NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班のレビュー一覧
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205ページ
1300円
5月11日〜5月12日
無農薬でリンゴを作るのは不可能と思われていた。その不可能に挑戦した男、木村さんの半生を描く。完全無農薬に挑戦し、虫をとり、酢をかけ、考えうることをすべてやってみたが、リンゴは花を咲かせず、半分の木が枯れた。収入がなくなり、家族にも苦労をかけ、木村は
...続きを読む首をくくろうと山を登る。山の上でどんぐりが元気に育っている様子を見て、そこからリンゴの根っこ、土に目をむける。9年ぶりにたくさんのリンゴの花が咲いて喜ぶ。『リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。』
木村さんの人柄にひかれた。大きな笑い声と木村さんがいるとその場が明るくなるということが、読んでいるだけでも伝わってきた。トラクタ一の本をとろうとして、一緒に落ちてきた無農薬の本。死のうと思って入った山の中で出会ったどんぐりの木。宇宙人の話。本当に楽しい木村さんでも、手探りの9年間は本当に苦しく辛かっただろう。木村さんのリンゴを食べてみたい。自分がここで諦めるということは、人類が無農薬のリンゴを育てることを諦めることだという言葉が印象的だった。
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農業の素人である私は、農薬の危険性があるなら農薬を使わなければ良いのに、と無責任に考える。
しかし、本書を読んでみて、その考えは浅はかなものだと理解した。
木村さんの無農薬リンゴの取組みは、本当に壮絶なものだったと思う。
自分が、同じ体験をしようなんて考えもつかない。
死を覚悟するところまで向きあ
...続きを読むい、奇跡のような出来事を起こした木村さん、そして支えたご家族に心からの敬意を示したい。
本来、自然はそのものが完璧なものであることにも、本書で気付かされる。人も本当は自然の一部にすぎないのに、自然を支配しようとし続けてきたわけだ。そして、その違和感に何も疑問すら感じることがなくなってもいる。
本著に『リンゴの木は、リンゴの木だけで生きてるわけではない。まわりの自然の中で生かさえている生き物なわけだ。人間もそうなんだよ。』という木村さんの言葉がある。
木村さんの奇跡のリンゴは、単に無農薬でリンゴを栽培しただけの話ではなく、人類にとって大切なことを思い出させることに繋がっていると言っても過言ではないと思う。そんな大切なことを教えてくれる一冊でもありました。
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新幹線の中で読んでいたら涙がとまらなくなり本を閉じてしまいました。10年ほど前に阿部サダヲさん主演の映画を観た時期にテレビのインタビュー番組で木村さんをみました。木村さんのリンゴを食べたいという気持ちより木村さんに逢いたいと思いました。想像を絶する苦難に立ち向かう姿に心をうたれます。頑固で一本槍なと
...続きを読むころもありますが純朴で愛にあふれた人だと感じます。是非ともたくさんの人に読んでもらいたい1冊です。
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来年度から新規就農を考えている。
農業を本気で行うことの大変さが、
木村さんの心情を交えて、辛辣に伝わってくる。
著者の執筆も読みやすく、心に刺さる一冊。
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農業という人工的な活動と自然な状態とのバランスの難しさについて考えさせられた。
言われれば当然かもしれないけど、今自分が口にしているほぼすべての農産物は人間が品種改良してきたものであり、それは害虫に弱いなどのデメリットを農薬で克服することを前提として甘くしていたり大きくしていたり収量を高めていたりし
...続きを読むている。作物を農薬なしでは生きられなくしてしまっているという点で人工的だ。それが世界の食糧生産の効率を高めて飢餓の回避に貢献していると考えると農薬を安易に否定することはできないが、作物が人間の収穫ターゲットであると同時に微生物や虫とか鳥や動物とか他の植物とかいろんな生き物が構成する生態系の一部でもあるので、その連鎖を歪めるような人工的な活動はサステナブルではないとも思われる。
そのことに、とてつもない苦労の末に実体験を通して気づいた木村さん。絶妙な加減で手を加えることは最小限に抑え、畑の生態系が自然に生きる力を高めることに取り組まれた様子にいろいろ考えさせられた。
りんごや農作物に限らず、人間にも同じことが起きているのではないか。
食べて遊んで人と関わって何かを作って寝て成長する、みたいなサイクルが自然だとすれば、食べることも遊ぶことも買ってこないとできないし、作ることは分業、人と関わることも気乗りしない仕事関係に偏りがち、睡眠は不規則で不足気味、では健全な成長は難しいよなと思う。原始の生き方に戻ればいいということではなく、無理のない自律して自立した生活を送っていきたいなと思った。どこから改善するか道は長いけど、自炊を心がけたり自分で価値が生めるよう仕事を切り替えたりひとつひとつ地に足つけて取り組みたい。
