NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私が レストラン山崎 を知ったのは、
原田マハさんのエッセイ フーテンのマハ を読んだときであった。
マハさんの文章は奇跡のリンゴなるものの冷製スープをぜひ飲みたい、とそれはそれは強く思わせた。
そしてこのたび、弘前旅行を決断し、レストラン山崎の予約が取れた。
せっかくなので、関連書籍を読もうと思い、手に取ったのがこの本であった。
旅行当日までなかなか時間が取れず行きの飛行機で読んだ。
日本の、そして青森のリンゴの歴史
リンゴと農薬の切っても切れぬ関係
そんじょそこらの野菜や果物の無農薬とはわけが違う無農薬りんごの難易度
そして、木村さんの壮絶な無農薬りんごへの挑戦の日々
あやうくな〜んにも知らずに、奇跡のリンゴを食べるとこでした。
読んで良かった!!
花が咲いたくだりで飛行機の中に関わらず号泣。
東北地方は晴天で窓から見える雪をかぶった八甲田山や着陸直前に見え始めた岩木山が、
もうこれでもか!と私の旅行気分をもり立ててくれた。
念願のレストラン山崎へ。
時期じゃないから、奇跡のリンゴと友達りんご?のフルコース。
そもそも、りんごだとかなんだとかの前に、すごーく好みの味のフレンチでした。
そして、りんごの冷製スープ。
スープなのに、こんなにりんごの味と香りが、ちゃんと食事の味に馴染みながらも、感じられる、見事なお味でした。
他のお料理も はーい!奇跡のリンゴつこーてますよ!!どお?どお??! みたいな感じではなく、
しっとりりんごが寄り添ってる感じで、高感度高い。
久しぶりにあ〜、また来たい。これは。と思わせられた美味しいお料理でした。
お会計のとき、店の入口に フーテンのマハ と この本が並べてあった。
もう、私は、まんまとしてやられたわけです笑
兎にも角にも、せっかくの旅行、予備知識を蓄えていくなら、必読の一冊です。
文章も説明臭くなく、読みやすいです。
さて、岩木山を眺めながら、木村さんに思いを馳せることとしようかな。 -
Posted by ブクログ
肥料不足がニュースになっている昨今、「農薬も肥料も使わないリンゴ」を作った農家、木村秋則さんの記録です。非常に読みやすく、2~3時間で読み終われるボリューム感ですが、考えさせられますね…。
まず、今我々が食べているリンゴは品種改良を重ねたもので、昔のリンゴとは別物だということ。その結果野生の力を失い、農薬に頼らないと実をつけられない弱い植物になってしまった…ということが説明されます。
その上で木村さんが無農薬に挑み、失敗を積み重ねていく…。正直、かなり闇雲なチャレンジにも思えたのですが、最後には正解を引き当て、今では色々な人から教えを乞われる存在になっています。
本著を読んで感じたのは「信念」です。
木村さんが一家で困窮してるのに、近所からもウザがられてるのに諦めず、リンゴについた虫を手で取りながら無農薬をやり続ける…。しまいには自殺しようと思って山の中へ行き、そこでソリューションに出会う。
ノンフィクション作家の手にかかった文章とは言え、まるで「死と復活」じゃないですか…。
世が世なら木村さんは教祖になってると思いますし、ネットで検索すると既にちょっとそんな雰囲気も感じるんですが、凄いものだと思います。
しかしこの手法、本著に書いてある事が全て本当なら、もっと広まっても良いように思います。
例えば「通常医療」と「代替医療」の対比よりも、「通常農法」「木村さんの農法」の方がローリスク・ハイリターンに思えてしまいます。
手間がかかるのか、単に知られていないのか、後者だったら勿体ないなぁと思う次第です。
そろそろリンゴの旬。1回くらい木村さんのリンゴを味わってみたいものです。 -
Posted by ブクログ
本書は、2006年12月にNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放送した、青森県のりんご農家・木村秋則氏による無農薬のリンゴ作りへの挑戦を描いた回の反響があまりに大きかったことを受けて、その後、ノンフィクション・ライターの石川拓治(1961年~)氏が、1年半に亘る追加取材を行い、それをまとめて書籍化したものである。2008年に出版、2011年に文庫化され、累計40万部を超えるベストセラーとなった。また、2013年に映画化され(出演:阿部サダヲ、菅野美穂)、フィレンツェ映画祭で、同映画祭唯一の賞である観客賞を受賞した。
私はノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。
本書は、1970年代後半、当時絶対に不可能と言われた無農薬によるリンゴ栽培に挑戦してから、20余年後、半年先まで予約が一杯という東京・白金台のフレンチレストランの看板メニュー(りんごのスープ)の材料を納め、国内外各地で無農薬農業の指導を行うに至った、木村氏の壮絶な闘いの記録である。
今でこそ、環境問題、健康問題、サステナブル社会の実現などの様々な文脈で無農薬農業が志向され、社会的にもそれが共有されているが、振り返ってみると、レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で、世界で初めて農薬等の化学物質の危険性を広く知らしめたのが1962年、また、ローマクラブが『成長の限界』で、資源と地球の有限性について警鐘を鳴らしたのが1972年であり、木村氏が1970年代後半に無農薬栽培を目指したことの無謀さ(良く言えば、先見性となるが)が想像できる。
そして、本書に綴られた、木村氏の執念・頑固さと、家族の理解と支援は、他の人・家族では到底考えられないもので、それらが不可能を可能にしたのは間違いなく、本書の読みどころと言えるだろう。(私は偶々、木村氏の住む旧岩木町出身の知人がいるが、本書にも書かれているように、木村氏の畑で害虫が大量発生することを迷惑がる隣人・同業者は非常に多かったらしい)
しかし、私として最も重要と考えるのは、どんな複雑な現象でも単純な要素に還元(分解)すれば理解できるとする、近代科学における「要素還元主義」的なアプローチの限界を、木村氏が事実として示していることである。いわゆる複雑系と言われる生態系や気象現象は、あらゆる要素のバランスの上に成り立ち、ある現象として表面化しているのであり、我々はそのことを漸く理解するようになったが、こうした発想は今後様々な分野で重要となって来るであろう。
木村氏が不可能に挑んだドキュメンタリーとしても、我々がサステナブルな社会を目指す上で重要な示唆としても読める一冊である。
(2022年7月了) -
Posted by ブクログ
北海道置戸町にすごい栄養士さんがいる、というのは何かのときに聞いたことがありました。
本当にすごい人です。
栄養士になるきっかけは、前職場で手に職をつけて働く人たちを見て、自分も!と思ったというあいまいなものだったけれど、給食にかける情熱は半端じゃない!
