牧野あおいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ当時、内容が衝撃すぎて、これを『りぼん』でやるのか!と思ったし、『りぼん』でやることに意味がある!
と思っていたけど……。
衝撃的すぎたせいか、作者がメンタル?を病んで休載……。
5年ぶりに復活したけど、当時のまま続けられるのかは心配だった。
5年ですっかり内容も忘れたので、改めて1巻と2巻を買い、読み返してからの3巻。
まっっっったく、2巻からの勢いのまま話が進んでて驚いた。
というか、1巻を読んでから3巻のラストを読むと、当初のプロットどおりに進んでいると分かる。
このままいってほしい。
『推しの子』ブームが一段落して、似たようなテーマでこれもぜひ話題になってほしい。
とても残念なのは、当時小学生だった子どもたちも、中学生や高校生になってしまったこと。
この作品は『りぼん』で、小学生女子にぜひ読んでほしい。
大人も面白いし読むべき作品ではあるけど、自分に小学生の子供がいたら絶対読ませたい。
すべての女子に「搾取される前」に読んでほしい。
一方で、5年という歳月がやはり長いと感じたのは、「今どきこれほどのセクハラが、学校で、生徒同士でありえるのか?」ということ。
今のJK・DKの実情は分からないけど、教室であんなあからさまなセクハラ男子が普通に存在するだろうか?
5年前はそこは疑問に思わなかった。
少しずつではあるが、確かに時代は進んでいると感じた。 -
Posted by ブクログ
握手会での傷害事件で消えたアイドル・雨宮花恋。神山仁那と名も姿も変えても、その過去は彼女に新たな試練を――!?
ストーカー被害に遭ったクラスメイトの長栖未久が、花恋と光の仲をかき乱す。
花恋が、脱退したアイドルグループ「PURE CLUB」のメンバーが青年誌のグラビアに挑戦したことを知り、自分がアイドルとして有名になりたかった理由そして「PURE CLUB」が最初にグラビアに挑戦したきっかけが自分にあったことを思い出す。
さらに、花恋のクラスに未久の兄が、教育実習生として登場する。
衝撃の学園サスペンス漫画、待望の3巻。
過去の傷害事件をきっかけにアイドルを引退し、その後別の街でひっそりと一人の女子高生として暮らす主人公の神山仁那。
黒いストレートのロングヘアはばっさりと切られ、高校では女子の中で唯一のスラックス。握手会で見せていた笑顔も封印し、あらゆる過去を隠しながら生活している。
そんな彼女を通して見た、「女の子」をとりまく偏見や差別、暴力性などを描いた作品『さよならミニスカート』(牧野あおい/集英社)は、その内容はもちろん、掲載されたのが少女漫画誌「りぼん」ということも含めて連載開始当初大きな話題を呼んだ。
その後、著者牧野あおい氏の体調不良により休載となり、今年4月に5年ぶりに連載が再開。9月に最新刊の3巻が発売された。
今回は、神山仁那がアイドルグループのセンターだった頃の過去に肉迫して、神山仁那がなぜアイドルとして有名になりたかったのかの理由、何故日本のアイドルグループがダンスや歌の上手さより可愛いルックスを売る方向が多いのか、学園内のミスコンや青年誌のグラビアの目的と性的搾取、自ら売る為と自主的に可愛いルックスを売っていると仕向けられるアイドル業界など男尊女卑的な歪な構造が掘り下げられ、神山仁那自身が自分のアイドルをやってきたことに罪悪感を抱いてしまう苦悩が、アクチュアルでリアリティがあるゆえに痛切。
神山仁那のファンで妹がセクハラの被害者である光が、自らが性的搾取の当事者であることを自覚して、周りを変え神山仁那やセクハラなどの被害者の同級生を守ろうとして奮闘するくだりは、自分たち男子が男子特有のミソジニーに向き合うお手本で希望を提示してくれたので、この漫画は男子も必読とますます確信した。
一方で、クラスメイトにセクハラ混じりの扱いを笑顔で受け流す未久の男子に媚びている言動の中にある弱さや苦しみも掘り下げられていて、ますます盛り上がる3巻。
神山仁那が、3巻のラストでした決意の結果が、気に入り続巻が楽しみ。
「私たちだけは私たちを許すの」
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Posted by ブクログ
神崎仁那は、アイドルクラブ「PURE CLUB」の元不動のセンター。握手会襲撃事件の被害者になり、アイドルを引退した。だが同級生の堀内光に気づかいされ同級生に痴漢してた犯人を捕まえる手伝いをしたことから、仁那と光は信頼し合うようになる。
だがアイドル時代の友人サラから、犯人の特徴である「耳を掻く」を教えられ、光も耳を掻くしぐさがあることから友人は仁那を握手会で襲撃した犯人と疑う。
だが光の友人から、襲撃事件の日は追加入試試験を受けていたことが分かる。犯人の特徴である脇腹の3つの黒子がないことも、分かった。
光が仁那に優しくしてたのは、光の妹六花が先生にセクハラを受けて苦しんでいたので、仁那を六花と重ねて見ていた。
光は、仁那が学校を送り迎えする役を買って出る。だがそれで、光に片思いしている長栖未玖の怒りを買う。
ストーカーに狙われていることを逆手に取って光に送り迎えを頼み、仁那がアイドル時代に撮影したグラビアを学校の生徒に曝し、光と仁那を引き離そうとする。
だが光と仁那は、お互いにとって特別な存在になっていた。未玖に起きた事件が、仁那と光の絆を揺るがす。
波乱の予感の第2巻。
光を特別な存在と思い始めて、自分の感情に戸惑いドキドキする仁那が、キュート。
光の妹六花が先生からセクハラされた被害者なのに、「先生と距離感が近いけど、気のせいだろ」「先生に媚び売っているから自業自得」と誹謗中傷される苦しみ。無神経に女性の同級生をミスコンの候補者として優劣を決めたり、アイドルを可愛らしさを売っているから頭の中でも実際にもどう扱われても仕方ないと、女性の魅力を人間ではなく対象として消費する男性の無神経さが、男性にも分かるように説得力あるリアリズムで描かれている。
「何で男子の部活に女性のマネージャーがいるのかな?何で女の子のアイドルは30歳になる前にいなくなるのかな?」
女の魅力や可愛いを消費する男性の愚かさに乗じて、男性に媚びて欲しいものを手に入れる女性の狡猾さとそうしなければ男性社会で生きられない苦しみを、未玖を通じて描かれていて、女性への暴力だけでなく、女性の魅力を搾取し消費するアイドルやミスコンや女を容姿の優劣で差別するルッキズムなどにあるものの病理を掘り下げている第2巻。 -
Posted by ブクログ
新宿駅で展示された宣伝広告や少女漫画雑誌りぼん編集部が絶賛し話題になっている少女漫画「さよならミニスカート」とは、どんな物語なのか?
