朝宮夕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ様々なきっかけで心を痛めた納棺師の人たちの立ち直りまでのストーリーと言っていい。この近くにあるのにまるで知らない業界のリアル、いや、人の死のリアルを感じることができて良かった。私たちは自分たちが死ぬことは漠然と理解はしている。ただ、それは理想の死であって、この作中のご遺体のような、いわゆる理想や一般的な死に方から外れた形をほぼ想像しない。綺麗な形でみんなに見送られるなり、病院で死ぬ。そんなふうに自然に思っていた。そういった一般的な理想の死に方から、溢れ落ちてしまったご遺体がある。それを救ってご遺族に対面させてあげる仕事が納棺師なんだと知った。なんて、優しい職業なんだろうと思った。当然その仕事を
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Posted by ブクログ
納棺師たちの仕事と、彼らが抱える闇についての物語。
これが著者初めての小説だって。本当すごすぎる!
描写が細かくてエグいのはそうなんだけれども、それはそれと置いておけるほど、何より二課の人たちが温かすぎて、もうみんな好きすぎる。
過酷な職種ではあるけど、一方で、こんな人たちと一緒に働けるのは幸せだな。
朝未と八宵の阿吽の呼吸による連携。有明さんと入相さんの絶妙なサポート。東雲くんの優しさ。
傷を抱えながらも、それぞれが折り合いをつけて、穏やかに生きていけるといいな。
語彙力がなくて、この感動をうまく残せないのが残念。
とてもいい小説に出会えた。著者の他の作品を読むのが楽しみだな。 -
Posted by ブクログ
小説家としては初執筆、初応募の作品となる朝宮夕さんの『アフターブルー』。
初めてとは思えないほどの、リアルさと深みのある作品でした。
私自身、葬儀の仕事をしていて同じ現場に立つこともありますが、納棺師という職の重さを改めて感じることができました。
作中の登場人物の名前には、それぞれ“空の時”が刻まれていて、生きていく上で切り離すことのできない、時間の残酷さを彷彿とさせました。
私の仕事場でも、この物語でもそうですが、葬儀の場など日常とはかけ離れていて、存在すらしないで欲しい出来事が、自分の身に降りかかった時の人間は、やはり本性がでやすいです。
良くも悪くも、葬儀の場はその -
購入済み
納棺師達を主人公とした小説です。
小説だけでなく、テレビドラマや映画等で、葬祭に関わる人達を主人公とした作品が多く出ていますので、どうしてもその中の一つで時代の流れに乗った作品の様に思えますが、主人公の納棺師達自身が色々と抱えている人達で、その心の襞が現れた作品です。
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Posted by ブクログ
鈴木保奈美さんのあの本読みましたで紹介されていた。
なぎらゆう、塩田武士、薬丸岳推薦
納棺師の話。
登場人物がやけに凝った苗字だなと読み始めに気になった。それぞれにドラマがあった。
息子を不慮の事故で亡くした有明。人に恋愛感情を抱いたことがなく、化粧をすることの楽しさを祖母から教わり、性的マイノリティを疑った両親から祖母を引き離されたまま、祖母を孤独に死なせてしまった朝未。行方不明者の妻を探し続けている、また、八宵の夫の遺体を担当していた入相。
ちょうど一年前、知人が亡くなった。去年はまだ桜が咲いていなかった。一年たって桜を見るとその人を思い出して胸が苦しくなる。きっと毎年少しずつ苦しさ -
Posted by ブクログ
著者が納棺師だったと。ものすごく納得。見てやってきた人でないと、ここまでのリアルは描けないよね…次作ネタだいじょうぶ?ってくらい、惜しみなくがっつり出してるカンジ。
死んだりいなくなった人には理由も聞けないし、事故にあった理由とかない。誰かに責任をなすりつけたり、何か原因を見つけ出したいけど。残された人はどうにか折り合いつけて、いくしかない。辛いしやるせないけど。
…そうだよね、って改めて思う。
どうしても死んだ理由とか考えちゃうし、何か答えがほしくなるけど。それは死んだ相手のことだけではなく、自分の気持ち、どう生きるか、の葛藤とも似てる。
結局自分で受け入れたり踏ん切りつけていくしかない。自 -
Posted by ブクログ
ネタバレここで描かれているご遺体は、一見非常にグロテスクで見るに堪えない。しかしそのような状態のご遺体に怯むことなく真摯に向き合い、処置を施していく納棺師の姿を何度も見せられると、なぜかそういう気持ちが薄れていき、中盤以降はあまり気持ち悪く感じなくなっていた。不思議だ。
様々な過去を抱えた納棺師たちは、新入社員の東雲の人柄に触れるにつれ、少しずつ自分で自分にはめていた枷を取り除いていく。しかし東雲自身も、とても大きな枷を自らに課していた。
ご遺体となって登場する人々の死の理由については、ほとんど触れられる事がない。そんなものは本人にしかわからず、生きている人間があれこれ勝手に理由を付けることに意味