ヨハン・ハリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分のこれまでとこれからの生き方を強烈に考える本です。
読む前は、スマホやSNSが私たちの脳に与える影響、特に集中力の低下を個人レベルで解決するためにどうしたらよいのか書かれていると思っていたが、、、話はそんな小さなスケールではない。テクノロジーの裏にあるビジネスモデル・働き方・食生活・環境・教育、最終的には現在の経済の考え方まで話が及ぶ。じゃあ、この現状変えるにはどーすんの?まで、今後のヨハン・ハリ氏には引き続き注目ですし、読めば当事者として、なにすんの?まで思考が巡る。個人的なエピソードも用い、主観もふんだんに含まれているので、賛否はあるだろうが、だからこそ、こういう本は世の中を変えていくんだと思う。 -
Posted by ブクログ
日々我々を取り巻く情報空間の注意経済について書かれている。
著者は3ヶ月ものデジタルデトックスをしたのに、帰ってきたら元に戻ってしまう。
いいねの通知、アルゴリズムによるレコメンド機能、サービスのギャンブル性など、インターネットの注意経済はユーザーの可処分時間を奪うようデザインされている。広告収益とビッグデータ収集のために。
ただデジタルから離れるだけでは不全感が残る。代替となるのはフロー状態だ。何か好きなことに時間を忘れて没頭することで人は満たされる。
自由に心をさまよわせるマインド・ワンダリングはアイデアを閃く源泉だが、何かに気を取られているときには発生しない。
人が注意経済の誘惑に勝てないのは、UIをデザインするのがシリコンバレーのエリートだからという他に、過重労働や睡眠不足やストレスのせいかもしれない。そのせいで集中して読書したり映画を見ることはできないが、スマホのショート動画を延々スワイプするだけならできる。スロットマシンを回してドーパミンを得るようにスマホ漬けになる。ブルーライトに刺激されて脳が覚醒し、なかなか寝付けず、翌朝睡眠不足で出勤し、仕事で疲労し、また帰宅して何もする気になれずスマホをスワイプする無限ループに陥る。
ジョブズが子供にiPadを使わせず、家庭内での会話や読書を教育として重視したのは、注意経済が持つ依存性の怖さを理解していたからだろう。
「ぼくは、深い集中力を養う能力とは植物のようなものだと思うようになった。集中力が持てる能力を十二分に生かすよう成長し、開花するためには必要なものがある。子どもは遊ぶこと、大人はフロー状態になること、本を読むこと、集中したい有意義な活動を見つけること、自分の人生を意味あるものにするためにマインド・ワンダリングをする余裕を持つこと、運動すること、きちんと眠ること、健康な脳を発達させる栄養のあるものを食べること、そして安心感を持つこと。また、注意力を低下させたり、鈍らせたりするものを避ける必要もある」 -
Posted by ブクログ
内容やエピソードが盛りだくさんで面白かった。
最近読書に集中できないなと思ってたところだったので目に留まりました。
これが、デジタルデトックスとか、マインドフルネスとか、スマホ依存、監視資本主義、とかいうタイトルだったら手に取ってなかったと思いますが、
今直面している問題(時間はあるのに読書に集中できない)だったので手に取りました。
方法というよりは、主に原因追求でしたが。
集中力を失って久しい私でもスラスラ読めて、多くは共感できる内容の1冊です。
なぜならこの本は我々の注意力低下の原因を深堀りしていくうえで
自己検証も含めて、たくさんの(主にアメリカの)多岐にわたる分野の専門家のエビデンスを、素人にもわかるよう簡潔に書いています。
4章「持続的な読書の崩壊」がまさに共感しました。まぁ、これもスマホで書いてるのですけど…
スピードなんかより自分の頭で感じてこと考える時間は非常に有意義だと思います。
