田向健一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どんな動物でも診察する!
と言って自らの動物病院の看板を掲げた日から
100種類にも及ぶ動物を診察して来た著者のエッセイ。
動物好きの私も楽しく読め、
ペットを飼うという心構えなど
勉強にもなる一冊でした。
巷の動物病院はほとんど犬とネコ以外は診ないというところが多いそうで、
ウサギも珍獣に入るとはびっくり。
カメやウーパールーパやカエル、はては金魚まで手術してしまう。
すべては同じ命。
カエルだって犬だって同じ命。
人間も。
忘れがちな大事な事が書いてあると思いました。
小さな子でも読めるように漢字にはふりがながふってあるし、
親子で読んでもいいのでは。
常に命を大事にしている
著者の情熱が伺える。
一気に読めた。 -
Posted by ブクログ
開業獣医による動物との付き合い方。
著者の動物病院は「犬猫以外も診ます」としているので、様々な病床の様々な動物たちが運ばれてくる。
人間の医者は病床により専門医がいるが、動物病院はすべてをやらなければいけない。珍獣ドクターというだけあって初めての症例も多い。この症例やその都度工夫する治療方法が読んでいて楽しい部分だ。
タマゴが詰まったアメリカドクトカゲ
口内炎のトカゲ
逆さまつげの犬のまつげを抜く
結石のできたカメ。お腹の四角のうち三辺を切り、繋がっている一辺を蓋のように開けると、くっつきやすいんだそうだ!
鰓呼吸生物の手術には、濡らしたスポンジにくぼみを付けてを手術台にして寝かせる
甲羅が割れたカメの甲羅を張り合わせる
水槽の温度計を飲み込んでしまったカエル
初めて診る動物は、麻酔の量もその都度計算する
毒のある大型動物は、頭にタオルを掛けて、踏んづけて治療するという体当たり 笑
そしてペットが長生きするために癌になったり、飼い主が動物には栄養過多な餌を食べさせてしまって病気になるケースなど、ペットの現代病だよなあと思う。
命と向き合う仕事なのでドタバタ騒動だけでもなく葛藤も多い。動物の命は待ったなし。朝大丈夫だったから、と思ったら昼には死んでいるのが動物。ペットの治療や手術は飼い主の判断になる。
年老いた動物を無理やり生き延びさせるのか?
助からないが苦しみを軽くするために手術をするか?
著者の生い立ちを通して、動物好きな人が就く職業のことも語られる。そういえば大学の獣医学部というのは、明治時代に戦争や農業で使われていた馬の病気を診るためにできたもので、戦後は人間が食べたり農業で使ったりするための、家畜管理の仕事のためになったんだそうだ。そっか、獣医とは動物のお医者さんのイメージがあったんだが、元々は人間が利用する動物(ペットではなくて家畜とか)を治したり、動物を食べても安全かを検査するものだったんですね。
そして読者、飼い主に「命を飼うことへの向かい合い方」を呼びかける。
ペットが病気になることもあるが、自分のできる範囲の面倒を見れば良い、ペットのために自分の生活を犠牲にすることまで思いつめなくて良い。
命を飼うのに大切なのは最期まで面倒を見ること、死を見届けること。「死とは怖くも悲しくもない。市に向かっていく動物と向き合うことを恐れる必要はない。命は終わるもので、飼い主によって引き伸ばせるものではないと受け止めること。最後をしっかり見届けること」命には終りがあるからこそ、今を大切にしようという気持ちを持てるのだ。 -
Posted by ブクログ
昔ラジオで作者が出てたのを思い出して借りました。
驚きの連発。答えなき世界を突き進む田向先生は開拓者。2グラム程度アマガエルの開腹手術とか一滴の出血が致命的になる小動物とか、どうやって決断していったんだろうか。
血肉となっている基本を拡張して、それこそ勘と経験で実行していったんだろうね。是非それぞれの症例や対応事例をこのような本に残して、僕らの家族でもあるペットのいのちを1つでも救えるように社会をリードしてもらいたいですね。代謝の悪いトカゲは麻酔で48時間くらい眠り続けるとか