可愛いミニスカート姿で人気のアイドルグループPURE CLUBのセンター雨宮花恋は、ファンとの握手会で切りつけられた。
グループから脱退し、ミニスカートを止めスラックスを履き、本名の神山仁那という普通の高校生として登校している。
そんなある日、仁那が通っている高校で、女子高校生が変質者に襲われる事件が起こる。
足を触られショックを受ける被害者の女子高校生に、「そんなミニスカートをはいているから変質者に襲われるんだ」とからかう無神経な男子高校生に、「女子は男を誘うため触られるためにミニスカートをはいているんじゃねぇ」と敵意を剥き出しにする仁那。
同級生の辻が、電車の中で痴漢被害にあい、偶然居合わせた仁那と堀内光が変質者を警察に突き出すのを手伝った。以前からクラスで孤立していた仁那に優しくしてくれる光と仁那は、親しくなる。
だがPURE CLUBの友人サラから教えられた特徴に光が似ていることから、仁那は光が自分を襲撃した男ではと疑う。ここまでが、1巻のストーリー。
元になっているのは、欅坂46の平手友梨奈が握手会でファンに襲撃された事件。痴漢被害を防ぐために女性専用車両が導入されたり、痴漢や性犯罪被害者が「被害者にも落ち度がある」と無理解で無神経なバッシングにさらされている状況に、女子がどう立ち向かっていくかを描いている。
最近でも、性犯罪被害者のジャーナリスト伊藤詩織氏が、移民ヘイトイラストを描いたはすみとしこや国会議員杉田水脈に「バーにノコノコ行った彼女にも落ち度がある」とバッシングされたり、性犯罪の裁判では相変わらず被害にあった時の時間帯や服装が槍玉に上げられ被害者が不利になるなど、性犯罪被害者が不当な扱いを受ける状況がある。
痴漢被害防止のために導入された女性専用車両にいちゃもんつけ抗議のために女性専用車両に乗り込む迷惑な男性グループが出てきた。ハロウィンでセクシーなコスプレした女子がTwitterで痴漢被害を訴えると、「そんなコスプレしていたら触りたくなる」と男性から無神経なツイートをされる。
そんな男性に忖度して、「痴漢なんて大したことない。騒ぐことじゃない」「露出が多い服装やコスプレしているから被害にあう」など女性が被害女性の声を封じ込めるようなことを言ったり、「宴会や職場でのセクハラをスルー出来るのが大人な女子」と言って声を上げようとする女性の声を抑え込む地獄のような状況がある。
そんな男性の無神経さに「女子はお前らのためにミニスカートをはいているんじゃねぇ」「大したことない自分が黙っていれば済むと女子に言わせる状況が憎い」「アイドルは、自分もファンも人間と思っていない」と言ってくれる神山仁那は、女子にとって代弁者でスーパーウーマンのよう。
だが仁那も、切りつけられた時のトラウマに苦しみ、可愛いミニスカートをはいてアイドルをやっていたかったのにアイドルを出来なくなった自分に苦しんでいる。
こうした仁那の心理を通して、性犯罪被害者の苦しみや性犯罪の卑劣さや力で上回る男性に身構える気持ちを知り理解することで、女性と理解し支え合える世の中を作る一歩になると思う。
そして「女子は男のためにミニスカートをはいているんじゃねぇ」と男性に啖呵切る仁那から、「ミニスカートをはいているから、女性だから何をされてもいいわけじゃない」と女子が社会にかけられた呪いを解き未来に希望を見出だし力強く歩く勇気を女性がもらえると良いと思う。
これから仁那が、自分のトラウマや無理解な世の中にどう立ち向かっていくか、展開が楽しみ。 -
購入済み
メッセージ性の強い作品
牧野あおい先生の作品すべてに言えるのですが、少女漫画には珍しくメッセージ性の強い話です。正直りぼんという雑誌の中では個性的というか、小中学生にしか読まれないのはもったいないと思います。ですが、価値観を確立する段階での少女たちに対して、疑問を提示し考えさせるということまで考えておられるのでは…なんて深読みしちゃいます。そのくらい深みのあるお話です。一読の価値ありです。