著者がコレを書いてたのが2021年で、タイムラグはあるけれど、現在も進行している本当にたくさんの事例があり、エピソード自体にも興味深いものがあります。
病気とされているADHDについてのエピソードもあります。
私が特に興味を持ったのは10章のナディンのような素晴らしい取り組みです。子どもたちにある危機に誠実に対応していることです。
主婦の無鉛化運動、動物のADHD事例も心に残りました。
ちょっとラストは壮大な話「定常状態経済」がどんなものかは想像しかねますけど…
この問題はいろいろな要因がある。
全ては社会的構造への変革を示唆しているけれど、 私は個人の習慣から始めてしまうでしょう。
目的を見失ったSNSの放棄から。
Xのアカウントから。
何でもいいけれどもっと夢中になりたいなと思った。夢中になると清々しいから。
ゾーンに入ることを、フロー状態と言っていたけど。 そんな状態は数えるほどしかないので -
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「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という新書が去年ベストセラーになっててタイトルに偽りありな内容だったが、こちらはその命題に対して過剰なくらいの回答を詳細に出してくれている。
詳細に出し過ぎて教育・環境・食べ物にも及んだ上で社会運動にしようとアジるまで行く(半分、洋書ならではのユーモアだと思うが)。
世界トップの頭脳が仕組みとして集中力を奪うように作ってるというのは解ってたが、「お前の心が弱いから失敗するんだ」程度の解決方法をビジネスにしてるという視点はなかった。マイナー出版社だがなぜこれが大手で出なかったのかというくらい面白い不思議な本。 -
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ヨハン・ハリ氏著。私はまずこちらを読んでから、とてもタメになり(少なくとも私はそう思えた)面白かったので、立て続けに「麻薬と人間〜100年の物語〜」を読んだ。
後者も面白く、ゆっくりこちらのレビューを書こうとは思っているが、後者のインパクトと印象が強く、また日を置いてこちらの書評はゆっくり書かせて頂きたいと思います。
とにかく、私にはどちらも楽しい読書旅行でした。
ヨハン・ハリさん、そしてその中身でインタビューなどに応じて頂いた方々、本の完成までお世話になった方々、誠に有難うございます、と感謝を述べ自然と頭が下がる思いです。ありがとう
読んでから2か月近く経ち、この本の内容を思い出そうとする頻度が増えてきた。
”残酷な楽観主義”って、どんな例で紹介されていたか、読み直したい。
たしか、目の前のリスクや危機を回避するために、いったんは安心する材料を提供する/されるけれど、長い目で見れば、決して解決にはなっておらず、むしろ時間を費やしてしまい、結果として悪化してしまっているような事例のことを指すようなことだったと思うが… -
Posted by ブクログ
・集中を妨げるものを排除する(タスク切り替えを頻繁に行わない)
・物語を体感する(小説を読む)ことが共感力を育む
・物事が意味をなすようになるためには、マインドワンダリングが欠かせない(消化・散歩)=交響曲に仕上げる
・集中というスポットライトを得るには、生活に余裕を持たせる必要がある(集中)=ソロオーボエ奏者が交響曲
・スマホそのものではなく、どのように設計されているかが問題
ユーチューブは腐ったリンゴ農家
少しずつ目的地から離れた通りを案内しようとするGPS=ソーシャルメディアの機能(監視社会)
GPSの広告主がそうなるようにお金を払っているから
行きたい目的地があっても、ほとんどの場合、実際にはそこにたどり着けない、別の道を行かせようとする欠陥品
・人間の集団的ダウングレードを引き起こしている
・すべては回避-どうしたらこの不快な状況を抜け出せるか?
