鈴木伸元のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ排他的で偏見に満ちた思想、鬱屈した社会のストレスの捌け口、日本人の心の余裕のなさを感じた。
アメリカでは高校で銃乱射事件をおこした犯人の母親の元に電話やダンボール2箱分の手紙が届き、その内容はどれも加害者遺族を激励するものだったそうである。
日本も見習うべき、とまでは言わないが、国民性でここまで違うと言うのは非常に興味深い。
殺人事件で旦那が逮捕され、小学校低学年の息子を守るため、転校を繰り返させなければならない妻。友達にさよならを言わせることすらできない。
最後に学校を見たいと言った息子を真夜中の小学校の校庭で遊ばせる描写に心が痛んだ。
また、家族間で殺人が起こった場合には加害者、被害者両方の家族になってしまうという。夫が借金を苦に自殺を図ったが、失敗して植物状態となった。維持するには一日に30万円かかる。絶望する妻に夫の母は何も心配しなくていいと言い、そして、実の息子を殺害した。本書で主に挙げられている凶悪犯罪とは違う重苦しさがあった。
ただ、もうひとつ思うのだが、本書で挙げられた加害者家族はどれもひどく反省して、世の中からの批判を当然のものとして、自分を責める、という家族ばかりだったが、開き直って反省しい、逆ギレするような人間もいるのではないだろうか? -
Posted by ブクログ
性犯罪とは性欲から生まれるものばかりでない。
異性に対する支配欲や自己顕示欲、また社会的ストレスを多く抱える人ほど性暴行に及ぶのだ。
特に興味を惹かれたのは、性犯罪を犯した者は皆、自分の犯した罪に対して「なんであんなことしてしまったんだろう」と後悔の気持ちを抱えていること。
ストレス社会に疲れ切っているオモテの自我と、その腹癒せとして計画的に性犯罪をこなしていくウラの自我。ストレスや支配欲が強い程、ウラの自我はあっという間にレベルアップしていき、オモテの自我ではコントロールしきれない存在になっていた。
彼らは逮捕されてやっと気づくのだ。
さらに凄いなと感じたのは、逮捕された後刑務所で過ごす内に、性犯罪者達はかなり緻密に自己分析ができるようになっているケースが多いことだ。その点に関して、性犯罪者に一つの憧憬を覚えた。自分はこういう人間だと、自己分析をしっかりとできる人が、この世界にどれほどいるだろうか。
著書では主に性犯罪者の心理について語られている。被害者についても少しは触れているが、あくまで立っているポジションは性犯罪者側である。よって我々一般人には少々理解できない感情や精神状態も表現されており、個人的にはそれがまた面白かった。
最後に一つ言うならば、海外の性犯罪事情も詳しく知りたい。著書にはそれに関することは述べられていない。日本と海外では性認識にどれほどの差異があるのか、性犯罪に至るまでの経緯など、興味深いことだらけである。 -
Posted by ブクログ
性犯罪以外の犯罪もかもしれないけれど、軽い内に矯正することが本人の為になると思う
軽い犯罪の時から顔も名前も出して、薬物治療やって病気を治療してあげて、GPSで性犯罪者の居場所を公にして次の犯罪を出来ない状態にするのは良いことだと思うんだけど。
この犯罪者達の計画性を見ると、商売とか政治とかに使っていたら社会的にも成功しそうに思える。
性犯罪者が計画的なのは非常によくあること
A犯罪者は勉強もスポーツもできて就職先でうまくいかなくて死ぬならなんでもやってやるってなって、性犯罪を始めた。自身の結婚式の数日前にも性犯罪をしていた。
就職先でも先輩にでもなく、性犯罪を選ぶあたり元々の脳の問題とか、コンビニとか電車とか日常生活の中にアダルト商品?が氾濫していることは問題なのかも。 -
Posted by ブクログ