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“人生を懸けて夢中になれる何か”に出逢えたとき、それは自分が生きる意味を知ることができた瞬間なのかな、と感じました。
木村秋則さんの「人間は自然から離れて生きていくことはできない。だって人間そのものが、自然の産物なんだから。」という言葉が心に残っています。
人間は、目先の利益のために環境を破壊してき
...続きを読むました。
人間に出来ることなんてたいしたことではないし立派な生き物でもないのに、自然に生かされていることや、自然から恵みを分けてもらっていることを忘れてしまう。
文明が進歩することよりも大切なことを教えてくれる一冊です。
木村秋則さんの伝えたいことをもっともっと深く知りたくなります。
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信念を持って、信じたことに向き合い続けると突破のための支援者や糸口が必ず見つかる。
小さなヒントはどこにでもあるし、それに気づけるかは自分が考え抜いているかいなか。なりふり構わずやること、頭では理解できるけど、自分が家族に貧乏させてでもできるか?できないと感じた。良い悪いではなく自分の生き方を問われ
...続きを読むる一冊であり。人間の尊さと小ささ、自然の偉大さ不思議を感じる。
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「沈黙の春」を読んでからだったので、まさに実践版だなと感じた。
私はワインの仕事をしてたこともあり、マダムルロワを考えながら読んでいたが、最後に葡萄とテロワール関わるワイン作りの話が出てきて嬉しくなった〜。
勤勉家の彼は、恐らくこういった色々な書物も読みあさり、無農薬のりんご作りが完成したのではなか
...続きを読むろうか。
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「努力して作り上げました!」みたいに成功が軸として進んでいくどんどん楽しくなっていく系だと思っていたが、感動系の話でした。
失敗が多く、大変だった頃からの超大逆転劇。
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オーディオブックにて。
心に刺さるお話。木村さんの不屈の精神と自然の凄さを思い知りました。自然の姿の農園を作ってみたいな。
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リンゴの無農薬栽培にかける1人の農家のお話しですが、序盤の凄まじい失敗と絶望感に読者も病んでしまいそうでした。
実際にやけになっても良い事は無く、原点に帰り、自然を解り、何を求められているのか、本質を追及してみないと達成出来ないものだと教えられました。それはお話の中だけじゃなく人として生きて行く上で
...続きを読む諦めない、何度折れても立ち上がる事で見えるものなんだと痛感しました。しかも、この主人公の良いところは、あれほど苦労して手に入れたものをなんの見返りもなく他者に教え導いてあげていること。なんとなく宮沢賢治を彷彿とさせます。人とはどうあるべきかを知れた一冊です。
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りんごの無農薬栽培というテーマを通して木村秋則さんという方の考えや生き様に人間の本質を見た気がする。
テーマ自体は自分にとって無縁のようであるが1つのことに熱中すること、自然の摂理に逆らわずに生きるということは自分にとって学ぶべき姿であった。
人間は文明の発展によって様々な恩恵を受けてはいるもののそ
...続きを読むれに依存して考えることを放棄し目先の利益に飛びついているのかもしれない。
彼は夢の達成のためにたくさんの苦労をしてきたが、それによって周りへの感謝の気持ちを持てたと書かれている。遠回りしてきたぶん人間としての深みが出ているのではないだろうか。
無謀なことに挑戦する勇気を与えてくれる1冊。
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・自然から切り離すからリンゴが病気になる。
・人間も自然の一部。
アトピーの私に刺さる言葉でした。
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こんなふうに働きたい。こんな想いをもって仕事に向き合いたい。素直にそう思える。
テレビでみた十美さんについて、もっと深いところが見えた気がする。かっこよすぎる。
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私が レストラン山崎 を知ったのは、
原田マハさんのエッセイ フーテンのマハ を読んだときであった。
マハさんの文章は奇跡のリンゴなるものの冷製スープをぜひ飲みたい、とそれはそれは強く思わせた。
そしてこのたび、弘前旅行を決断し、レストラン山崎の予約が取れた。
せっかくなので、関連書籍を読もうと思
...続きを読むい、手に取ったのがこの本であった。
旅行当日までなかなか時間が取れず行きの飛行機で読んだ。
日本の、そして青森のリンゴの歴史
リンゴと農薬の切っても切れぬ関係
そんじょそこらの野菜や果物の無農薬とはわけが違う無農薬りんごの難易度
そして、木村さんの壮絶な無農薬りんごへの挑戦の日々
あやうくな〜んにも知らずに、奇跡のリンゴを食べるとこでした。
読んで良かった!!
