岡崎勝世のレビュー一覧
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ヨーロッパの歴史観の変化がわかってとても勉強になりました。当たり前ですが世界史は時代によって変わる……。Posted by ブクログ
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古代世界においては、円環的時間が当然視されていた。歴史はその通り繰り返すと信じられていた。
古代では「怪物」が信じられ、アウグスティヌスも「神の国」の中で怪物について論じられている。
中世的普遍史の完成者オットー・フォン・フライシックの祖父こそ、カノッサの屈辱を経験したハンリヒ4世。
アウグスティヌ...続きを読むPosted by ブクログ -
「世界史」史の本。
ヨーロッパで語られた「世界史」は、それぞれの時代でどういう認識で語られたのかを、古代ローマから現代まで眺める。
最近は、古代ローマの凋落以後、ヨーロッパでは文明が崩壊し、インド・中東・中国などの中心に対してヨーロッパは周縁だった、と言われている。キリスト教文化圏が息を吹き返した...続きを読むPosted by ブクログ -
聖書が語る歴史と、教科書的な世界史が矛盾していることについてずっと気になっていた。なにしろ世界的なベストセラーである聖書に記載された歴史なのだから、矛盾をどのようにこれまで理解、解消されてきたのか知りたかった。
結果として解消は諦められたのですね。中国やエジプトが説明のつかないほどとんでもなく古い歴...続きを読むPosted by ブクログ -
高校のとき世界史の最初の授業で、先生が「われわれが今から学ぼうとしているのはヨーロッパから世界をみた歴史だということを念頭においておいて」と言っていた。そのときからずっとぼんやりとではあるがその意識を持って世界史をみていたけれど、この本を読んだときはっきりとそれが理解できた。
昔のヨーロッパの人(と...続きを読むPosted by ブクログ -
「歴史」を相対的に見ること 我々が親しんでいる「歴史」や「世界史」というものは、事実を列記した確固としたものとして存在しているのではなく、そこにはさまざまな時代にさまざまな解釈がなされた、その結果の集大成なのである。本書が扱う歴史は主に西ヨーロッパ人から見た歴史観で、世界最古の「バビロニアの世界図...続きを読むPosted by ブクログ
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著者は現さいたま大学名誉教授。本書は古代ローマ時代に発した聖書を絶対視する史観(「普遍史」)が、伝統的西欧世界がその外部の受容を余儀なくされた中世以降、中国史やエジプト史などの聖書と不整合な史実からチャレンジを受け変容していく過程を詳述したもの。
ホップス、スピノザ、シモンらの文献批判による聖...続きを読むPosted by ブクログ -
著者の岡崎勝世氏は、ドイツ近代思想史を専門とする歴史学者。
本書は、E.H.カーが歴史学の古典『歴史とは何か』で提起する「歴史とは現在と過去との対話である」という考えに基づき、ヨーロッパにおいて、その時代ごとの「現在」がどのように変化し、その結果、「現在」から行われる「過去」への問いかけと解答がどの...続きを読むPosted by ブクログ -
歴史学の歴史。これまでいかほどの変遷を経て、今の「世界史」に至ったのか、興味深く読んだ。
ヨーロッパ中心史観には他地域への蔑視が含まれ、問題があることは容易に分かるが、そこを克服していく世界史の記述がどう行われていくべきか、今後学んでいきたい。
また、個人的にはキリスト教の歴史で、常に最後の審判...続きを読むPosted by ブクログ -
有史以来のヨーロッパにて、時代時代で世界史がどう描かれどう捉えられてきたかが書かれている本。
歴史に疎いせいもあると思うが、宗教(キリスト教)的な思想、オリエンタリズム(西洋中心思想)など、「そうなのか」と思わせる部分が多々あり面白かった。
世界史、つまりは世界という物が時代時代のヨーロッパでどう捉...続きを読むPosted by ブクログ -
キリスト教がどのように世界の歴史を認識してきたのか、という過程について論じた本。聖書の世界の歴史は”普遍史”(Universal history)と訳される。
周知の通り、キリスト教はローマ帝国でその地位を磐石とするまで、帝国や異教徒から迫害を受けてきた。その対抗手段の一つで作られたのが普遍史...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。
では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。
聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。
[ 目次 ]
第1章 普遍史の成立
第2章 中世における普遍史の展開
第3章 普遍史の危機の時代
第4章...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
「世界史」はどのように創られたのか。
キリスト教的歴史観の成立と変遷、国民主義的歴史の誕生など、西欧的世界観・歴史観を根本から考える。
[ 目次 ]
第1章 ヨーロッパ古代の世界史記述―世界史記述の発生(歴史観の世界観的基礎;古代的歴史学・世界史像の特質)
第2章 ヨーロッパ中世のキ...続きを読むPosted by ブクログ -
ヘロドトスの時代から始めて、歴史がどのようにとらえられ、叙述されてきたのかを、当時の世界観や歴史観をもとに述べている。個人的には、日本における戦後歴史学の流れをもっと詳しく知りたかった。『世界史とヨーロッパ』なので書いてないのも当然ですが・・・Posted by ブクログ
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神様が七日で世界、そしてアダムとイブを作った。
そこから始まる聖書の中の「歴史」観がどのように広がり小さくなっていったか。そんな本。
だいたいの流れ
↓
キリスト教の黎明期、キリスト教の正当化のために
聖書より(古い)エジプトやメソポタミアの歴史をこねくり回しながら聖書に入れる
そんな教...続きを読むPosted by ブクログ -
難しい話だが、おぉ〜という部分が多い。キリスト教でがんじがらめにされていた、ヨーロッパの歴史学者たちが、中国の歴史の古さに出会ったときの衝撃と困惑を想像するとおもしろい。Posted by ブクログ
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歴史の事象の変遷をついて書いた本は数多くあれど、世界観・歴史観・歴史学そのものの変遷についてをわかりやすく書いた本はあまりありません。これはまさにそれらをわかりやすく書いてくれた一冊です。これは「歴史の父」と呼ばれたヘロドトスから始まり、『神の国』でお馴染みのアウグスティヌス、近代歴史学の父ランケ、...続きを読むPosted by ブクログ
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天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。Posted by ブクログ
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普遍史から世界史への移り変わりを話題にした本。普遍史ってのは聖書を基準にして歴史を構成する分野。中国やエジプト、カルデアの歴史の長さに次第に圧倒されていくのが寂しい。まあ、それが西洋人一般に大好きな進歩ってやつでしょう。
年号の計算はややこしい。理解不可。まあ、脳みその血の巡りがいい人にはわかるので...続きを読むPosted by ブクログ -
本著は一般的な世界史の解説書ではなく、「歴史学の歴史」ともいうべきもので、ヨーロッパ世界における各時代においてどのような歴史観が支配的であったのかについて時代を追いながら検証していく内容となっています。
我々が「歴史」というものを考える場合、ついつい現在を起点として過去を振り返るという態度に終始して...続きを読むPosted by ブクログ