朝宮夕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
亡くなった方の身体を清め、身なりを整え、棺に納める専門職である納棺師。
その中でも、事故や災害などで損傷した故人の外見を生前の姿に近づけるための修復を行う復元納棺師がこの物語の主人公たちである。
「おくりびと」とも言われるこの職業、死にまつわるだけに差別も多い。
でも、尊い職業だと思う。
死は身近にあるもので、決して忌避するものではないのだから。
登場人物それぞれが強い喪失感を抱えている。
彼らは、目の前の絶対的な「死」という存在に向き合い、残された遺族に寄り添うことで、自らの生を獲得していく。
そう、再生の物語だ。
タイトル「アフターブルー」のブルーは薄明(ブルーアワー)から連想されて -
Posted by ブクログ
納棺師のお仕事小説だと思って読み始めたが、
微妙に違った。
葬儀社からの依頼をこなす「株式会社化C・F・C」
納棺師や生花装飾、遺品整理といった部署があるなか、本作でフォーカスが当てられるのは、損傷の激しい遺体を生前のように復元するのが専門の「二課」。
丁寧な描写ゆえに、時々読み進めるのが辛くなってしまう遺体の復元処理。
二課のメンバーそれぞれが抱える事情も描かれるが、やはり案件毎の生々しい遺体の損傷具合と、それに対応すべく施される処理内容のグロテスクさに圧倒されてしまった。
私も今までの人生で、死化粧を施された遺体に触れた経験はあるが、損傷の激しい遺体は復元が難しく、棺桶を閉じたままで