花が咲いたくだりで飛行機の中に関わらず号泣。
東北地方は晴天で窓から見える雪をかぶった八甲田山や着陸直前に見え始めた岩木山が、
もうこれでもか!と私の旅行気分をもり立ててくれた。
念願のレストラン山崎へ。
時期じゃないから、奇跡のリンゴと友達りんご?のフルコース。
そもそも、りんごだとかなんだとかの前に、すごーく好みの味のフレンチでした。
そして、りんごの冷製スープ。
スープなのに、こんなにりんごの味と香りが、ちゃんと食事の味に馴染みながらも、感じられる、見事なお味でした。
他のお料理も はーい!奇跡のリンゴつこーてますよ!!どお?どお??! みたいな感じではなく、
しっとりりんごが寄り添ってる感じで、高感度高い。
久しぶりにあ〜、また来たい。これは。と思わせられた美味しいお料理でした。
お会計のとき、店の入口に フーテンのマハ と この本が並べてあった。
もう、私は、まんまとしてやられたわけです笑
兎にも角にも、せっかくの旅行、予備知識を蓄えていくなら、必読の一冊です。
文章も説明臭くなく、読みやすいです。
さて、岩木山を眺めながら、木村さんに思いを馳せることとしようかな。
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この本を読んでいると、無性にりんごを丸齧りしたくなる。
本書では、木村さんのりんごとの向き合い方を通して、人間と自然との関係を改めて考えさせてくれた。りんごも人間も、科学に頼り切りになってしまえば、己の力は衰えて行くことがわかった。りんごも人間も、苦労してこそ強く、味わい深くなるのだろう。
無農
...続きを読む薬のりんごを入手するのは今の私には難しい。りんごの丸齧りの夢は未来に託した。代わりに今は美味しいアップルパイを食べよう。
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すべての生態系でのビミョウなバランスで自然は成り立っている。そんな全体像を人間が把握しきれるわけないよな。
そう考えると、データ、人工知能などというけれど、本当にすべてを掴み切れるのか?農薬で成り立つリンゴ栽培の世界を考えているだけはないのかと思う。
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農薬や肥料を使わないでリンゴを育てる。そんな奇跡にチャレンジした木村秋則さんの話。それは決して平易な道のりではなく、リンゴは枯れ、収入は無くなり、木村さんは命を絶とうというところまで追い込まれる。まさにその時に目にした野生のドングリ。そこから逆転していく。苦労をともにした奥さん、子供さん、どんなに喜
...続きを読むばれたでしょうか。
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正直見くびっていた。
才能ある農家が無農薬でのリンゴ栽培を果たした話でしか無いと。
でも、木村さんは徹底的に調べ研究し、自らの力で奇跡のリンゴを育て上げた。学者のようでありながら、百姓を地で行くような方だった。
無農薬を始めてからの長い年月、家族を困窮させるほどの失敗続きに、死まで考えるほどの絶
...続きを読む望は読んでいても辛かったし、9年越しに花を咲かせたリンゴの木々の美しさは想像するだけで目が潤んだ。
ふと思ったこと。リンゴの葉に自分の歯をあげたというほど歯を無くされていたようだけど、肝心のリンゴはどのようにして食べていたのだろう…
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肥料不足がニュースになっている昨今、「農薬も肥料も使わないリンゴ」を作った農家、木村秋則さんの記録です。非常に読みやすく、2~3時間で読み終われるボリューム感ですが、考えさせられますね…。
まず、今我々が食べているリンゴは品種改良を重ねたもので、昔のリンゴとは別物だということ。その結果野生の力を失
...続きを読むい、農薬に頼らないと実をつけられない弱い植物になってしまった…ということが説明されます。
その上で木村さんが無農薬に挑み、失敗を積み重ねていく…。正直、かなり闇雲なチャレンジにも思えたのですが、最後には正解を引き当て、今では色々な人から教えを乞われる存在になっています。
本著を読んで感じたのは「信念」です。
木村さんが一家で困窮してるのに、近所からもウザがられてるのに諦めず、リンゴについた虫を手で取りながら無農薬をやり続ける…。しまいには自殺しようと思って山の中へ行き、そこでソリューションに出会う。
ノンフィクション作家の手にかかった文章とは言え、まるで「死と復活」じゃないですか…。
世が世なら木村さんは教祖になってると思いますし、ネットで検索すると既にちょっとそんな雰囲気も感じるんですが、凄いものだと思います。
しかしこの手法、本著に書いてある事が全て本当なら、もっと広まっても良いように思います。
例えば「通常医療」と「代替医療」の対比よりも、「通常農法」「木村さんの農法」の方がローリスク・ハイリターンに思えてしまいます。
手間がかかるのか、単に知られていないのか、後者だったら勿体ないなぁと思う次第です。
そろそろリンゴの旬。1回くらい木村さんのリンゴを味わってみたいものです。
Posted by ブクログ