ベン・メイブリーのレビュー一覧
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自分がサッカーの面白さに気づいたのはNHK BSが放送するプレミアリーグの試合を16:9の画角の映像で観たことによります。ちょうど自宅のテレビを大きくしたタイミングが2009年だったのでその頃のことでした。きっとピッチ全体が映る引きの画面にサッカーの戦術を感じたのだと思っています。ボールを持っていない選手の動きの面白さに初めて気づいたのです。「プレミアリーグ全史3」はそんな時代から現在に至るまでの歴史です。「プレミアリーグ全史2」ではマンチェスタ・ユナイテッドのファーガソンとアーセナルのヴェンゲルの戦いにチェルシーのモウリーニョとリヴァプールのベニテスが加わるまででしたが本書では、そこにマンチェスター・シティのベップとリヴァプールのクロップが登場し、さらにトッテナムを入れた「BIG6」時代の話です。世界的な名将の登場によってピッチ上の戦術が精緻に進化していくことが横糸だとすると、シティ隆盛のきっかけとなるオーナーシップに代表されろマネーの流れが縦糸となります。特に最終章の「プレミアリーグのこれから」はサッカービジネスの現状の問題に対する指摘が、深いサッカー愛によってなされて迫力を感じます。そして「全史1」「全史2」「全史3」を通して公共財としてのサッカーを考えることを教えてくれました。サッカーを巡る「愛」と「技術」と「マネー」の明日は、どっちだ?!
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シリーズ完結の3巻。ペップ・シティとミラクルレスター、そしてビッグ6を経て新たな時代へ。
何度か出ているUEFA内のスーパーリーグ構想。周期的に浮かび上がってはたち消えている話なので、なんとかして利益追求という面で形にしたいという思惑があるのでしょう。そうじゃあないんだ、ということをクラブ運営に関わる人たちにはよく知っておいていただきたいものです。一部の強豪クラブ、この場合の強豪は金満と言い換えてもいいかもしれませんが、だけで回るリーグは面白くない。
ミラクルレスターのような事件があるから面白いのであるのです。
レスターが優勝した時のシーズンについての話は興味深かったです。リーグの流れとして歴史を振り返った時に、他の上位常連クラブの転換点が重なったという、ここぞというタイミングで巻き起こった奇跡。なんといっても、そのメンバーに岡崎慎司がいたことが頼もしい。スタメンだしね。エスパルスが育てたんだよ、最初の最初は
。クラブの5番手FWだった岡ちゃんが、本人の努力と、それを発揮できるタイミングが重なって、チャンスをものにして成り上がってゆく、という物語。多くの日本人選手が海外クラブに在籍しているわけですが、クラブの伝説になりえた選手ってなかなかいないと思います。古今東西問わずですが。岡ちゃんが、そういう存在になれたということはただただ嬉しい。ミラクルレスターのメンバーだった、というだけで認知はされるしね。中田がローマ時代のユベントス戦を語り継がれるように、俊輔がCLのユナイテッド戦のFKを語り継がれるように、岡ちゃんもレスターでの活躍は語り継がれてゆくのです。素晴らしい。
「スポーツウォッシング」かぁ。
スポーツと政治は切り離して考えるべきではあるのですが、都合よく利用する存在をなくすことは、一朝一夕にできることではないので、常に見張ってゆくことが大事なのだと思います。体制内からも外からも。オリンピックを政治利用した頃から変わってないんだろうなぁ。
フットボールの進化によって生み出される熱狂とお金。
その光と影の二つ。共存も背反もする要素についての話が随所にあって、フットボールの未来を語る上で避けられないことではあるのですが、うんざりする気持ちになってしまいます。
シンプルにいい試合をたくさん見たいだけなんだけどなぁ。
そうは言いつつも、見たくないものから目を逸らすことは違うことなのだよなぁ。それこそスポーツウォッシングに利用されることになってしまう。賞賛と批判を同居させてスポーツ観戦楽しみたいものです。信仰と誹謗にならないようにしないと。 -
