高橋啓のレビュー一覧

  • ルーム・オブ・ワンダー

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    面白い。一気に読み、涙まで。「文学」からではなく「生活」から生まれた小説、との訳者の方の評に納得。素敵な小説。

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    2018年11月12日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    あとがきによると、著者は、この本のモデルはカポーティの「冷血」でした、と答えているそうです。
    「ローズ・アンダー・ファイア」と続けて読んでしまったので、まさに彼女たちに施された人体実験の首謀者である悪魔の医師が、このような卑小な人物であると知ると、やりきれなさが倍加します。
    イスラエルの諜報機関であるモサドに対する見方が変わりました。何故、ターゲットを地の果てまでも追い詰めるはずの執念深さでは地上最強のはずの彼らが、メンゲレを最後まで捉えることができなかったのか…意外な理由でした。

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    2018年11月08日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    「アウシュヴィッツの死の天使」メンゲレの戦後の逃亡の記録。そう言えばアイヒマンも捕まったのは南米か。戦中戦後、建前中立だった南米がナチの巣窟だったってのは聞いたことはあったけど、そこメインで書いてる本は初めて読んだ。なかなかおもしろい。

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    2018年11月01日
  • 7

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    ネタバレ

    ・エリセエンヌ:精神だけが若返るドラッグ
    ・木管:不思議な楽器には過去のあらゆる名曲が刻まれ〇サンギーヌ:スーパーモデルと対になる傷を負った男
    〇永久革命:共産党を離党した老人性医師が1973年に革命が成就した世界と現在とを精神になって行き来する。
    ・宇宙人の存在:宇宙人を研究する兄とその恋人
    〇半球(ドーム):同じ原理主義思想の者同士が通信を遮断したドーム内で暮らしドームの中に更に分派のドームという分断社会。
    〇第七:何度も生まれ変わり、公務員、ノーベル賞学者、革命家、宗教家、極悪人、作家を生きる。7回目に不死性を失うが、恋人に。

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    2025年11月15日
  • 言語の七番目の機能

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    中身の学問的内容はかなり難しい……がわかりやすく派手なシーンも多く、しかし大山鳴動して判明した真相は といった印象
    真相の大小よりはある観点に気づいた主人公が至った領域こそが真に七番目の機能を活用しているのかもしれない

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    2025年07月18日
  • HHhH プラハ、1942年

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    ネタバレ

    ◼️ ローラン・ビネ「HHhH プラハ、1942年」

    タイトルの奇抜さに気が惹かれ、やがて来るその瞬間に向けて集中力が高まっていく。

    書評と受賞歴で評判はなんとなく分かり、読みたいと思っていた。本を読む前に予備知識はあまり入れない。単純に知らない方が楽しめるから。今回も最初の方のページに書いてある紹介文にはほとんど目を通さなかった。ナチもの、という程度の認識だった。

    ナチスの大物幹部、ハイドリヒ・ラインハルト。天才的な実行能力と、狂気とを併せ持ちドイツ第三帝国領内のユダヤ人を絶滅させようともくろみ実行した男。チェコを統括する地位に就いたハイドリヒを暗殺すべく、ロンドンの亡命政府が刺客を放

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    2025年05月28日
  • HHhH プラハ、1942年

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     1942年のプラハで、ナチのゲシュタポ長官であるハイドリヒを暗殺しようとした「類人猿作戦」を描いた小説、を描こうとした「僕」が何を調べて、何を伝えたくて、何をためらい、何を取り上げたり取り上げなかったりしたのかを逡巡していくうちに、歴史の出来事の記述がコントロールしづらくなっていく様を描く小説。原書はフランス語。
     ある事件を描いた、というだけだったら歴史小説として読めばいいのだけど、「僕」が一体何なのかを理解したり慣れたりするのに少し時間がかかる。なんかこれまでに読んだことのない感じの小説で、割と前半は、「僕」の話と何人かの登場人物の整理がつかなかったり当時の政治状況に関する無知のせいで、

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    2025年05月06日
  • 言語の七番目の機能

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    ちょっと難しすぎたな……。
    ところどころ刺さるフレーズはありつつ、全体として悪い夢見てる感じの展開。
    母国語で、かつ近代史に明るかったらもっと楽しめたのかも?

    以下気に入ったフレーズ。

    自分だって子供の頃は人生は美しく、まるで奇跡か魔法のようだと思っていたのに、今では何もかも変わってしまったけれど、その責任が自分にあるわけでもないし、そんなにやりすぎたわけでもないような気がするんだけどな、と歌詞を反芻しながら眠りに落ちた。

    日本料理がいつも食べる人の前で作られるのは(それがこの料理の基本的な特徴だ)、敬っているものの死を人前にさらすことによって神聖化する、おそらくそれが大切なことだからで

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    2025年03月08日
  • HHhH プラハ、1942年

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    その名はラインハルト・ハイドリヒ
    「第三帝国デもっとも危険な男」、親衛隊将軍、国家保安部長官、ユダヤ人虐殺の司令官。

    強制的に併合されたチェコの総督となったハイドリヒ。
    暗殺すべく、チェコ人、スロバキア人のパラシュート部隊員がプラハに送り込まれる。

    ノンフィクションでありながら、フィクション。
    独特の手法で書かれたディティール。
    作者、ローラン・ピネのデビュー作であり代表作。

    タイトルの「HHhH」は「ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる」の略だ。(ヒムラーは親衛隊のトップ)

