」で出てきたOMOとは違う概念のようだ。Upwork はO2Oプラットフォームの一例。試してみたいと思った。
第9章 そのビジネスにチャンスはあるか?
二面市場の特徴として、一方の側で料金を引き下げると、両方の側で需要が増え、双方にメリットがもたらされる。つまり、売り手側のメリットは、高収益化ではない。クレジットカードがこの一例。カードの会費を無料にするどころか、キャッシュバックやマイルでマイナスの値段にされることがある。
差別化要素の有無が、プラットフォームに駆逐されるかどうかのキーである。都市部の移動には差別化要素が乏しいから、既存事業者はUberから大きな影響を受けた。一方、宿泊は差別化要素が極めて大きいため、ホテル業はあまり影響を受けていない。 -
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プラットフォームの日本語訳って”舞台”とか基盤”って意味がり、ビジネスでいうとアメリカのGAFAやUber、Airbnb等、需要者と供給者を結びつけるプラットフォームを構築して莫大な利益を上げています。そんなプラットフォームについて人工知能やロボット、ビットコイン等の科学技術を絡め解説されています。全部で13章の構成となっているのですが、それぞれの章末に”この章のまとめ”と”あなたの会社では?”の項目が有り、一方的な知識のインプットに終わらない様、著者の優しさが感じられます。500頁程と読み応えのある本ですが、その内容の面白さに一気に読めちゃいました!
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現在、話題になっている自動車の自動運転は経済学者が2004年の著書「新しい分業」でコンピューターには無理が仕事を判断したそうである。この例が示すように、コンピューターが予想を超えたペースで人間の能力を超えてきてる状況を筆者は「第ニ機械時代」と呼んでいる。筆者によると現在はその「第二機械時代」のほんの序章に過ぎないとして、その根拠として、指数関数的な高性能化、デジタル化、組合せ型イノベーションの3つの特徴に裏付けられているとしている。その影響は経済的、政治的に計り知れないものであり、企業経営者、政治家を含むリーダーが状況を的確に認識し、政策を実施すべきであり、そのための提言も行っている。より多くの人々が読むべき書であると思う。
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ネタバレ蒸気機関が馬の仕事を奪ったように、コンピュータが人間の仕事を奪うのか?
最近特に興味を持っているテーマなので読んでみました。
同じく興味を持っている人にはおすすめの本です。
本書では、肉体労働が機械に置き換わった産業革命を「ファーストマシンエイジ」、知的労働がコンピュータに置き換わる近い将来を「セカンドマシンエイジ」として、セカンドマシンエイジではどんな世界(経済など)になっているかについて言及しています。
・生活の豊かさは現在のGDPや生産性統計では計れなくなる
・定型的な仕事は肉体労働、知的労働によらず激減
・否定型的な知的労働(アナリストなど)、肉体労働(美容院など)は増加
・勝者総取り市場の増加
・標準分布(一億総中流)からべき分布へ
<個人への提言>
・人間の比較優位性を探せ(発想、認知、コミュニケーション能力)
・教育の見直し。読み書き数学から発想力、パターン認識能力、高度な -
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ネタバレ「テクノロジー失業」
テクノロジーの進化の早さは指数関数的に伸びており、人間が調整可能な範囲を超えているため、人間の雇用を奪っていく。
自動運転、翻訳。
複雑なパターン認識での進化のスピードも加速している。
人間が機械と共存するには、
組織革新と人的資源への投資。
組み合わせによる新規市場・ビジネスモデルの創出、人的資源を育てる教育の革新が求められる。
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分散するのは時間や場所など特定の状況に関する知識である。十分に活用されていない機械を見つけて利用すること、もっとうまく活用できる人材やスキルを発掘して生かすこと、供給が途絶えたときに使える余剰在庫の存在を知っておくことなどは、優れた新技術に関する知識と同じくらい、社会にとって役立つものである。
「組み合わせ爆発」は指数関数的な上回る数少ない数学関数の一つである。このことから、組み合わせによるイノベーションは、創意工夫によって人間が競争にとどまる最高の方法だと言えよう。
生産性の向上に教育は飛び抜けて重要な貢献を果たすにもかかわらず、教育そのものの生産性を計測する系統的な試みはほとんど行われていない。
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[並走から、追い抜きへ]企業が莫大な利益を得る中で、雇用者数の改善が一向に見られない状況に目をつけた著者は、経済と技術の相関に目をつける。そして、雇用者数の改善が見られない理由を、技術のあまりにも急速すぎる発展にあるとし、多くの労働が機械にとって代えられるという事態が既に起こりつつあることに気づく......。ディストピアのような話が現実に生じていることを鋭く指摘した警句の書です。著者は、米国のマサチューセッツ工科大学に務めるエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィー。訳者は、経済関係の著書の翻訳に定評のある村井章子。原題は、「Race against the Machine」。
機械が人間の労働にとって代わる事態が起きているという指摘に、「ホントかよ?」と疑問符つきで読み始めたのですが、読み進めていくうちに「ホントかよ!」と驚かされずにはいられませんでした。実証的なデータを示していますので、極端ながらも説得力のある帰結に読者は真剣にならざるを得なくなるはず。大著ではありませんが、その分研ぎすまされているようで、惹き付けられるものがありました。
その一方で、著者の二人があくまでテクノロジーは良いものであるという立場を崩していない点が印象的。大胆に途方もない現実を突きつけておきながら、その現実を凛々しく越えていこうとする研究者の態度に、知的な強さを感じることもできた作品でした。
〜言い換えれば、多くの労働者がテクノロジーとの競争に負けているのである。〜
将来のことはよくわかりませんが☆5つ -
Posted by ブクログ
産業革命が進展していた頃、機械に職を奪われるという危機感を頂いた労働者が織物機を破壊した事件(ラッダイト運動)については歴史の授業で習ったが、いまやICTが職を代替する時代になっているということを各種分析を根拠に解説している。「平均的な人間の大多数が従事している仕事については機械がこなせるようになるだろう。そしてその人達は新たな職を見つけることはできまい」「この時代は大不況でも大停滞でもない。大再構築である」
一方、機械ができない仕事は、クリエイティブな仕事とプロフェッショナルな仕事。起業家が作り出す新たな付加価値によって新たな雇用が生まれるということであり、そのための教育や制度作りを一層加速するべきという主張。これが米国の学者の書籍であることに驚く。米国に於けるこういう仕組みは最先端と思っていたがその米国でさえ危機感を頂いている。いわんや日本においておや・・・。 -
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「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、
人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。
テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。
1.この本をひと言でまとめると
「機械との競争」に人は負けている。機械を味方につけよ。
2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101)
→ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵のことはわかるからかも。
・ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127)
→働き方について従来の考え方を見直さないといけない。
・著者からの提言(p131)
→基本的には「小さな政府」のような考え方で、納得できる。
3.突っ込みどころ
・「解説」で指摘していたが、著者が具体的な対応策として述べていることが「アメリカでは十分やっているではないか」という指摘はその通りだと思う。
・5章の「人類も世界もデジタルフロンティアでゆたかになると私たちは確信している」はあまりにも楽観すぎないか。楽観の根拠も抽象的。
・看護師を肉体労働者と分類するのはちょっとちがうのでは?
・技術の進化が指数関数的としているが、そこまで急激といえる根拠がわからなかった。
4.自分語り
・本が硬くて読みにくかった。
・極論を言えば、人間にしか出来ない仕事(肉体労働)をするか、新しい仕事を創出するしかない