朝宮夕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人はなぜ死ぬのか。どんなに探しても、結局は死んだ人間にしか分からない。
納棺師と死体のあまりにもリアルな描写、そして人の感情が揺れ動く描写が非常に心にくる一冊。
とめどなく運ばれてくるご遺体は心臓は止まり声を聞くこともないが、死因やご遺体の状態、ご家族の嘆きのみ説明される。
この本の面白いところは、死体の過去の話について一切書かれていないことだ。
なぜ死を選んだのか、どんな環境だったのか、ご家族との関係。全て書かれていない。
ただただ、腐敗した身体と、嗚咽、涙。
これがリアルだ。
過去の話についての描写がないお陰で、納棺師の仕事視点で没頭して読み進めることができた。
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Posted by ブクログ
読書備忘録996号。
★★★★★。
めちゃくちゃ面白かった!
納棺師というお仕事小説としてはめちゃくちゃ興味深かった。
そして主人公5人が抱え続けるそれぞれの喪失感を乗り越えて行く物語が心を打った。
続編も出るや出ないやという感じなので、忘れないように物語の舞台を整理。
関東圏の片田舎。田園風景が広がるところに株式会社C・F・Cはある。
いわゆる納棺企業。
主人公たちは二課に所属。正式名称、特殊復元処置衛生課。
簡単に言えば遺体を納棺できるように生前の姿に施す役割。
事故、事件など死に方は様々。施工の困難さをA~Eで格付け!想像を絶する!
二課の他に一課(一般処置衛生課)、生課、特課があ -
Posted by ブクログ
読めて良かった!!
読みながらどんどん引き込まれました
佐々涼子さん「エンジェル・フライト」では海外で亡くなられたご遺体について描かれていましたが、こちらは国内でのこと。映画「おくりびと」ともまた少し違う。
遺体を復元する「納棺師」の仕事を描きつつ、喪失を抱えながら働く納棺師たちの内面も丁寧に綴られていました。
遺された人が、故人の顔を見てお別れを言えるように復元する。大切な人との最期の瞬間をどんな風に迎えるかは、その腕にかかっている。
限られた時間のなかで、損傷の激しい遺体を生前の元気だった頃の面影を感じられるよう復元していく──。
いろいろな意味でかなり大変な仕事だけど、故人の尊厳を守 -
Posted by ブクログ
ネタバレ様々な事情(事故や自死など)で損傷してしまった遺体を復元することを専門にした部署に所属する納棺師たちのお話。
「おくりびと」や「ほどなく、お別れです」などといった、人間の最期を看取ることをテーマにした作品もあることから、わりと世間には認知されている仕事かもしれない。
認知されている仕事ではあるものの、ひとの「死」を扱う仕事であるために忌避されがちな側面もあると思う。
ある意味では他人の不幸を商売にしているとも言えるので、そう思う気持ちもわからないではないけど、世の中の仕事の大半は大なり小なり人間の不幸や不便をきっかけとしたものだと思うので、その理屈で納棺師の仕事を否定するのはナンセンスなんじ -
購入済み
納棺師達を主人公とした小説です。
小説だけでなく、テレビドラマや映画等で、葬祭に関わる人達を主人公とした作品が多く出ていますので、どうしてもその中の一つで時代の流れに乗った作品の様に思えますが、主人公の納棺師達自身が色々と抱えている人達で、その心の襞が現れた作品です。
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Posted by ブクログ
『だから、ちゃんと顔を見てお別れできるようにしたい』
『(死んだ)理由なんて、生きている人間が決めるんだよ』
葬儀関係の作者が書いたとしか思えない、生々しい死体処置の描写と、納棺師たちが抱えるどこが現実味を帯びた辛い過去。
ラストに希望は感じられるけど、子どもを突然亡くしても、旦那が急に自殺しても、妻が理由を告げず失踪しても、のこされた者たちはその事実を心の中で整理して踏ん切りをつけるしかないということ。
物語としてはもやもやしますが、そうやって心を整理して生きていくしかない人の方が現実には多いんですよね。
鉛を抱えたような気持ちで読み終えました。
5章構成で、葬儀場の二課で働く納棺師たち -
Posted by ブクログ
ネタバレうまく言えないけど、文章だけじゃなくて出てくる言葉や文字が綺麗だな、とゆうのが最初の印象でした。
本当に存在するのか分かりませんが、納棺師の中でも特殊なご遺体を扱う部署で、損壊の激しい方の修復をして、出来るだけ元の姿に戻す、もしくは残された方の望む姿にすることを仕事にしている人達のお話しでした。
上記の通り、惨い、酷い、悲惨な見た目の方が出てくるので、その描写が苦手な方もいるとは思いますが、私の印象としてはそこまで事細かく書いているわけではないと思いました。あとは想像力の問題かと。そういった表現よりも私は働いているメンバーの気持ちに寄っていったので、あまり気にならなかったのかもしれません。
印 -
Posted by ブクログ
事故や事件、自殺などによって損傷の激しい遺体を、生前の姿へと少しでも近づけるために尽力する納棺師たち。彼らが遺体の状態と真摯に向き合い、遺族が故人との最後の対面を穏やかに迎えられるよう細心の注意を払う姿は、本作において非常に印象深く描かれている。その仕事は高度な技術だけでなく、故人への敬意と遺族への深い思いやりを必要とするものであり、決して容易なものではない。
損傷の大きな遺体を前にした納棺師が、動揺や無力感を抱えながらも自らの感情を整理し、黙々と作業を続ける場面に胸を打たれた。一人の人間としての尊厳を取り戻そうとする彼らの所作には、深い敬意と覚悟が込められており、死を単に恐れるべきものでは -
Posted by ブクログ
納棺師という仕事を舞台にした小説。でも普通に亡くなった方の納棺ではなく、さまざまな理由で遺体の修復が必要な方々の話。なので、遺体の状態の説明にはビックリすることばかりだが、たしかに轢死、飛び降りなどの自殺や激しい交通事故など、生前の姿からはほど遠い方もいるという現実もあるわけで…。
小説初執筆でこの内容。新人賞も受賞し、次はどんな小説を書くんだろう。
章ごとに二課のさまざまな喪失を抱えた方々を中心とした短編小説的なつくりになっているので、しぼったほうがよかった、との感想もあったが、私的にはそれぞれ抱えたものがありながらも希望がある終わり方だったので、よかったと思う。 -
Posted by ブクログ
特殊復元処置を施さないといけないほど損傷の
激しいご遺体と向き合う納棺師達のシビアな現実と心の内面を描いた物語
5人の視点で描かれ、それぞれの個人的事情と苦悩が絡む事で、納棺師という職業の
特殊性 過酷さ 尊さ が際立っていました
また、ご遺体と真摯に向き合うことで、
5人はそれぞれ抱える苦悩や生きづらさから少しずつ解放されていきます
人の亡くなり方は千差万別
どんな亡くなり方であってもその死が安らかなものであって欲しいと残された者達は願う
この物語から
その願いに近づき寄り添う事を生業とする人たちがいる事を知り
彼らに深い敬意を感じるとともに
なぜかとても心強い存在のように思えたの