辰濃和男のレビュー一覧

  • 四国遍路

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    千数百キロに及ぶ歩き遍路紀行の傑作です。
    筆者は44歳で初結願し、本書は68歳からの2回目の四国遍路となります。
    東京から6回に分けての行程が詩情豊かにつづられます。朝日新聞社という大きな群れ組織に身を置いた人生を振り返りながら、「一人旅」の意味を考える。人は他人とのかかわりなしには生きていけないが、生まれるときも死ぬときも基本はひとり。一人旅は人生の原点。誰もが人生をやみくもに走ってきたが、本当に「あるべき」人生を歩んできたのかという問い。地位や名誉、富や肩書に振り回されてはいないか?お遍路は、日常的なものを捨てることから始まる。地位や名誉をまとって歩いても誰からも尊敬されることはない。試さ

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    2022年08月16日
  • ぼんやりの時間

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    「時間を大切に」みたいな書籍に触れる機会が多くなると、どうしても刺激的で密度の濃い時間を求めてしまう。そうしないと、貴重な時間の浪費という「大罪」を犯したことによる陰鬱とした気分に駆られてしまう。なんとか挽回しようと色々試みてみるものの、気持ちとは裏腹に、何も思い浮かばず、何も身に入らずで、今度は悪循環に苛まれる...。
    本書は、そんな時はいっそぼんやりすることが有意義だと背中を押してくれます。しかし、それは決して時間を「有効」に使うことへの諦めではなく、それはそれで「有効」だとしているのが心強い。
    「ぼんやり」に価値があるなんて、正直なところ半信半疑だったが、著者の「新幹線に乗っていると、草

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    2014年01月12日
  • 四国遍路

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    ネタバレ

    いつか四国八十八箇所のお遍路はやってみたいと思っているんですけどね。水曜どうでしょうみたいに三泊四日かもしれないですが。この本は元新聞記者の著者の歩き遍路の記録。やはり歩かないとダメなものらしい。

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    2013年03月03日
  • ぼんやりの時間

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    ぼんやりすることを肯定的に考察したエッセイ。

    生産的であること、達成することだけが人生の価値ではないだろう。散歩をすること、景色の美しさを楽しむこと、風を感じること、物思いにふけることも、生を楽しむことそのものだろう。

    ソローの散歩の目的は、心に活力を与えること、生命力を得ること、大自然の滋養をたっぷりといただくこと。
    だからこそ、森を歩き、沼地を歩き、たくさんの生きものに出会い、心を解き放つ時間を持つことが大切だった。
    歩くこと、夢想すること、簡素と自立を中心にした暮らしは、天然無価の宝だった。
    ソロー「森の生活」の解説

    食うためには自分の食べる分だけ働いて、あとはボーっとして暮らせば

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    2018年10月31日
  • 四国遍路

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    四国遍路を歩くということ。
    そのこと自体の実感の重みを感じました。
    一つ一つのお寺、詳しい歴史等については多く触れていませんが
    歩いていく筆者の姿がみえてくるような。
    様々の人生を受けとめる、力を
    私も実感したくなりました。

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    2011年07月08日
  • ぼんやりの時間

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    志賀高原に樹齢800年のしなの木があるんですが、この本を読んだ時その木を思い出して、しなの木の前でいつまでもぼんやりしたいなという気分になりました。でも全体的に同じような例が繰り返し書かれているので、一気に読むとちょっと飽きてくるかも。ぼんやりしたい時に少しずつ読むのがオススメです。

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    2011年11月01日
  • ぼんやりの時間

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    岸田衿子などの紹介がよかった。できれば、その路線で最後まで行っていただきたかった。後半は同じことの繰り返しのような気がした。何となく書きすすめていくのではなく、もう少し系統だててほしかった。

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    2010年11月23日
  • ぼんやりの時間

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    非常に心地よい時間でした。ひと言でいえば…そう、肌としっくり合う感覚。
    幸せな温もりを感じながら、ゆっくりと解されたひと時でした。
    “ぼんやりの時間”に込められた著者の思いは、タイトルに惹かれ書店で手にした時に想像していたものより、もっとずっと豊かで奥深でした。衝動買いだったけれど、果たして正解。
    気に入った描写に出遭うたび、目を閉じ、そのぼんやりの時間を共有してみるのです。聴こえてくる音に耳を澄ませ、匂いや温度を感じてみる…何とも癒されました。そして、不思議と、喜びと新たなエネルギーが生まれてくるのです。
    気がつけば空を流れる雲を眺め、風の行方をあれこれ夢想し、蝉時雨の中で静穏になれる自称ぼ

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    2011年02月12日
  • 四国遍路

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    体験談を読むことで擬似的な追体験をしてお遍路参りをより知りたかった。
    一番札所から順を追った体験記を綴った体裁だが、各章ごとにテーマが決まっていてそれについて話がまとめられている。読んでいるうちにいつのまにかテーマが絡んできて「なるほど」と思うことがしばしばある。
    また、その当時の体験記だけでなく著者が過去にお参りしたときの記憶や、その寺や土地の語り継がれてる逸話、関連した書物の引用などを交えての考察や、感想がただその場だけの体験記と違って読み物としても面白かった。
    豊富なボキャブラリと読みやすい文章が、読んでいて心地良かった。
    著者がご高齢なためか、日程がとてもゆったりしていたせいか、あるい

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    2009年10月04日