山崎正和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みやすく、面白かった。
後半は、消費、生産、文化といった形でかなり抽象度の高い議論になったので分かりにくかったが。。
【何が面白いか?】
1980年代の同時代史という扱いだが、40年弱経った今でも通ずる状況。
集団が個別化、多様化することで、所属集団が変化。
大量の生産をしていればいい時代ではなくなった。
そこで求められるのは、「消費」。
より、自己を表現するための「消費」が求められる。
⇒現代でもあるべき姿。
解説のところでも「未完のプロジェクト」としてまだここまで達していない。
【筆者の想定と現代を比べてみて】
「未完のプロジェクト」とあるように、筆者の想定する「消費社会」にはなっていない。
・インターネットの誕生。より個別化、「顔の見えない大衆化」が進んでしまった。
・「社交集団」は一部生まれている。気はする。趣味でつながる集団たち。
・「親ガチャ」論に代表されるように、不幸の個別化も進んでしまっている。
・筆者は「地域社会」や、消費社会を生み出す生産集団側に過剰な期待をしてしまっていた。
(生産者集団(デザイナーやコンサル)が新たな消費社会を生み出す社交集団となると期待していたが、しょせんは資本主義・金儲けのための集団なので、そこまでにはならないだろう。。。)
情報で消費する社会というのはそのとおりというような気がする。
・消費している物自体は、それほど重要ではなく、どんな文脈で消費するか。
・ホテルや旅行サイトもそんな感じ。「どれだけ上質な時間を味わっているように自覚させるか」
・食べ物の「~~味」もそんな気がする。どれだけパッケージなどに」情報を載せて、うまいと味合わせるか。
筆者は、文化を「個別化の原理」によってどれほど個別化しているか否かの程度の違いとしている。
・最終的には、文化は一つになるといっているが、このあたりの議論はあまりにも抽象的すぎて、本当にそうなのか、と思ってしまった。
結論を言えば、非常に示唆に富んでいて面白い本だった。 -
Posted by ブクログ
大学院生の水野氏からお借りして読ませていただいた。氏は山崎正和さんに興味を持ち熱心に研究していて、この本の存在を私に教えてくれていた。
「日本の歴史10下克上」を読み終わったのでその復習ということで読んでみた。
室町時代に活躍した魅力ある人物が描かれていて、そこに変わりゆく世をいかにして生き延びるかということが鮮やかに抽出されている。
特に落ちぶれていく貴族の一人であった三条西実隆の項には次のようにある。
制度に支えられた自動的な人間関係が毀されたとき、人びとは手づくりの濃密な交渉を持たざるを得ないのであり、その煩に耐える強靭な人間好きだけがこういう時代を生きられたのである。
という指摘にはこれからの困難な時代を生き抜いてゆくためのヒントになると思う。
また、この本の後半に収められた「日本文化の底を流れるもの」という講演の中には、有名な世阿弥の「秘すれば花…」の解説があってとても参考になった。風姿花伝は芸能論ではあるが、日本の芸術は西洋の芸術とちょっと異なっていてそこにはコミュニケーションの問題が存在していて、その観点から読むととても有益だと思われる。なぜなら、変わりゆく時代に生き延びる手づくりの人間関係において、コミュニケーションはとても大切な要素である。 -
Posted by ブクログ
教育の原点に戻り、教育のあり方に一石を投じた本書。20年近く前の本だけど、いまの社会にもまだまだ刺さる。本当に学びが多かった。学校は福祉施設ではないのだ。
鼠が猫を捕ればニュースになるが、猫が鼠を捕ってもニュースにならない。これは教師の話に限らないけど、ほんとうに世間のイメージに影響を与えていると思う。猫が鼠を一生懸命獲るところもクローズアップするべきだ。甲子園球児くらいの熱量を目指して。
週休三日にしてサービス教育を社会の能力に委ねるという案。これめちゃくちゃいいなあ。子供の頃から社会というものに触れて、教師や家族以外の大人と関わり合う。メリットがたくさんありそう。学校と家以外の居場所ができることも大きなメリットになるはず。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
国語教育こそ「愛国教育」である。
倫理の領域に踏み込む「道徳教育」は教室になじまない。
学校に過剰なサービスを期待してはならない。
…西洋は古代ギリシャから近代アメリカまで、日本は鎌倉時代から明治時代まで、東西の教育史をつぶさに検証。
文明と教育との深い関わりを鮮やかに解き明かした上で、明日の日本のため、さまざまな提言を大胆に行う。
中央教育審議会会長による画期的な教育論。
[ 目次 ]
序章 荒廃のなかの教室-私に「教育の原風景」を与えた敗戦後の満州。
第1章 学校教育はなぜ必要なのか-現実は「経験」によっては学べない。
第2章 文明とともに-文明と教育は武力にまさる。
第3章 古代ギリシャから中世へ-教育に見るヨーロッパ文明 多様の統一。
第4章 ルネサンスからの歩み-国民国家と義務教育へ。
第5章 鎌倉、室町、そして江戸-日本の文明は、アジアでなく、じつはヨーロッパと共通している。
第6章 近代国家の成立に伴って-世界文明の統一の趨勢のもとで。
第7章 統治とサービス-現代の教育機関は社会から過剰にサービスを求められてはいないか。
第8章 国語、道徳、歴史-内面的な倫理意識に踏み込む「道徳教育」は教室になじまない。
終章 明日に向けて-教育の限界を認め、「驕りなき教育」をめざさなければならない。
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]