朝宮夕のレビュー一覧
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購入済み
納棺師達を主人公とした小説です。
小説だけでなく、テレビドラマや映画等で、葬祭に関わる人達を主人公とした作品が多く出ていますので、どうしてもその中の一つで時代の流れに乗った作品の様に思えますが、主人公の納棺師達自身が色々と抱えている人達で、その心の襞が現れた作品です。
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Posted by ブクログ
ここのところ旅立ちについての映画や小説を目にする機会が多かった。
初めて読む作者だったが、雑誌の書評欄に上がっていた本書を読んでみようという気になった。
5篇の物語のサブタイトルの一部が登場人物の名前になっているのが面白くて、それぞれの物語がタイトルになっている人の話なんだろうなと想像がついた。
ここに出てくる納棺師がそれぞれ身近な死に向き合っており、痛みを知っているからこそ、遺族に寄りえるんだなと思った。
小説を読んでいるだけでも、その細かい描写に大変な職業だなと思い、常に人手不足な状況に納得しつつ、それでもやはり欠かせない職業であると思った。
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Posted by ブクログ
元納棺師である著者、朝宮夕さんが綴る死の現場は、驚くほど生々しく、ありのままだ。遺体の変色や損壊、そして文章では伝わりにくい臭いや体液、皮膚の変化。その生々しい表現に、正直、何度もたじろいでしまった。
葬られるご遺体にも、種々様々な事情が見え隠れする。たとえば、女性に生まれながら男性として生き、そして亡くなった方。棺に納めるとき、母親が「どうしても女性の姿にしてほしい」と願う場面。それはあまりに切実で、結局のところ、納棺師の仕事は「見送る人のためのもの」であり、死者のためではないのだという現実を突きつけられる。
その圧倒的な現実に立ち向かう登場人物たちの姿が、何よりも胸を打つ。
先輩である -
Posted by ブクログ
ネタバレ納棺師・エンバーマーという仕事を題材にした物語で、死生観について深く考えさせられた。
グロテスクな描写は確かにあるけど、不思議と嫌悪感はなく描かれているように思う。改めて死は現実の延長線上にあるんだなぁと思った。
エンバーマーという職業の存在自体は以前から知っていたけど、本作を通してその仕事の重さや責任の大きさを改めて実感し、ただただ頭が下がる思いです。遺体修復については賛否が分かれるところですが、少しでも遺族の心が和らぐのであれば、その行為には確かな意味があるのではないかと感じる。
また、不慮の事故などで、いつ自分自身もお世話になる側になるか分からないという点で、この物語は決して他人事ではな -
Posted by ブクログ
本を読む前は、亡くなった人の人生を描いているのかなと思っていたのに、全然描かれていなくて、読後すぐは物足りないなと思っていた。背景がある方が読者は感情移入しやすいと思うから。
だけど、亡くなった方がどんな原因でなくなったのか、どんな背景があったのか、これを他人が安易に推測して踏み躙ってはいけないというメッセージを伝えたくて、安易に書かなかったのではないかと思った。
作中で出てくる納棺師が、感情移入してはいけないと言っていて、最初は納棺師が精神的に疲れないようにするためだと思っていた。もちろんそれもある思うけれど、それが故人を尊重するということなのかも。
ただ、そうはいっても、八宵さんの旦那 -
Posted by ブクログ
5人の納棺師たちは全力を尽くす。遺された人々が、最後に顔を見てお別れを言えるように。
「どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ」
納棺師、遺品整理士、生花装飾技能士……葬儀関係のプロ集団「株式会社C・F・C」。
とりわけ損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」は、無残な状態から生前の面影を復元するのがミッション。
事故、事件、自殺ーー二課には毎日のように遺体が運ばれてくる。入学式を明後日に控え線路に正座していた少年、ゴミ屋敷で餓死した男性、幼い我が子を残して事故に遭った母親、飛び降りる瞬間を動画配信していた少女ーー
二課の納棺師たちはその手で、失われた生前のお -
Posted by ブクログ
2泊3日で読み終えた。
死についての描写ではなく、登場人物の人数分の抱えている背景を読むのが辛かった。人と人が出会うときの化学反応によって、それぞれの抱えている辛さが、少しずつ前進して終わってよかった。
人は1人では生きていけないし、明日が来ることは当たり前ではないし、死はすぐそばにいる、忘れがちなことが思い出された。
柳瀬博一さんの「親父の納棺」をまた読みたくなった。
この本でいうところの1課の話だけどね、ハードではなく、おすすめ。
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追記
他の人の感想を読んでいると、
登場人物のそれぞれの物語として捉える人と、
納棺師の話として捉える人の2パターンに分かれるの、面白い現象