前半の半分近くが加害者家族が苦悩した事例で、目新しい情報が少ないのが残念に感じたが、主に後半は海外との国民性の違いや加害者支援の仕組みについて解説されており、参考になった。犯罪率が高いアメリカなどの方が、加害者家族に対して励ましの手紙が送られてきたり、マスコミに対して顔出しで自らの意見をはっきり述べたりするというのは面白い指摘だと思った。
ある日突然自分が加害者家族になるというのは、交通事故のように誰に起きてもおかしくない。ワールドオープンハートのような団体の存在や活動を知っておくことは、加害者支援だけでなく自分が社会で孤立しないための自衛策にもなると思う。 -
Posted by ブクログ
P21)口を閉ざす加害者家族「被害者を思うと、加害者側の人間は苦しいとか悲しいとか、そんかことを訴える立場では無い」
P41)夫が殺人事件を起こし、パパラッチたちに自宅を包囲され、夜中に自宅に帰ると落書きされていることを知り愕然。
学校を転校することになり、息子がお別れをしに校庭へ行った時、無邪気に遊ぶ彼を見た母親の心境。「事件に直接関係のない子供に、なんでこんな(辛い)思いをさせなければならないのか。」
P46)夫の件を友人に相談したことで、友人は主人と仲が悪くなり離婚、本人もうつ病になってしまった。
「誰かに相談することにより、その人をかえって追い込むことになる。」
P67)加害者の家族は、本人以上に苦しむことがあるのだと
加害者にも家族がいる。本人が犯した犯罪なのに家族も同じかそれ以上に世間から責められるのは非常に心苦しい。
今ではインターネットも普及しており、何か事件が起こるとすぐネットに晒され、実名や写真が出回り個人情報が特定されてしまう。
犯罪者に人権がないかとばかりな、あまりになにもかも筒抜けな現状。
中でも、夫が殺人事件を犯したことにより家に帰れなくなり、息子を2度も転校させる結末になった家族の話には胸が痛くなった。
妻も子供も何悪くないのに、家族だというだけで責めされてしまう。
逮捕され刑務所の中にいる夫は彼女らの逃げるような生活を知らず、「ムショから出たら家族みんなで暮らしたい!」と呑気な発言。私たちがどんな苦しい思いをしているか、、何も知らない呑気な人間。 と、妻の怒りはおさまらない。
今も昔も殺人事件などの犯罪は無くならないが、もし自分が犯罪を犯してしまった、残された家族がどんな虐げを受けるか思いめぐらす想像力を持ちたい。 -
Posted by ブクログ
先日読んだ釈放前教育でも触れられており、前から気になっていたこともあって読みました。
犯罪が生み出すのは、被害者と被害者家族、そして加害者家族もまた然り。
身内の犯罪のせいで失職や転居を余儀なくされ、昨今はSNSでの特定や拡散ももはや当たり前となって誹謗中傷の悪意に晒される。自殺してしまう人も多い。
「連続幼女誘拐殺人事件」「神戸連続児童殺傷事件」「和歌山毒物カレー事件」等々、本書ではこれまで実際に日本で起きた事件の、犯人逮捕後に加害者家族が突き落とされていった底なしの悲劇がたくさん紹介されている。
加害者が絶対悪いことは分かっている上で、加害者家族もこれほどの罰を受け迫害されなくてはならないのだろうか?と考えると言葉に詰まる。
音を立てて崩壊していくようなその後の凄惨な生活を知るにつけ、加害者家族を社会でどのように扱っていくべきなのか、というのは本当にすごく難しい問題だと改めて感じさせられた。
今後私たちが被害者/被害者家族になってしまう可能性があるとして、加害者/加害者家族になってしまう可能性もまた同じようにあるのだと思うと怖くなった。
加害者家族がどのような状況に置かれているのかをこうして知ることは、絶対に加害者になってはいけないという確固とした意志、家庭や子育てにおける関係の築き方を見つめ直す動機にもなった。