ジョー・キャラハンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
直観派の刑事と最新のAIがバディを組むという近未来警察ミステリ。
近未来と書いたが数年先の未来ではない。もう今でも最先端テクノロジを惜しげもなく使えば可能なのではないかと思われるような直近の近未来だ。すぐそこにある未来だからこそイメージしやすく、自分の職場でこういうAIがバディだったら仕事も楽だし効率上がるだろうな。いや、待てよ、これだとマネージャーは部下が不要になるんじゃね?とかいう具合に想像できる。少なくとも近々ホワイトカラーはAIに職を奪われる未来が来るだろう。本作を読んでいると「AIすげ~!有能すぎ!」と思うが最大の魅力はそこではない。最先端でありながら英国警察ミステリの伝統を踏襲した普遍の面白さがある。最近読んだ「ストーンサークルの殺人」と似た部分が多いが、頑固で直感で動くベテラン刑事と天才だが社会性に欠けるパートナーが喧嘩やユニークな掛け合いをしながら徐々にお互いを理解し尊重していく流れ。そして事件の謎を解くために地道な捜査による証拠を積み上げていく過程。これらは英国警察ミステリの定番といってよく、だからこそ読んでいて心地いい。英国推理作家協会(CWA)賞受賞も当然だろう。
この凸凹コンビもシリーズ化しているようだが、現在の生成AIの進歩は凄まじいためAI捜査官ロックの進化にキャットがどう対応していくのか楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
AIと人間の捜査官コンビと言うと合理的で正しい判断を下すAIと人間臭くてまっすぐで、そのくせ人間という生き物の闇や光を見られるコンビが浮かぶ。コンビというのは正反対の性格、さらに言えば衝突し合いながらもそれぞれの欠点を補い合う事に魅力がある。
本作の魅力がまさにそれで、冷徹で合理的、いつでも冷静さを失わないAI捜査官が魅力的に描かれている。クライマックスの捻りも見事だが、ミステリとしての衝撃度は薄く、大きな驚きには至らない。AIの捜査は面白いが現存する類似作品の発想から脱却できておらず飾り付け程度に収まっている。それでもこのコンビが次にどんな事件に挑むのかを考えるとワクワクする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小島秀夫監督が帯を書いていたので、絶対に読もうと思って手に取った一冊。
AIと警察が協力して事件を解決していく話で、最初は『Detroit: Become Human』みたいな内容かと思っていたが、しっかりとした警察ミステリーだった。
新人作家さんとは思えないほどストーリーがしっかりしており、伏線回収も丁寧。AI「ロック」と主人公の絆が築かれていく王道展開でありながら、ミステリーとしてもしっかり楽しめた。よくできた作品だと思う。
ただ、どうしても主人公が好きになれず。。
傲慢で自信過剰、組織内の協力に否定的で権力争い……という、警察小説でありがちなキャラクター像が今回も出てきてしまい、苦手意識が再燃。
女性主人公を意識しているからか、感情的な面も多く、もしこんな女性上司がいたら嫌だな……と思ってしまった。
もう少し魅力的な主人公だったら続編も読んでみたかっただけに、少し残念。