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Posted by ブクログ
開業獣医による動物との付き合い方。
著者の動物病院は「犬猫以外も診ます」としているので、様々な病床の様々な動物たちが運ばれてくる。
人間の医者は病床により専門医がいるが、動物病院はすべてをやらなければいけない。珍獣ドクターというだけあって初めての症例も多い。この症例やその都度工夫する治療方法が読んでいて楽しい部分だ。
タマゴが詰まったアメリカドクトカゲ
口内炎のトカゲ
逆さまつげの犬のまつげを抜く
結石のできたカメ。お腹の四角のうち三辺を切り、繋がっている一辺を蓋のように開けると、くっつきやすいんだそうだ!
鰓呼吸生物の手術には、濡らしたスポンジにくぼみを付けてを手術台にして寝かせる
甲羅が割れたカメの甲羅を張り合わせる
水槽の温度計を飲み込んでしまったカエル
初めて診る動物は、麻酔の量もその都度計算する
毒のある大型動物は、頭にタオルを掛けて、踏んづけて治療するという体当たり 笑
そしてペットが長生きするために癌になったり、飼い主が動物には栄養過多な餌を食べさせてしまって病気になるケースなど、ペットの現代病だよなあと思う。
命と向き合う仕事なのでドタバタ騒動だけでもなく葛藤も多い。動物の命は待ったなし。朝大丈夫だったから、と思ったら昼には死んでいるのが動物。ペットの治療や手術は飼い主の判断になる。
年老いた動物を無理やり生き延びさせるのか?
助からないが苦しみを軽くするために手術をするか?
著者の生い立ちを通して、動物好きな人が就く職業のことも語られる。そういえば大学の獣医学部というのは、明治時代に戦争や農業で使われていた馬の病気を診るためにできたもので、戦後は人間が食べたり農業で使ったりするための、家畜管理の仕事のためになったんだそうだ。そっか、獣医とは動物のお医者さんのイメージがあったんだが、元々は人間が利用する動物(ペットではなくて家畜とか)を治したり、動物を食べても安全かを検査するものだったんですね。
そして読者、飼い主に「命を飼うことへの向かい合い方」を呼びかける。
ペットが病気になることもあるが、自分のできる範囲の面倒を見れば良い、ペットのために自分の生活を犠牲にすることまで思いつめなくて良い。
命を飼うのに大切なのは最期まで面倒を見ること、死を見届けること。「死とは怖くも悲しくもない。市に向かっていく動物と向き合うことを恐れる必要はない。命は終わるもので、飼い主によって引き伸ばせるものではないと受け止めること。最後をしっかり見届けること」命には終りがあるからこそ、今を大切にしようという気持ちを持てるのだ。
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