山崎正和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みやすく、面白かった。
後半は、消費、生産、文化といった形でかなり抽象度の高い議論になったので分かりにくかったが。。
【何が面白いか?】
1980年代の同時代史という扱いだが、40年弱経った今でも通ずる状況。
集団が個別化、多様化することで、所属集団が変化。
大量の生産をしていればいい時代ではなくなった。
そこで求められるのは、「消費」。
より、自己を表現するための「消費」が求められる。
⇒現代でもあるべき姿。
解説のところでも「未完のプロジェクト」としてまだここまで達していない。
【筆者の想定と現代を比べてみて】
「未完のプロジェクト」とあるように、筆者の想定する「消費社会」にはな -
Posted by ブクログ
大学院生の水野氏からお借りして読ませていただいた。氏は山崎正和さんに興味を持ち熱心に研究していて、この本の存在を私に教えてくれていた。
「日本の歴史10下克上」を読み終わったのでその復習ということで読んでみた。
室町時代に活躍した魅力ある人物が描かれていて、そこに変わりゆく世をいかにして生き延びるかということが鮮やかに抽出されている。
特に落ちぶれていく貴族の一人であった三条西実隆の項には次のようにある。
制度に支えられた自動的な人間関係が毀されたとき、人びとは手づくりの濃密な交渉を持たざるを得ないのであり、その煩に耐える強靭な人間好きだけがこういう時代を生きられたのである。
という指摘 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
国語教育こそ「愛国教育」である。
倫理の領域に踏み込む「道徳教育」は教室になじまない。
学校に過剰なサービスを期待してはならない。
…西洋は古代ギリシャから近代アメリカまで、日本は鎌倉時代から明治時代まで、東西の教育史をつぶさに検証。
文明と教育との深い関わりを鮮やかに解き明かした上で、明日の日本のため、さまざまな提言を大胆に行う。
中央教育審議会会長による画期的な教育論。
[ 目次 ]
序章 荒廃のなかの教室-私に「教育の原風景」を与えた敗戦後の満州。
第1章 学校教育はなぜ必要なのか-現実は「経験」によっては学べない。
第2章 文明とともに-文明と教育は武力にまさる。
第3