朝宮夕のレビュー一覧

  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    映画「おくりびと」で知られるようになった納棺師
    という仕事。本書はその納棺を営む会社が舞台で
    す。

    とはいえ、取り扱う「ご遺体」が、飛び降り自殺、
    轢死、事故死など「損傷が激しい」状態のご遺体を
    取り扱うのです。

    そのような状態から、ご遺族が対面できる状況に
    復元処理を施す部署で働く納棺師たち。彼ら彼女ら
    もまた、悲しい過去を抱えて仕事に向き合って
    います。

    各章が彼ら彼女ら納棺師のそれぞれが語り手と
    なり、仕事を通じて自らの過去に向き合います。

    「死」という最も縁遠いと思われがちの事象を
    通して、「生」を描ききった傑作です。

    0
    2025年12月14日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    無意識に頭の使うミステリ続きだったから、繊細な物語が読みたくて積読してたこちらを!
    とても読みやすくて、章タイトルの付け方にも惹かれた。

    損傷の激しい遺体の描写が生々しく想像すると辛くなるけれど、喪失を抱えた納棺師それぞれの過去、喪失への向き合い方、納棺師の仕事を通じて不器用ながら生きていく姿に、ふと「この物語とても綺麗」と感じた。最後は過去の自分と重なる部分があって涙堪えながら読んでた。

    読み終えてカバー外してタイトル見て、買ってよかった!ってついニコッとしちゃった!

    0
    2025年12月05日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    納棺師という職業がテーマの小説。
    率直な感想は心を動かされたということ。納棺師という職業は特殊で、さまざまな職業と距離を置いて見られることもあるかと思います。
    しかし、本作を通じて人の為に尽くす尊敬すべき職業というイメージを抱きました。
    ご遺体の施工は故人のためだけでなく、遺族のためでもある。故人の最期を納得した形にすることで大切な人を失った遺族の方々が少しでも早く日常に戻れるように後押しをする役割でもある。
    僕が読んできた中で一番死というテーマに向き合っている作品でした。

    0
    2025年12月02日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    納棺師の中でも 損傷の激しい遺体を復元する「二課」に勤める5人

    章ごとに視点が変わり、あっという間に読み進めた

    有明さん、入相さん、朝未、八宵、東雲くん
    みんな大事なものを失い、もがいて、でも希望を捨てずに生きていて
    読みながら「こんな言葉をかけられる人間になりたいなぁ」と思わされるセリフが幾度となくあった

    「死」を感じさせる仕事だが、同時に「生き方」についても考えさせられる

    読み終わりは「二課」の一員になったかのようなきもちだった

    0
    2025年11月25日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    冠婚葬祭業に就いていた事があるので、その業界の世界観みたいなものは細かな描写で伝わればと思う。
    突然大切なものをなくした喪失感から、気持ちの移り変わりを優しく表現されている作品。

    0
    2025年11月24日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    ブク友の皆さんの本棚を眺めて、ずっと読みたかった本。
    以前、テレビで納棺師のお仕事密着番組を見たことがあって、登場した納棺師さんはご自身のお母さんの葬儀のメイクで感じた違和感や寂しさがきっかけでこの仕事に就かれたと話されていた。特殊な仕事だけに自分の体験から…という人が多い職種なんだろうか。
    この本の登場人物達も訳ありの人が多い。
    それぞれが寂しさや後悔、生きづらさを感じながら、仕事にはプロとして向き合う姿が格好いい。同じ気持ちで働く仲間、そして仕事を通して見えてきた景色、そこに希望が感じられて、読み終える頃にはこちらまで前向きな気持ちになっていた。
    遺体の描写がめちゃくちゃリアルだなと思った

    0
    2025年11月21日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    大切な人が突然亡くなってしまう…
    それは事故や事件、自殺かもしれない

    それでも私なら顔を見て、触れて、お別れしたいと思うが、その場合きれいな姿とは限らないだろう。

    この本には、損傷の激しいご遺体に復元処置や特殊メイクを施し、ご遺族が対面出来るようにする納棺師という職業が描かれている。

    登場する五人の納棺師たちはそれぞれ、心に大きな喪失感や痛みを抱えて生きている者たちだ。

    精神的にとてもハードな仕事だと想像するが、ご遺族がこれからを生きていくために必要で、大切な仕事なのだと思う。




    おびのりさんのレビューで、登場人物たちの名前が薄明かりの時間を表す言葉だと知り、早速目次を確認した。

    0
    2025年11月11日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    とても読みやすい文章、というのが第一印象。
    かなりヘビーで生々しい描写が多かったにもかかかわらず嫌悪感を抱くことなく物語に没頭した。損傷の激しいご遺体に携わるだけではなく納棺師さん自身をも掘り下げたところに醍醐味があった。2課のスタッフの皆さんが抱えながらもお仕事に邁進する姿勢に頭が下がる思いだった。
    個人的にはかなり上位にランクイン。今後の執筆にも注目していきたい。

    0
    2025年10月20日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    人生の最後を考えるとき、家族に看取られながらとか、病院や介護施設で、とかを大抵想像する。突然の最後を迎える可能性もあるのだけど、想像するときにはその可能性を見ないようにしているかもしれない。
    あんまり考えたくないから。

    この物語は、特殊な状況で亡くなられた方を専門に扱う納棺師のお話である。
    顔が欠けていたり、損傷が激しかったり、体が棺に納められないような形になっている方を、棺に納めて見せられるようなきれいな状態にしてご遺族にお渡しする。
    納棺師といえば『おくりびと』という映画のイメージだったけど、亡くなり方も多種多様であればこういう処置が必要なのは当然。それなのに、そういうことを想像したこと

