田向健一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
開業獣医による動物との付き合い方。
著者の動物病院は「犬猫以外も診ます」としているので、様々な病床の様々な動物たちが運ばれてくる。
人間の医者は病床により専門医がいるが、動物病院はすべてをやらなければいけない。珍獣ドクターというだけあって初めての症例も多い。この症例やその都度工夫する治療方法が読んでいて楽しい部分だ。
タマゴが詰まったアメリカドクトカゲ
口内炎のトカゲ
逆さまつげの犬のまつげを抜く
結石のできたカメ。お腹の四角のうち三辺を切り、繋がっている一辺を蓋のように開けると、くっつきやすいんだそうだ!
鰓呼吸生物の手術には、濡らしたスポンジにくぼみを付けてを手術台にして寝かせ -
Posted by ブクログ
昔ラジオで作者が出てたのを思い出して借りました。
驚きの連発。答えなき世界を突き進む田向先生は開拓者。2グラム程度アマガエルの開腹手術とか一滴の出血が致命的になる小動物とか、どうやって決断していったんだろうか。
血肉となっている基本を拡張して、それこそ勘と経験で実行していったんだろうね。是非それぞれの症例や対応事例をこのような本に残して、僕らの家族でもあるペットのいのちを1つでも救えるように社会をリードしてもらいたいですね。代謝の悪いトカゲは麻酔で48時間くらい眠り続けるとか
しかし、ペットショップで並んでいる仔犬たちを売っている業者もある程度の悪ではあるけど、並んでいる仔犬たちから買う、とい -
Posted by ブクログ
エキゾチックアニマルを積極的に治療する獣医師による診療記。
体長2cmのカエルの開腹手術とか金網から離れないアリクイとか、ちょっと奇抜な例を集めすぎじゃない?と思うくらい奇想天外な患者たち。
野生動物を飼育することの是非やステロイドの功罪など、短く素朴な記述の中に考えさせられるトピックが多くある。
不覚にも涙してしまったのは、長年連れ添った伴侶動物を看病しその死を受け止めようとする飼い主の姿。
一方で、かければ確実に治癒に向かうお金や手間をかけることを渋る飼い主や、安易に安楽死を依頼する輩もいる。
実の子にも勝る無二の愛情の対象とも飽きたら捨てることのできる所有物ともなり、また屠殺されることを -
Posted by ブクログ
日本はペットに対する意識が非常に低いと思う。
犬猫に関してはようやく意識が高まってきたようだが、犬猫以外の生物、ことエキゾチックと分類される生物に対してはペットと言う認識すらされてない様な気がする。
ペットショップには沢山の種類のエキゾチックアニマルが販売されている。
けれど飼育していて病気になったら仕方ないで済ませる現状。
え?病院に連れて行くとか信じられないなど言う人達のいかに多い事か。
エキゾチックアニマルは使い捨てなんですか?
田向さんはそんななか生物を分け隔てする事なく、命を救おうと日々尽力されている。
田向さんの様な医師の存在がもっと増えると同時に、我々飼育する側の意識も高めなけれ -
Posted by ブクログ
表紙はなんだかよくわからない生き物のレントゲン写真。「何これ?」と本を開けてみるとカバー袖には表紙の生き物の正体が。「水温計を飲み込んでしまいました」の吹き出しつき。
以前、たまたまテレビでカメの手術シーンを見て「飼い方がよくわからない生き物を飼うって大変……」と、釘づけになってしまったのだが、本書をパラパラ見るとどうやらそのテレビ番組で紹介されていた獣医さんが書いた本のようだった。
最初は、「へえ、こんなことまでやるの!?」とか「そんな動物飼ってる人いるんだ!?」などと、単純に面白く驚いているだけだったが、読み進めていくうち、動物も人間も医療はまったく同じなのだなあ、と実感した。動物だってガ -
Posted by ブクログ
ネットの掲示板などで、ペットの病気や怪我の相談をよく見かけるけれど、いわゆるエキゾチックアニマルを飼っている人は、飼う前に獣医師の情報は必ず集めておくべきだと思う。
著者は爬虫類も含む、エキゾチックアニマルを数多く診察している獣医師。様々な症例と共に、著者が遭遇した無責任な飼い主のエピソードも紹介されており、考えさせられる。
といっても、批判がこの本の主眼ではない。
ともすれば重くなりがちなテーマが、わかりやすい文章で綴られており、すらすらと読める。
お金さえだせば大抵の珍獣は飼えて(買えて)しまう、ペット大国・日本だから、動物を飼っている、或いはこれから飼おうと思っている人には読んで欲しい一