辰濃和男のレビュー一覧
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夜静かにこの本を読んで、その日の荒れた心を癒して
もらった。
ぼんやりすることには肯定面と否定面があって、この
本は肯定面に徹底的にスポットをあてて、その効能を
やさしくきれいな日本語で教えてくれる。
「光」の恵みを考えるならば、「闇」の恵みにも思いを
いたす必要がある。「動」や「働」や「がんばり」が大切
だと考えるときは、「静」や「休」や「ぼんやり」もまた、
いかに大切であるかを考えねばならない。
こんな思いを、池波正太郎や串田孫一などの著作や
言葉を引用しながら、書きつづっている。
上で、”やさしくきれいな日本語で”と書いたが、それも
そのはず、著者は19 -
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1.著者;辰濃氏は、大学卒業後、朝日新聞社に入社。ジャーナリストでエッセイスト。ニューヨーク特派員、編集委員、論説委員・・を歴任。1975~1988年まで「天声人語」担当。「文章の書き方」「文章のみがき方」「四国遍路」等、著書多数。名言は、「雨が降れば雨と共に歩く、病気になれば病気と共に歩く、風が吹けば風と共に歩く」。
2.本書;先人の言葉を傾聴し、自身の体験を交えながら、豊かさを模索したエッセイ。都市化は暮らしを便利にした反面、地球環境を破壊。時間と効率を常に追い求める生き方が現代人の心を荒廃。こうした認識で、辰濃氏は、“ぼんやりと暮らす事の価値を再認識した方が良い”と説く。三章構成(第一章 -
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[ 内容 ]
常に時間に追われ、効率を追い求める生き方が、現代人の心を破壊しつつある。
今こそ、ぼんやりと過ごす時間の価値が見直されてよいのではないか。
では、そうした時間を充実させるために何が必要であり、そこにどんな豊かさが生まれるか。
さまざまな書物にヒントを求め、自らの体験もまじえながらつづる思索的エッセイ。
[ 目次 ]
1 「ぼんやり」礼賛―常識に逆らった人びと(「ぼんやり」という貴い時間;「いそがなくてもいいんだよ」;散歩の醍醐味;放浪―マムシと眠る;夢想にふけって;ぼぉっとして生きる;自然にとけこむ;気分を変えるために)
2 ぼんやりと過ごすために―その時間と空間(「むだな時間 -
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ネタバレ[ 内容 ]
四国八十八カ所。
金剛杖を手に、千数百キロをひたすら歩く。
土地の人から受ける「お接待」が心にしみる。
―人はなぜ四国をめざすのだろうか。
いま、ひとりのお遍路として四国路をたどる著者の胸に去来する問いだ。
人びとと出あい、自然の厳しさに打たれつつ歩む巡礼行を、達意の文章で綴る連作エッセイ。
[ 目次 ]
1 徳島・へんろ道(誘われる 着る ほか)
2 高知・へんろ道(解き放つ 突き破る ほか)
3 愛媛・へんろ道(痛む 泊まる ほか)
4 香川・へんろ道(哭く 死ぬ ほか)
番外 登る
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文 -
Posted by ブクログ
「ぼんやりする時間」がもたらしてくれる様々なことを、多くのエッセイを紹介しながら説明しています。
時間や情報に追われている現代人にとっては特に、ぼんやりする時間を作ることが難しいですが、確かにひらめきや心の整理などはぼんやりした時間にできることが多いのではないかと思います。
つい生き急ぐかのように一日をバタバタと過ごし、何も行動に移さない時間はもったいないと思ったり、無駄な時間だと感じがちですが、もっと積極的に「ぼんやりする時間」をとろうと改めて思いました。
引用されているエッセイの数々の言葉にも興味をひかれたので、読みたい本が増えました。嬉しいです。