    0
    2025年10月20日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    納棺師のお話で、映画「おくりびと」のような穏やかなものじゃなく、損傷のあるご遺体を処置して整形する立場にある人たちの話。
    そこで働く人たちにも心に様々な傷を持っている。
    彼らもお互いを支えながら懸命に生きていて、もがきながらも前に進もうとしている姿に心が揺れた。

    ある程度の年齢になって、故人をおくったことのある自分にとってはこういった納棺師さんたちの話は貴重で、ありがたくて、尊敬する。でもこういった仕事に良い顔をしない人たちも少なくないんだなという現実も悲しい。
    誰もが最後にお世話になるんだよ

    0
    2025年12月13日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    また装丁だけで手にとった作品です。

    オイラは救命救急センターの夜間受付を長くやっていました。
    それも三次救急といって、最も重篤な患者さんの救命を試みるセンターでした。

    いわゆる「力及ばず」という医師の言葉を何度も聞き、患者さんのご家族の号泣を何度も聞いてきました。
    死亡診断書(死亡検案書)に何回公印を押し、ご家族にお渡ししたか…。

    そして圧倒的に女性陣が多い職場で、エンゼルケアを終えたご遺体を冷凍庫に運び入れるお手伝いも、男性職員として何回したことか…。

    この作品はそのことを思い出させる(忘れたことはないですが)内容でした。
    なのでオイラの星5つの時の締めセリフは使うのは好ましくないと

    0
    2025年11月30日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    納棺師の仕事やそこで働いている人たちの裏事情など繊細に描かれていて、新人作家さんとは思えないくらいでした。
    宗教的なことか分からないけど、何故こういった仕事をしている人たちを忌み嫌ったりするんでしょう。
    誰しも死は訪れるものなのに。そして凄く厳しくて辛い仕事であると思うから、むしろ感謝しかないと思う。

    0
    2025年11月27日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    闇を抱えた納棺師たちのお話

    死を意識することは普段生活していくなかほぼないが、死ぬことの意味や、生きている意味を考えさせられた

    話自体は重いので気分も重くなる描写はあるけれども、すこし生きていくことを頑張ろうと思える作品

    0
    2025年11月26日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    ブクトモさんで読んでいないのが私だけになってきて、焦って本屋さんで新品購入しました^^;
    探すのに苦労しました。そこそこの大きさの書店ですが、在庫一冊しかありませんでした(ー ー;)

    損傷の激しい遺体を修復する納棺師たちの姿を描いた作品。
    このお仕事は、みんみんさんおすすめの「吸血鬼と愉快な仲間たち」で出会っていた為、それほどの目新しさを感じることもなかったです。

    それぞれ問題を抱えた社員さんたちが、人の死を通して、『生』に向き合う姿が描かれていました。
    大きくは無いですが、静かに余韻の残る作品かなぁ*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*



    -------------

    この三連休で、毎年恒例の京都に

    0
    2025年11月25日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    ⭐︎3.7
    納棺師という普段なかなか知ることができない仕事について書かれていて興味深かった。損傷の激しい遺体など読んでいて辛い描写も多かったけど、それ以上に登場する納棺師たちそれぞれの抱えている想いに優しく寄り添うような書き方が印象的。著者の人柄が現れているような素敵な文章だった。

    0
    2025年11月15日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    納棺師のお仕事に遺体の修復もあるのは初めて知った
    まだまだ知らないお仕事があるんだなぁ
    ワケありスタッフ揃いだが、こんな人達に最期をみてもらえたならいいだろうなあと思う
    センシティブな内容なので途中読み進めるのが辛い部分もあったが、読後感はよい

    0
    2025年11月14日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    納棺師のお話。通常ではない死に方をした状態のよくない遺体の復元、特殊メイク等ちょっと変わった部署の物語。納棺師は馴染みがないので、こんな仕事もあるのかと勉強になった。それぞれの立場から話しが描かれて、良いドラマがある。

    0
    2025年11月03日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    壊れた遺体を修復する納棺師。そこに心があればあるほど辛い仕事。でも心があるから故人の意思や遺族の未来に繋げていける仕事。実際の納棺師の方々について知りたいと思った。

    0
    2025年11月01日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    ページを捲ると“装画なたり“と記されていた
    手が印象的なイラストレーターさん
    数ページ読むと、この手が何を行なっているのかがわかる

    納棺師といえば、映画『おくりびと』のイメージだが、ここでは一課がそちらの仕事
    この作品の主人公は二課「特殊復元処置衛生課-遺体の顔の復元やメイクをして、損傷した遺体の顔を遺族に対面できるようにすることが目的」の5人

    その5人の名前にちなんだ5つの章からなる構成
    予想以上の遺体の状態に、読んでるこちらの顔も歪みがち、でも彼らの技術で復元していく様が浮かんでくる
    こんなにリアルに損傷した遺体の状態を思い浮かべながら読むのは今までに無い体験だし、どこか遠くに感じてい

    0
    2025年10月30日
  • アフターブルー

    Posted by ブクログ

    初読み作家さん。読んだままを想像するのが怖い部分もあるけど、色々抱えながら一緒に働く同僚たちの心理描写が優しく描かれていて、読みやすい作品でした。はっきり全て解決してないところが、次作があるからなのか、解決しなくても人間生きていかないとねっていうことなのか判断つかず。地味に次作を期待しておきます。

    0
    2025年10月26日