・残酷な楽観主義=ダイエット
・より健康的な食事に変える=脳を作る、化学物質から脳と身体を守る
・生物学的な目的が妨害される=その性質に合う環境で暮らす
・子どもたちを監視せず、自由に遊ばせる
フィンランドの子どもたち9~14時、宿題ほとんどなく、高校を卒業するまでテストもほとんどない
45分につき15分休憩→世界でもっとも読み書きができ、数字に強く、幸せな国民
・十分は睡眠・週4日労働制
・スローダウン
・集中力の4つの層(スポットライト、スターライト、デイリーライト、スタジアムライト) -
Posted by ブクログ
人の集中力を奪っているのはSNSとスマホです、という話かと思ったら、それだけではない。経済的不安の増大や暴力の恐怖、労働時間の長さ、食べ物の変化、大気汚染など幾多の要因が存在しているという話。
こと子どもに関しては、本来の生物学的行動と全く異なるものを求められていることで(本来は親の監視の目がないところで自由に遊び回りたいけど、実際は・・・)ADHDを発症しやすくなっているということ。
それらの解決策含め、印象に残った箇所は以下。
①集中力を取り戻すためには、snsやスマホをやめるだけでは不十分。適切な目標をつくり、前向きに取り組む姿勢が大切。
②情報の提供方法が変わったときは、情報自体ではなく、その方法に注目。snsが何を目的に発信されているか冷静に見極めるべき。すると、自分の目的に合致する手法は読書だと気づく。
③創造性とはすでに存在していた2つのものを新たに関連付けること。そのためにはマインド・ワンダリングしてる状態が必須。思考を完全にコントロールすることが生産的なわけではない。マインド・ワンダリングを、スマホが妨害する。ただ、マインド・ワンダリングはストレスのなかで行うと苦痛となるので注意。(⇐これは外山滋比古先生の思考の整理学に書かれていたことと一緒)
④労働時間の増加は生産性向上と結びついておらず全く理にかなっていない。しかし、速度を上げ続ける文化のなかでペースを落とすことは難しく、ほとんどの人は労働時間を短くすることに罪悪感を持つ。だからこそ、社会的、構造的な変化として、全員が一緒に行動することが大切。これは個人の意識レベルの話ではなく、集団で動く必要がある。
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Posted by ブクログ
ただ単に集中力を取り返すにはこういうことをしましょうね、で終わらずに様々な観点から、私たちから集中力と注意力を奪ったものに関しての議論が繰り広げられていた。よく語られる話では、マルチタスクというのはできていると思っていても、実際は集中力をかなり削いでいることやソーシャルメディアが私たちの可処分時間をできるだけ奪うために設計されているなど。もちろん個人での対応も一定できるが、効果は限定的。社会を巻き込むことでしか、根本的には解決し得ない。あとは子どもたちの自由を制限する環境。ここに私は筆者の熱を強く感じた。
自分が子供のころに楽しいと感じていたことを子供から取り上げるようなことはしたくない。 -
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○読んだきっかけ
積読ラジオで紹介されていたので
○要約
年々集中力が削がれていっている理由を筆者が探す旅。いろんな専門家に話を聞く。
スマホやウェブを生み出すIT企業だけでなく経済成長を求める今の社会が問題であり、気候変動や食生活の変化も集中力の低下を招いている。子供の集中力低下にも焦点を当てている。
個人で抗うのでは太刀打ちできる問題ではないので、みなで団結して戦うことが大事だ
○感想
年末年始で読み終えた本。自分自身、スマホを使いだしてから集中できなくなっていることに悩んでいた。しかしいつもは怠けた自分を責めていたのだが、それどころではない問題だったと知った。
背筋がゾッとするような話だったが、これを読むことで改めて我々の集中力が奪われていることを自覚するということは 我々が集中力を取り戻すための一歩になると思う -
Posted by ブクログ
ネタバレネットで結構話題になっていたので買ってみたり。
何というか、こういう内容が話題になる時点で「集中できない」というのは多くの人が抱える課題なんだろうなぁ、とか。(もちろん僕もそんな一人だが…)
社会構造、SNS、仕事の在り方…。
ありとあらゆるものが、「ニード(需要)/スピード(速さ)/グリード(欲望)」のサイクルを加速させようとする。成長と消費は兄弟だからだ。
だから可能な限り、その消費社会から距離を置いて、自分の大切なものを見つめなおすしかないんだけど、それが果たして出来る人間がどれだけいるのだろう…という。
僕もここ5年くらいで急に集中できなくなり、(他人よりはマシだと思うけど)どうしたもんかなーとか思っていたけど、やはり個人で出来るのは一歩一歩集中できる環境に自分を置いていくしかないよなぁ。
逆に言えばそれが個人の限界で、どこかで団結することが必要…というのはまぁ真理だね。ただそれがどれだけ難しいか…という話なんだけど。