しかし、ペットショップで並んでいる仔犬たちを売っている業者もある程度の悪ではあるけど、並んでいる仔犬たちから買う、という行動を買う側も改めないといけないですね。 -
Posted by ブクログ
エキゾチックアニマルを積極的に治療する獣医師による診療記。
体長2cmのカエルの開腹手術とか金網から離れないアリクイとか、ちょっと奇抜な例を集めすぎじゃない?と思うくらい奇想天外な患者たち。
野生動物を飼育することの是非やステロイドの功罪など、短く素朴な記述の中に考えさせられるトピックが多くある。
不覚にも涙してしまったのは、長年連れ添った伴侶動物を看病しその死を受け止めようとする飼い主の姿。
一方で、かければ確実に治癒に向かうお金や手間をかけることを渋る飼い主や、安易に安楽死を依頼する輩もいる。
実の子にも勝る無二の愛情の対象とも飽きたら捨てることのできる所有物ともなり、また屠殺されることを前提に生まれてくる家畜ともなる動物たち。この本には、この矛盾についてのひとつの見解も提示されている。 -
Posted by ブクログ
日本はペットに対する意識が非常に低いと思う。
犬猫に関してはようやく意識が高まってきたようだが、犬猫以外の生物、ことエキゾチックと分類される生物に対してはペットと言う認識すらされてない様な気がする。
ペットショップには沢山の種類のエキゾチックアニマルが販売されている。
けれど飼育していて病気になったら仕方ないで済ませる現状。
え?病院に連れて行くとか信じられないなど言う人達のいかに多い事か。
エキゾチックアニマルは使い捨てなんですか?
田向さんはそんななか生物を分け隔てする事なく、命を救おうと日々尽力されている。
田向さんの様な医師の存在がもっと増えると同時に、我々飼育する側の意識も高めなければいけないなと思った。
生物を飼育するって事は軽く考えちゃいけない。
と、重々しく書いたけどレンコン食い過ぎた犬には笑ってしまったし、そのレンコンを記念にとっておく飼い主にも笑った。
無事で何より。 -
Posted by ブクログ
表紙はなんだかよくわからない生き物のレントゲン写真。「何これ?」と本を開けてみるとカバー袖には表紙の生き物の正体が。「水温計を飲み込んでしまいました」の吹き出しつき。
以前、たまたまテレビでカメの手術シーンを見て「飼い方がよくわからない生き物を飼うって大変……」と、釘づけになってしまったのだが、本書をパラパラ見るとどうやらそのテレビ番組で紹介されていた獣医さんが書いた本のようだった。
最初は、「へえ、こんなことまでやるの!?」とか「そんな動物飼ってる人いるんだ!?」などと、単純に面白く驚いているだけだったが、読み進めていくうち、動物も人間も医療はまったく同じなのだなあ、と実感した。動物だってガンにもかかるし、代替医療の是非や、ステロイドをめぐる飼い主さんとの攻防などは人間の医療問題のよう。治療をする動物たちには言葉が通じないだけ、人間よりも大変かもしれない(本書によれば、英国獣医師の自殺者数は人の医療従事者と比較して二倍、一般の四倍の水準に達するそうだ)。
獣医師の実態がわかる本であると同時に、動物を飼うということがどういうことであるのか、痛烈に伝える本でもあった。ちょっとカワイイからって軽々しく飼っちゃいけないんだ。環境は整っているのか、命を最期まで引き受けられる覚悟があるのか、そういったことを考えなくてはいけないのだな、当たり前だけど。 -
Posted by ブクログ
ネットの掲示板などで、ペットの病気や怪我の相談をよく見かけるけれど、いわゆるエキゾチックアニマルを飼っている人は、飼う前に獣医師の情報は必ず集めておくべきだと思う。
著者は爬虫類も含む、エキゾチックアニマルを数多く診察している獣医師。様々な症例と共に、著者が遭遇した無責任な飼い主のエピソードも紹介されており、考えさせられる。
といっても、批判がこの本の主眼ではない。
ともすれば重くなりがちなテーマが、わかりやすい文章で綴られており、すらすらと読める。
お金さえだせば大抵の珍獣は飼えて(買えて)しまう、ペット大国・日本だから、動物を飼っている、或いはこれから飼おうと思っている人には読んで欲しい一冊。