限られた予算の中、どうやって子どもたちに安心、安全で美味しいものを届けるか、という1本の芯がしっかり通って、ブレがない。妥協を許さない。
そこで働く調理師さん、先生、材料の仕入れ先、農家さん、色んな方々の協力を得て、こんなに素晴らしい給食ができるのだと、感動すら覚えました。
最後の方に、子どもたちに大好評の19種類のスパイスが入った全て手作りのルーで作られている辛いカレーの作り方が載っていて、そんなに辛いのに子どもたちに好評なら食べてみたいと思ったけれど、作るのは…本当に大変そう。
そんな私みたいな人の為に、ルーが販売されているそう。
とみさんの給食を食べる子どもたちは幸せだろうな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北海道の置戸町で、私の理想の範ちゅうを軽々と超える給食を作ってきた管理栄養士の佐々木十美さんの仕事ぶりや信念、給食そのものについての話。
出来るだけ加工してない(結果的にそれが一番安全で安い)地元でとれた食材を使って、安く、美味しく作る。
理想すぎる。
買うものと思い込んでいるようなものもしっかり作ってしまう。
カレールーとか、トマトピューレとか。
子供が生まれた時は安心して食べてもいいものがなさ過ぎて、神経質になり、自分も含めて食べるものが限定され過ぎ、
今は、それじゃいけないとおもって、加工品(チーズやハムや、お菓子や色々)も食べさせるようになって、そのうち楽チンに流れて気にならなくなり始めて、、と振れ幅が大きい自分のはしたなさヽ(´o`;
やりたい気持ちはあるのに、どうして上手く回せないのかなあ、、。
生活の中で、食べる事以外にパワーと時間を割いてしまうと途端に楽に流れられる仕組み(外食、コンビニ、お惣菜、デリバリー、、)があるから、優先順位、時々間違っちゃうなー。
あと、食べたい、やりたいって気持ちをキープできる程の健康が保てない…。
疲れ切ってしまったり、、。
自分は食べられないけど、家族の分だけ、とかになるともう義務的になってしまう。自分が美味しいものを食べたい気持ちをキープできるためのコンディション作りがうまくいってない気もする。
ニワトリ卵かな?
仕事という側面でも、仕事をキチンとするってこういう事をいうんだなーと。
目的にむかって(安心、安全で美味しいものを食べてもらいたい)自然に周りを巻き込む。
誰にも必ず一致する目標になりうるものをグッと捉えてピントを合わせに行く力。
かっこいい!
そしてこの方も、人との関わりが深まるに連れて仕事がどんどん洗練されてきた人だと思う。
人との関わりが仕事を生みだしていく。
本当にどんどんこの言葉が腹落ちしてくる今日この頃。 -
Posted by ブクログ
新たなジャンルのノンフィクションだか、感動した。無農薬栽培の9年目にしてリンゴの花が満開になった時の木村の行動に思わず涙が出そうにぬる。
危険から守り給えと祈るのではなく、危険と勇敢に立ち向かえますように。
痛みが鎮まることを乞うのではなく、痛みに打ち克つ心を乞えますように。
人生という戦場で味方をさがすのではなく、自分自身の力を見いだせますように。
不安と恐れの下で救済を切望するのではなく、自由を勝ち取るために耐える心を願えますように。
成功のなかにのみあなたの恵みを感じるような卑怯者ではなく、失意のときにこそ、あなたの御手に握られていることに気づけますように。
(ラビンドラナート・タゴール「果物採集」より)
木村さんが自殺を考えたと言う人からの電話にこう答えた。とにかく思い直して良かったねえと言ったかな。それから、バカになればいいんだよと言いました。バカになるって、やってみればわかると思うけど、そんなに簡単なことではないんだよ。だけどさ、死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい。同じことを考えた先輩として、ひとつだけわかったことがある。
ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ、とな。ひとつのものに狂えば、いつか答えに巡り合う。