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期待どりのファーガソンvsベンゲルと、ファーガソンvsモウリーニョの2巻でした。
監督たちの真情はわかりませんが、公人としてクラブや選手たちのために演じていた部分があるのは確かでしょうね。ただ、これって心情がそのまま出てしまったんじゃないか?と思ってしまう時があるのも事実で。それが楽しく愛おしいです。
人間味が見えるといいよね。
2巻に収録されている一番の事件というと、やはりアブラモビッチの登場ではないでしょうか。この巨額の資金によって勢力図が一変したと思います。現在につながる流れの始まり。チェルシーとシティがプレミアを代表するクラブの一つになった要因の大きすぎる一つ。放映権ビジネスと巨大資本の介入によって、どんどん大きくなってゆくフットボールビジネス。いずれバブル的に弾けるのではないか、と思っていたのですが、そうではなかったですね。1クラブに限定してみれば、うまくいかなかった例はあると思います、スペインですがマラガとか。
インヴィンシブル・アーセナルも2巻収録。
アンリがやばいのはいうまでもないですが、ピレスとかもやばかった。やばい、で形容するのはいかがなものか、とは思いますが、やばいで表現する以外にしっくり来るものがなかなかないのも事実。それだけの偉業なのですよ。
当時のスタメンを振り返ると、そりゃあ強いよ、となるのですが、歴代の名チームを見ても無敗というのを成し遂げたチームは限られるので、やはり「やばい」となってしまうわけです。
ユナイテッドのトレブルも2巻の内容か。
ちょうど海外サッカーを見始めた頃の出来事。たまたまつけたテレビでCL決勝をやっていて、ベッカムぐらいしか知らなかったけど見ていたら、ロスタイムにすごいことが起きました。人生で初めて見たCL決勝がこの試合だというのは、ものすごい貴重な経験であったと思います。サッカーを見続けていくうちに、この時の勝利の凄さがわかってくるという体感。他にもイスタンブールのリバプールも記憶に残っている試合ですが、初体験ということでこの試合は忘れられない。
やはり、一番海外サッカーに触れていた時期なので、思い出深いことばかり。
ジェラードが足滑らして優勝できなかったシーズンとか思い出します。あそこで、やらかしてしまうのがクラブの象徴の選手というのが、なんともいえない。
リバプールがクロップを擁してリーグ席巻するのは3巻ですね。ペップのシティも。
ファーガソンが引退するのも3巻か。なぜに後任をモイーズにしたのか。モイーズでなければ、香川がもっともっと輝けたと思うのだけどなぁ。 -
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全3巻の第2巻!だんだん知っているプレミアリーグになってきました。今回はユーロ96を終えた1997年から2010年頃まで。それはマンUとアーセナルの二項対立の物語から始まります。つまりファーガソンとヴェンゲルの両極が織りなすストーリーです。「彼(ヴェンゲル)にはイングランドのフットボールの経験がない。日本から来たんだ。」というファーガソンの冷たい言葉。初めての外国人監督が持ち込んだサッカーとイングランドサッカーのプライドの衝突です。そのぶつかり合いは1995年のボスマン判決とシンクロして自分が知っているスター選手がキラ星の如く登場しつつプレミアリーグのサッカーをプレミアムにして行きます。そしてチャンピオンズリーグの勢いがサッカーワールドを変えて行きます。ヨーロッパNo.1という悲願に向かうファーガソンとプレミアリーグ無敗も目指すヴェンゲルの対比も面白い。そこにアブラモヴィッチが現れチェルシーを買収しモウリーニョがクラブの存在感をぐんぐん上げていく…本当はリヴァプールの監督になりたかったモウリーニョではなくその座を射止めたベニテス…新たな二項対立が、ビッグ4という時代を作っていくのです。それはサッカーのクラブ経営というビジネスモデルの変革でもありました。しかし、マンチェスターシティもグアルディオラも登場していません。第3巻、早く来い!
