横山信義のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日米双方が攻めあぐねている感じ。それでも米軍のほうが実は余裕があるところが横山らしい展開。そして双方ともに空母を損失し、いよいよB29との対決というところか。日本は夜間戦闘機を投入、そして迎撃用ジェット戦闘機の開発に着手するところまで技術を上げてきたが配備が間に合わない可能性が高い。どちらにせよB29による空襲を阻止できるか否かにかぎらずB29が投入されたところが物語の到達点であることに変わりはなく、空襲を受けたとしたら最後の反撃で結末を迎えることになるぐらいか。ただ、否定されたとはいえZ機が話題に出たことが気になる。空襲に対して空襲で報復することもありえるのだろうか。
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Posted by ブクログ
本シリーズが航空戦にこだわったものであることがはっきりと分かる内容だった。当然描かれるのは空戦であるし、雲龍型、大鳳型が史実よりも早いタイミングで建造され、さらに空母の数が足りなくなったようで、史実には存在しない三番艦、四番艦を登場させている。加えて、打撃部隊の活躍の様子が全くといいほど描かれていない。描かれるのは、「フィリピンへの補給を阻止するため戦艦が投入され、米補給船団は壊滅した」というような結果だけである。航空主兵に切り替え、戦艦の建造を取りやめたという同じような設定の『群龍の海』では戦艦同士の戦いが描かれていたことを考えると、本シリーズが航空戦を描くことに徹底していることが分かる。
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Posted by ブクログ
いかにして重爆撃機の脅威に立ち向かうかがコンセプトの本作。過去作の『群龍の海』と同様に航空主兵に舵を切っているが、『群龍の海』では積極的に航空主兵へと移行したのに対し、本作では仕方なくそうしたという設定である。そのため航空機の開発が遅れている中での開戦となった。重爆撃機との対決だけでなく、僅かな資源と時間で航空機開発の遅れを取り戻すかも見どころの一つなのだが、航空機開発の場に亡命ドイツ人技術者が多数在籍していることから一風変わった航空機の登場が期待できるかもしれない。もっとも、いかにもな奇想兵器は作中において資源と時間がないだけでなく、横山の作風に合わないこともあり登場しないだろうが、ちょっ
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Posted by ブクログ
「開戦篇」と銘打ってあるとおり、開戦に至るまでの経緯を中心に最初の戦いでシリーズが開幕した。ともすれば「日米開戦ならず」となりそうな雰囲気も漂わせつつも日米開戦へと軸を切ってしまう様子が緊張感を持って描かれていた。日本の八八艦隊と米国のダニエルズ・プラン艦の配備が一通り完了している、つまり日米双方が一通りの戦力を保持した状態で開戦を迎えたこともあり緒戦から激しい戦いが描かれていた。日本側はほぼ全力を出し切ったといってもよい状態に対し米国側はまだ主力を残しているという状況で次の戦いを迎えなければならない中、八八艦隊がいかに戦い抜くかが見もの。本作では、日独伊の軍事同盟が成立したことが戦端のきっ