何故日本は現代社会における「目に見えない産業」に遅れを取っているのかについて、第二の科学革命、第三の科学革命などの「科学革命」に対して、日本という国と人々がどの様に接してきたのかを、鉄砲伝来の時代から現代にまで紐解く。
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序章 日本型ものつくりの限界
第1章
...続きを読む先端技術を生み出した二つの科学革命
第2章 太平洋戦争もうひとつの敗因
第3章 システム思考が根付かない戦後日本
第4章 しのびよる「ものつくり敗戦」
終章 「匠の呪縛」からの脱却―コトつくりへ
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○前半が小難しい話、後半から一気に盛り上がる
正直なところ、序章から第二章まではこの本を読む上で、著者の考える答えを共有するための“前提条件”を知ることに費やされている。正直なところ、この退屈な前半で辟易として積み本化してしまおうとも感じたものの、その後の四章〜終章は中々面白い。
このため、前半に飽きてしまったら4章から読んでみるのも面白いかもしれないが、知識の前提条件が欠落しているため、結果として1章などは読む必要がある。ただ、「読み解くために知る必要性」を感じているのであれば、読解力も上がるのではないだろうか。
○全体を見て
幾つか気になる部分がある*1ものの、著者の考える「現在の弱み」、「必要な能力」という部分については、私が感じている現実問題と合致している。今一度何を強みにすることで競争力を高めることが出来るのか、それを考えるのに読んでみると面白い一冊かもしれません。