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8月18日に田中碧選手が今年昇格のリーズのスタメンとしてプレミアデビューを果たし現在、プレミアリーグに在籍する日本人は5人!二部にも9人!すごい時代がやってきました。(田中選手23日のアーセナル戦で膝痛めたらしく心配…)ただマンUとリヴァプールとアーセナルとか…あとチェルシーとかマンチェスターシティとかも…そうユーロに出場するチームだけなんとなく知っていた時代から、もっといろんなチームを知っておかないと日本人選手の現在地がわからなくなる時代でもあります。ブライトン、クリスタルパレス、トッテナム…そうそう、この本ではリーズは消えていましたが再復帰ほやほやなのも調べて知りました。前にBSの番組でプレミアリーグが衛星放送マネーで成立する際のドキュメンタリーを見たことがあります。この全史もサッカービジネスについても書かれているのかな?と思いましたが、それはそれは熱いチームの歴史、チームとチームの因縁の歴史でありました。いやチームと地域の絆の物語か。「勝利よりずっと重要なのは、そのファンが自分は誰であるか、そしてそれをいかにして表現するかということなんです」ジャーナリストのジョナサン・ウィルソンが昨年『The Guardian』に書いた言葉が本書の背骨となっています。なのでヘイゼル・スタジアムの悲劇やヒルズボロの悲劇についてのサッチャー政権への眼差しは厳しいものがあります。新自由主義によって格差の広がる過程とサッカービジネスが巨大マネーによって流れる大河小説の始まりです。いや平家物語か?源氏がマンUで平氏はリヴァプール?これは2も読まない訳にはいきません。
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イングランド・プレミアリーグの発祥から現代までの歴史を振り返るシリーズ。全3巻の1巻は、イングランドのフットボールの起源から、暗黒期・低迷期を経てプレミアリーグの開幕、90年代のリーグ動向について。
プレミア草創期というか、イングランドのフットボールに延々と連なるリヴァプールとユナイテッドのライバル関係が興味深い。というか、ユナイテッドがファン全体から敵であるとみなされているのが面白いね。強いから、というのが前提にあるのがいい。Jリーグでいうと、鹿島が近いかなぁ。勝負に徹する故の憎たらしさ、というのが鹿島にはあって、リスペクトはあるけど嫌い、という存在だと思います。
ユナイテッドに感じるものは、イングランド独特の歴史的背景とかがあると思うので、一概に似ているとは言えないけどさ。
浦和や町田という、Jリーグの中でヒールのような存在と、鹿島に感じる憎たらしさは違います。
1850~1996までの歴史が描かれている1巻の中で感じたのは、ユナイテッドとファーガソンの存在感というものの大きさ。2巻でも、ユナイテッドとファーガソンは常にリーグの中心にいるのは間違いないでしょう。一番、プレミアを含めて海外サッカーを見ていた時期が、おそらく2巻の内容に重なると思うので楽しみ。
アーセナルとベンゲル、チェルシーとモウリーニョ。彼らを始めとした多くの役者と火花を散らしたユナイテッドとファーガソンの日々です。
巻末付録のクラブ小史がいい。
通史である本書には入りきらないけども、魅力的なエピソードは語りたい、という欲求が感じられていいです。こういうのがいいんですよ。
ライフワークのように長年追いかけ続けているコンテンツの楽しみ方は、忘れることのできないビッグイベントもいいのだけども、欄外に記されるような小さなイベントの蓄積もたまらないものがある。
知る人ぞ知る、という程度の話題を共有できた時の喜び。これを経験すると、抜け出せなくなってしまうような気がするなぁ。 -
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勘違いしてたなぁ。プレミアリーグってイングランドリーグが看板を架け替えたものだと思っていたんだ。
プレミアが始まったのは1992年。サッカーがビッグビジネスになるのに合わせて、もっと儲かるリーグにするためのビッグクラブによるクーデターだったんだね。その目論見は大成功し、今やプレミアは最大のサッカーリーグだ。
プレミア以前、イングランドではサッカーのテレビ生放送は禁じられていたんだそうな。サッカーは「スタジアムで観戦してこそ」ってわけだ。頷ける道理だし好みだけど、ファン層の拡大を目指すには、古い習慣から脱しないといけないよね。
1巻は1992年から1996年まで。マンチェがリヴァプールに追い付くところまでが語られている。続きが楽しみだ。