鈴木伸元のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
性犯罪とは性欲から生まれるものばかりでない。
異性に対する支配欲や自己顕示欲、また社会的ストレスを多く抱える人ほど性暴行に及ぶのだ。
特に興味を惹かれたのは、性犯罪を犯した者は皆、自分の犯した罪に対して「なんであんなことしてしまったんだろう」と後悔の気持ちを抱えていること。
ストレス社会に疲れ切っているオモテの自我と、その腹癒せとして計画的に性犯罪をこなしていくウラの自我。ストレスや支配欲が強い程、ウラの自我はあっという間にレベルアップしていき、オモテの自我ではコントロールしきれない存在になっていた。
彼らは逮捕されてやっと気づくのだ。
さらに凄いなと感じたのは、逮捕された後刑務所で過ごす -
Posted by ブクログ
NHKクローズアップ現代で放送されたものを書籍化したもの。著者の鈴木伸元さんは、Nスぺやクローズアップ現代でディレクターを務めていて、『沸騰都市』や『新聞消滅大国アメリカ』などの書籍化に関わっている。
TVの取材という制約があるのか、加害者家族の描写は、最初に描かれた殺人事件の事例と宮崎勤の事件以外はやや浅いという感がある。宮崎勤の場合は、偶然事件前から面識があったということで直接単独インタビューを実父に対して行っている。宮崎勤の連続幼女殺人事件、和歌山毒物カレー事件、オウム事件、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇少年)など有名な事件では加害者家族へのマスコミ取材含めた影響が甚大であることは想像 -
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性犯罪以外の犯罪もかもしれないけれど、軽い内に矯正することが本人の為になると思う
軽い犯罪の時から顔も名前も出して、薬物治療やって病気を治療してあげて、GPSで性犯罪者の居場所を公にして次の犯罪を出来ない状態にするのは良いことだと思うんだけど。
この犯罪者達の計画性を見ると、商売とか政治とかに使っていたら社会的にも成功しそうに思える。
性犯罪者が計画的なのは非常によくあること
A犯罪者は勉強もスポーツもできて就職先でうまくいかなくて死ぬならなんでもやってやるってなって、性犯罪を始めた。自身の結婚式の数日前にも性犯罪をしていた。
就職先でも先輩にでもなく、性犯罪を選ぶあたり元々の脳の問 -
Posted by ブクログ
前半の半分近くが加害者家族が苦悩した事例で、目新しい情報が少ないのが残念に感じたが、主に後半は海外との国民性の違いや加害者支援の仕組みについて解説されており、参考になった。犯罪率が高いアメリカなどの方が、加害者家族に対して励ましの手紙が送られてきたり、マスコミに対して顔出しで自らの意見をはっきり述べたりするというのは面白い指摘だと思った。
ある日突然自分が加害者家族になるというのは、交通事故のように誰に起きてもおかしくない。ワールドオープンハートのような団体の存在や活動を知っておくことは、加害者支援だけでなく自分が社会で孤立しないための自衛策にもなると思う。 -
Posted by ブクログ
P21)口を閉ざす加害者家族「被害者を思うと、加害者側の人間は苦しいとか悲しいとか、そんかことを訴える立場では無い」
P41)夫が殺人事件を起こし、パパラッチたちに自宅を包囲され、夜中に自宅に帰ると落書きされていることを知り愕然。
学校を転校することになり、息子がお別れをしに校庭へ行った時、無邪気に遊ぶ彼を見た母親の心境。「事件に直接関係のない子供に、なんでこんな(辛い)思いをさせなければならないのか。」
P46)夫の件を友人に相談したことで、友人は主人と仲が悪くなり離婚、本人もうつ病になってしまった。
「誰かに相談することにより、その人をかえって追い込むことになる。」
P67)加害者の -
Posted by ブクログ
先日読んだ釈放前教育でも触れられており、前から気になっていたこともあって読みました。
犯罪が生み出すのは、被害者と被害者家族、そして加害者家族もまた然り。
身内の犯罪のせいで失職や転居を余儀なくされ、昨今はSNSでの特定や拡散ももはや当たり前となって誹謗中傷の悪意に晒される。自殺してしまう人も多い。
「連続幼女誘拐殺人事件」「神戸連続児童殺傷事件」「和歌山毒物カレー事件」等々、本書ではこれまで実際に日本で起きた事件の、犯人逮捕後に加害者家族が突き落とされていった底なしの悲劇がたくさん紹介されている。
加害者が絶対悪いことは分かっている上で、加害者家族もこれほどの罰を受け迫害されなくてはならない