    (ちなみに「ヨーロッパでもっとも危険な男」と当時呼ばれたのは、これまた親衛隊のオットー・スコルツェニー大佐。幽

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    2024年06月26日
  • HHhH プラハ、1942年

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    歴史小説の新しいスタイルで評価は高く、文学的意義もありそうだが、単純に私にはちょっと読みづらかった。没入しづらい。でも終盤は集中して一気に読める展開で面白かった。諦めず頑張って読んで良かったな、という感じ。ナチの歴史ものだが知らなかった史実もあり、興味深く勉強にはなった。

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    2024年04月11日
  • HHhH プラハ、1942年

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    ’14年に単行本で購入(検索したら文庫でしか出て来なかった)。構想を練り、物語を構築する過程も物語の内という奇妙な小説。
    初読時、ナチスドイツへのズデーデン地方割譲の経緯経過が、ロシアのクリミア併合と被って見えたことを思いだした。

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    2023年09月07日
  • 認知アポカリプス――文明崩壊の社会学

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    ネタバレ

    文明・技術の発達で自由時間が圧倒的に増えたはずの人間だが、得られた自由時間はネット漬けにされている。商売や自己顕示欲を満たすという目的からネット空間やメディアが人々の注目を奪うための戦略に特化していった結果、脳が生理的に注意を向ける仕組みに沿って刹那的な注目→満足を繰り返すことばかりで時間が浪費されるようになり、人類の進歩を促すような長期的な利益が得られなくなっているというのが趣旨だと思う……のだが、広くいろいろな分野の関連情報を次々並べたてているのと結論が弱いためにまとまりがない印象を受けるかも。
    そういった状況に陥っているのは清き人間本性が資本主義や特定の人物・団体の陰謀に歪められているの

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    2023年05月28日
  • 編集者とタブレット

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    主人公はフランスの編集者。紙の本をこよなく愛するが、このごろは電子ブックに押され気味。原稿もデータで渡され、タブレットで読むように言われる。打ち合わせは、ビストロではなくスシ・バーで、飲み物はワインではなくビールとコーラだったりする。世の中の変化に苛立ちながらも、タブレットと悪戦苦闘する。
    私のような紙の本大好き人間には、共感の嵐だった。フランスらしいエスプリの効いたストーリだった。

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    2022年07月08日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    ドイツのユダヤ人作家?による「ノンフィクションノベル」。アウシュビッツで恐れられていた白衣の悪魔メンゲレ医師の南米での隠遁生活。驚愕の新事実とかではなく、メンゲレの狂気と恐れをじわじわと描く。3.0

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    2020年11月18日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    『スターン』誌じゃなくて『シュテルン』じゃないかと思うんだけど。
    それはさておき、戦争責任って難しいんだなあと思う。勝ったか負けたかで立場は全然変わるし、命令を下した側が罰せられるのはともかく、命令を受けて行動した側は、じゃあそれを拒否すれば良かったのかというと、それは勝ったか負けたかという結果が出てから言えることだし・・・もしあの戦争でドイツが勝っていたらメンゲレが行っていた実験等々は責められるどころか褒め称えられてたのかなと思うと、恐ろしい話しだよなあとつくづく思う。

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    2020年07月19日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    ナチズムへの傾倒と功名心から、アウシュビッツで非道な人体実験を行い、多くのユダヤ人などを死に至らしめたヨーゼフ・メンゲレの逃亡記。彼は最後まで「狂信者」だった。

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    2019年08月30日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    ナチスの人体実験に関して、最も名の知れた科学者ヨーゼフ・メンゲレ。
    ユダヤ人輸送の責任者アドルフ・アイヒマンほどの大物ではありませんが、自身の研究と到着後の“選別”によって夥しい死を実行しました。
    自然死するまで逃げ切ったナチスの一人であり、動向に不明な点が多い人物です。
    著者のメンゲレ研究の末、事実と想像を交えた小説の形で世に出た一冊。

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    2019年02月08日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    アウシュビッツでユダヤ人を医学サンプルとして冷酷に選別し人体標本や実験をしていたナチスの医者・メンゲレ。戦後南米に逃亡し1979年にブラジルで死んだ。そのメンゲレの逃亡を小説にしたのが本作。
    メンゲレを支えたのは、メンゲレ家の資産とヒットラーに心酔する人々の存在であった。メンゲレも生涯ユダヤ人の劣性を信じ、自分の行いに非は無かったと考えている。ドイツ人の優性を主張し、ユダヤ人のみならずかくまってくれているアルゼンチンやブラジルの人々をも軽蔑していた。自分の正当性を信じ、あくまでも生き抜くことに執着している。
    アウシュビッツでの行為に記述や、傲慢な逃亡生活に読んでいて辟易してしまう。それでも最後

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    2018年12月14日
  • ヨーゼフ・メンゲレの逃亡

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    メンゲレを怪物ではなく人間として描くことには成功している。アウシュビッツで行った残虐な人体実験や殺戮の描写には読んでいて吐き気をもよおすほどなのだから、残虐性を描くことにも成功していると思う。ただ、余りの残酷さはやはり読んで面白いものではない。一片の同情も酌量の余地もないので、逃げ切ったことへのカタルシスも全くない。私には苦い読書だった。

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    2018年11月24日